2023年日本の将来推計人口を見て(noteテスト)

noteのアカウントは作っていたがなんとなく忙しく放っていた。
日本の将来推計人口(令和5(2023)年推計)が発表されていたのでこれを題材に記事を書くテストとしてみたい。ちょっと腰が重くなるが・・
最初にまず長期推計から概観する

出展元:国土審議会政策部会長期展望委員会資料 平成23年2月21日 

正直これをみてしまうと日本は滅亡するんじゃないかというインパクトがある。たまに今の日本の人口は多すぎる、江戸時代くらいでちょうどいいから減るのは問題ないのではという意見を見かけるが、江戸中期から末期にかけて3000万人程度で安定していたことに由来しているかと思う。江戸幕府成立後3倍近くまで増えて頭打ちになっているので、その頃の生産力での安定推移がこのあたりだったのかもしれない。

次に国立社会保障・人口問題研究所より発表された日 本 の 将 来 推 計 人 口 (令和5年推計)から積み上げグラフを作成した。上が出生中位で下が出生低位。


日本の将来推計人口(令和5(2023)年推計) 国立社会保障・人口問題研究所 より作成

出生中位だと2055年ごろに人口1億人、低位だと2050年ごろ1億人になる。出生中位の計算は合計特殊出生率1.35程度、出生低位は1.13のようだ。
前回の結果はこちらの記事によると

合計特殊出生率は中位想定1.35が直近1.44になっていたようだ。
ただすでにニュース報道で2022年の出生数が想定より早く80万人を割ったとあるので、今回は前回の中位と低位の間くらいからの推計と思われる。

いずれにしても出生率1.35や1.44でも人口減少が止まらないことは変わりがない。続いて、割合の変化についてみてみたい。


日本の将来推計人口(令和5(2023)年推計) 国立社会保障・人口問題研究所 より作成


こちらは年齢階級3階層での割合の変化。
14歳以下の層は中位推計だと2035年ごろに全人口比の10%、2065年に9.1%、2100年は9.0%でほぼ変わってない。
15-64歳は2035年で57.6%、2065年で52.5%、2100年で51.1%。こちらもだいたい2065年には割合が固まってくる。

低位推計の場合は14歳以下が2035年で8.8%、2065年で7.2%、2100年で6.6%
15-64歳は2035年で58.4%、2065年で51.8%、2100年で47.4%。

2020年で15-64歳は59.5%なので、単純に見れば6人で4人を支えているが、中位推計だと5人で5人になってだいたい安定推移する。
低位推計だと4.6人で5.4人になってもまだ少しずつ減少する。

したがって、最低でも中位推計の合計特殊出生率1.35くらいで推移すれば構成比は安定が可能。
高位推計の場合は出生率1.64まで上昇する場合で、この場合だと2050年ごろに15-64歳の割合が52.6%を付けた後54.0%付近で安定推移する。
この時14歳以下割合は2020年11.9%だが2100年でも11.8%となっている。

もちろん新型コロナのあとまた伝染病がはやったり、地震国家なので天災などによってこの推計通りにはならないと思う。ただここから考えられるのは、30年くらいたてば構成比的には安定期になる可能性が高いという事。
したがって単純にこの先15-64歳で5人で支えていくにはどうするかを考えた方が建設的な気がする。

また人口が今1億2500万として2050年に1億人、2080年7200万(中位推計の場合)になるという事は
マンション120部屋で満室だったものが30年後は100部屋しか集まらなくなるという事であり、さらに30年後は70部屋しか集まらないということでもある。管理費は今は6割で72部屋から徴収しているが30年後は50部屋、さらに35部屋という風にも考えられる。
つまり30年後は100部屋のマンションにしないと維持費がよけいにかかる。どうせなら省エネ型のマンションに建て替えて、さらに30年後は72部屋のコンパクトマンションにすることを考えた方が良いのだろう。

ここで問題なのは統計上の数値だけ見ると対策の方向性が見えてくるが、実際は南関東だけ120部屋で満室が続き、他の地域では60部屋しか埋まらないという地域間差があるということ。
だからコンパクトシティ構想なんかがあがったりするのだろうが、居住地の移動自体がコストかかるのと、かりに集めたとして無人地帯の地税や管理はどうするのかという問題がある。
社会インフラの部分だけ見ると、中世から結構な奥地にまで人は居住してきたが近代に入ってインフラが整備されて逆にインフラ無しでは生活できなくなってしまったと言えるか。インフラの維持が足を引っ張ってしまう。とりあえず無人地帯は自然に返してもいい気もするけど。

もう一つはこの記事書いてて思ったブラックスワン的なこと。
よく外国人の労働者に来てもらおうという話が上がる。移民政策には反対という声もある。ただ逆に日本人が外に出て行って移民となるという話は、最近になってオーストラリアの賃金がどうのとかのニュースでちらっと話題が出てきたくらい。
実際地方から若者は東京や地域の中核都市に出ていくことが多い。これを国で見ると賃金高い方や仕事ある方に移動するのと変わらない。壁となるのは初期費と言語と文化の差。昔に比べると情報が入手しやすくなったしハードルは低くなっているように思う。

冒頭の国土審議会のグラフを見ると人が増えすぎた反動としか見えないし、減りすぎればまた自然現象は波があるから増えることもあると思う。
原生林が最初はたくさんの若木が一斉に芽吹いて背を伸ばすうちにいくつかの大木と他は腐葉土となるのに似ているかもしれない。しかし間伐もなければ若い芽が出てくることもないのである。鳥がその実をどこかに運んでくれるまでは。


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