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神勝寺 禅と庭のミュージアムに行ってきた。

名和晃平さんが手がけたインスタレーションを体験できるお寺があるらしい、と前々から話に聞いていた。お寺?禅の世界?アート?いろいろと気になる。
行ってみたい・・・と場所を調べてみると、広島の福山にあるらしい。駅からバスで30分・・・遠い。なかばあきらめかけたその時、広島に行く用事ができた。これはきっと神、いや仏の思し召し、行かねば!

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今回訪れた「神勝寺 禅と庭のミュージアム」とは、いただいたパンフレットによると

臨済宗建仁寺派の寺院で、この地で長年にわたって確固たる活動を重ねてきた天心山神勝寺を基盤に、全の教えをより多くの人に開かれたものとして体験していただくために構想されたのが、「神勝寺 禅と庭のミュージアム」です。豊かな自然の中に点在する伽藍や茶室、庭園、大型インスタレーションなどの施設、またそこで体験できることのすべてがこのミュージアムの、いわば「作品」なのです。

とのこと。すべてが「作品」とは、期待が高まる。

立派な山門をくぐると、そこにはあふれんばかりの緑が広がっていた。一瞬にして心がぱーっと開けた気がした。すでに禅の教えを体感したのか。

広い敷地にはさまざまな建物が点在している。

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これは寺務所でミュージアムの受付でもある松堂。建築史家の藤森照信氏による設計。なんだかジブリっぽい。

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含空院は永源寺から移築された建物。中ではお茶がいただける。庭に面した空間が心地よさそう。

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五観堂では臨済宗の修行道場と同じ形式でうどんを食べられる。持鉢と呼ばれる器と太くて長い雲水箸を使って食べるそう。

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こちらはロバの一休。すでに悟りを開いた表情をされています。

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そして、楽しみにしていた洸庭がこちら。不思議な建物は名和晃平さん/SANDWICHによる設計。

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下から見るとこんな感じ。薄い木材が重ねられて、微妙な曲線が形作られている。緑の海に浮かぶ船の底のよう。

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建物へはこの入り口から入る。宇宙船に吸い込まれていくよう。この中で名和晃平さんのインスタレーション作品を体感できる。
ここで作品の詳細を説明することは控えたい。ぜひ一度体験してもらいたいので。感想だけをお伝えすると・・・
空海は室戸岬にある洞窟で悟りを開いたと言われているが、こんな感じだったのかなと想像した。作品の影響か、自分の中のセカイが広がったり縮んだりする感覚があった。悟りは開けなかったが、「目が明く」ってこんな感じかなあと思える瞬間が何度か訪れた。建物の外に出たら、入る前より空が輝いて見えた。

禅や仏教の教えを完全に理解するのは難しい。だから敬遠されがちなのかもしれない。この「禅と庭のミュージアム」は「そんなに難しく考えなくてもいいよ。まずは五感で感じるところから始めてね」と言ってくれているような気がした。
今回は時間が足りず、すべてを体感できなかったが、次回仏の思し召しがあればゆっくりその世界に浸ってみたい。

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