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世界をはんぶんこすると

「やってしまった…」。
目が覚めて、いつもの起床時刻の午前7時を指す時計に愕然とする。その日の正午に提出しなきゃいけない企画書を書いていたはずなのに、ベッドで寝ていたなんて。

「企画メシ」の9月8日は「コラムの企画」で、文筆家の鈴木涼美さんからこんなお題が出た。「ある月刊誌であなたのコラム連載(全12回)が決まりました。連載タイトルと1回目の本文(800文字以内)を書いてください」。私は、読んでいると眠たくなるコラムを書くことにした。睡眠の本を5冊読み、締め切り前夜の9時から書き始めた。

ところが、眠りへ誘導する終盤で苦戦。日付を超えてもEnterとBackspaceキーを往復しているうちに、なんと自分が眠ってしまった。

午前中の仕事を片付け、再び企画書を開いたのは11時過ぎ。眠いコラムは諦め、テーマを急遽「世界を二分して語ってみたら」に変えて提出した。

世界は「土壇場でどうにかなると思う人と、どうにもならないと思う人」とに二分できる。
名コラムを書いた同期は、「不安だから」と事前に仲間に見せて何度も書き直したそう。
どうにもならない派は一見ネガティブだが、きっと成功する。さまざまな困難を想定し、具体的な対策を取れるから。

アメリカの心理学者、ガブリエル・エッティンゲンはこんな実験をした。
減量プログラムの挑戦者を2グループに分け、一方には成功後の姿だけを想像してもらい、もう一方にはドーナツの誘惑といった障害も想像してもらう。1年後、後者の方は平均11キロも多く減量した。

ポジティブ万歳だけではいけない。漠然とした成功のイメージを持ったら、次はゴールまでの道のりを具体的に描く。転ばぬ先の杖を用意するのは、ネガティブの得意技。心配をポジティブに掛け合わせることで、夢は現実に近づく。
どうにかなる派の私は、どうにもならない派へと越境するつもり。日曜の朝の選手宣誓。

#日記 #企画

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