見出し画像

「デザイン組織のつくり方〜Opt・Goodpatchの場合〜」に参加しました

当日のハッシュタグは #dm0709 です。

感想

勉強会では 2 つのトーク(セッション)がありましたが、どちらも仕事に活かせそうだと思いました。

Studio Opt 竹田さんの話はデザイン組織をつくる 0 → 1 の話でした。役員にデザイン思考を学んでもらう方法や、VMV を社員それぞれに自分ごととして覚えてもらうやり方が参考になりそうです。

Goodpatch 松岡さんの話はデザイン組織を大きくする 1 → X の話でした。採用やマネージメントに選択肢はあるけれど、答えはいつでも同じではないということを知りました。

それぞれ詳細を以下にまとめてみました。

トーク 1 :デザイン組織ができるまでのみ

登壇された竹田さんは Goodpatch 時代は主に PM の仕事を、現在働いている Studio Opt ではデザイナーとして手を動かしながらデザイン組織をまとめる仕事をされてる方です。

竹田さんが 2018 年に Studio Opt に入ったとき、もともと営業しかいなかった会社にエンジニア文化ができていました。BT モデルができていたわけですが、Studio Opt は BTC モデルを完成させるたかったので、つぎにデザイン・クリエイティブ文化をつくろうとします。

出典:http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sangi/sangyo_design/pdf/004_s01_00.pdf

デザイン・クリエイティブ文化をつくるためにまずは人を集めようとするのですが、ここで問題がでてきました。デザインの "デ" の字もない会社にはデザイナーの応募がこないのです。

デザイナーに応募してもらうために竹田さんと Studio Opt は、まず会社のビジョンを見直すことに決めます。当時のビジョンは長くて読みづらく、これでは会社として伝えたいことが相手にうまく伝わらないと感じたためです。

また、このビジョンの見直しやデザイン組織をつくるにあたって、竹田さん個人の活動としてはとにかくインプットを増やしました(詳細はスライドの15ページ目)。デザインの考えを理解してもらうために、役員を連れてデザイン勉強会に行くこともありました。こうした活動を続ける中で、竹田さんは Innovation keyword map に出会い、最終的にこれを VMV(Vision, Mission, Value)の型にはめて定義します。

出典:https://speakerdeck.com/taketetsu1982/dezainzu-zhi-gadekirumadefalsedao-falseri?slide=17

VMV を定義したあとは社長にビジョンを考えてもらいました。そして、自分ごととして考えてもらうことを大切にしながら、社員には座談会やプレゼンを通してビジョンの再解釈、バリューの言語化(スライド 27 ページ目)をおこなってもらいました。

VMV をつくったあとはそれを社内にどうやって浸透させるかも大事になってきます。Studio Opt では全社員集まる場で VMV について話す機会をもうけたり、社員の目にはいるところにビジョンやバリューを掲載したり、社長週報で VMV の背景を説明しました。

こうして新しい Vision が社内に浸透し、デザイン組織やクリエイティブをつくるときの指針として機能するようになりました。

さて、問題だったデザイナーの採用についてですが、会社の役員にデザインの大切さを理解してもらい、会社の Vision を誰にとってもわかりやすく変えた結果、2018 年 1 月のスタート地点では 2 人だったデザイン部が  5 月末には 7 人になりました。デザイナーも増え、現在では Studio Opt にデザイン・クリエイティブ文化ができています。

おまけ
ビジョンとバリュー刷新の話は note のマガジンにまとめられてるみたいです。

トーク 2

30 人のデザイン組織をどうやって 60 人規模にしたか、という話を Goodpatch 松岡さんから聞かせていただきました。

一番最初に、Goodpatch の Design Division がクライアントワークを主体とするプロフィットセンターであり、コストセンターではないという説明を受けました。ここの区分で組織の選択が大きく変わってくるので、まずはこれを覚えてほしいとのことでした。

予算と品質のバランス
機能別組織 or 事業別組織。どちらにするか、正解はありません。GoodPatch のビジョン「デザインの力を証明する」を達成するために、より利益を生み出しやすい体制だと感じたため、Goodpatch では現在事業別組織を選択しています。

また、Goodpath のデザイナーはプロジェクトにコミットすることだけを考え、予算のことは考えないようにしているそうです。予算を達成するか否かはマネージャーの責任であり、そのため予算のことを考えるのはマネージャーの仕事としているためです。

採用の方針
スキル or マインド。どちらを重視するか、これは組織のステージで割合を変えるそうです。ただ、組織のビジョンやミッションに応募者が合うことは、いつでもマストとしています。

マネジメントのリーダーシップ
成果重視 or チーム重視。Goodpatch ではゼネラルマネージャーが成果を重視し、マネージャーがチームのまとまりを重視する役割を担っているようです。

キャリア方針
強みを伸ばす or 弱みを改善。現代のようにデザイナーの役割が増え続ける中では、すべてを対応できるデザイナーはもはやいません。そのため、メンバーには強みを伸ばしてもらいながら、それぞれが持つ弱みはチーム内で補い合えば良い、という考えがあるようです。

最後に
デザイン組織に必要なのは「未来志向」と「ゆらぎ」。マネージャー自身が将来を見据えて(今の問題より将来起こる問題を優先)、不確定なことに取り組むことが大切です。

未来・現在、平等・公平のマトリクスで物事を決めるようにし、どこかひとつを狙うのではなく、マトリクスの右上をやったらつぎは左上のように、上下左右に振りながら決断していきます。このようにすると、自然と「ゆらぎ」が発生します。

他の人の勉強会レポート


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?