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塾には行った方がいいのか

 これは教育に携わっていると、よく人に聞かれること。
「塾には行った方が良いですか」
たくさんの子どもたち、たくさんのご家庭の子育てを見てきた私が、今思うことをここに記しておきましょう。

 まず答えは、「どっちでもいい」です。

 何にでも言えることですが、何をするかどんな手段を選ぶか、何が合っているかは「その人による」のです。あの人が塾に行って成績が上がったからといって、昔話のお隣さんみたいに「うちも行けばどうにかなる」と行かせるのは、外れの確率も高いです。なぜならお隣のお子さんには合っていた方法が、お子さんに合うとは限らないからです。
 とは言え「お母さんが行けって言ったから〜」は別に間違いではないと思います。ただ、行き始めてからの変化を見てください。きっかけはお母さん、でも行ってみたら自分にしっくりきた。塾の環境が学校と違って学びの楽しさを知ったみたい、そんな場合は大正解だったということです。

 よく聞くワードで「子どもが自分で行きたいと言ったから」がありますが、それだとしてもお子さんの判断が間違っている場合があります「行きたいって行ったから行かせてるんでしょう。」と言ったところで、お子さんが行ってみたけど合ってなかったと思うことはあるのです。おうちの方が「ヨガ教室に行くと体が整うと聞いて行ってみたけれど、ちょっと違った」という時は自分でやめられるでしょうが、もしそこで「自分で行きたいっていったんでしょう!」と人に強制されて行くのは苦痛でしかないと思います。

 しかし、どんなきっかけであれ「塾に行っているから大丈夫」と言いながら成績は上がらず、特に学びを楽しんでいる感じでもない場合は、要注意。塾でなぜ成績が上がっていないのかと聞いてみてください。
「塾の先生の教え方がわかりにくい」とか「隣の席の子がうるさい」などと人のせいにしたら、塾以前の問題です。。
具体的に「じゃ、塾の先生にどういう風に対策を頼めば、自分は伸びそうなのか」「隣の席の子がうるさいのならば、それを変えれば集中が出来るのか」を本人がしっかり自分の問題として向き合い、それを具体策としてリクエスト出来る様になれば、その子は塾にいる意味がある。

 要するに、自分の置かれた状況を「人のせいにする」ことで、自分と向き合うこと、問題と向き合うことをしないのが成績よりも一番怖いこと。人生を通して必ず問題は起きる。その時に本質を見ずに人のせいにし続けて得られるものも得られずに生きていくのか、それともしっかり問題と向き合い、自分なりの解決法を探っていくのか、その分岐点。
 塾一つだが、そこからお子さんがどう自分と向き合うかをよく見ていただきたい。そのためには、「塾に行かせればどうにかなる」と放ったらかしにせずにお子さんを待つこと、対話をすること、意見を聞くことを通してご自身の問題とも向き合う大人の姿勢もお子さんの良い見本になると思う。

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