見出し画像

友人を旅行に誘ったら盛大にマヌーサにかかった話

小さいころから、誰も皆、親からも学校の教師からも、誰も正しいことをするように教えられてきたはずである。正しいことが正義であって、悪いことは悪であると、そう習ってきたはずなのである。テレビを見ても正しい正義が、悪戦苦闘しながらも最後には悪を打ち負かす。だから、正しいことをしていかないといけないんだ。

とある12月下旬、私は、「ニートなのではないですか?仕事してますか?」という程に仕事が暇だった。暇過ぎて、友人Aを旅行に誘ったのである。翌月に一緒に旅行に行こうと誘ったのであるが、友人Aは、こちらからの誘いを待っていたのではないかというくらいのノリの良さで、みのもんたのファイナルアンサーもヘルプラインなしでCMを挟まないくらいの勢いでOKをくれたのである。持つべきものは友達。つんつるてんな蒲鉾をキリッと可愛らしく仕上げる食紅と同じく、独身人生に色を添えてくれるのは、そう、友人!

週末に追加で1日有給申請して2泊3日にしてみるかと提案したところ、「いや、1泊2日で十分でしょ。仕事あるし。」と、仕事命的しっかり社会人の回答。こちら、超絶暇人。とは言え、仕方ないので土日を使って旅行に行くことになったのである。その後、暇人な私も会社での予定や仕事を上手く満遍なく出社日に振り分け、会社に行く意義を作り出して行ったのである。

そして数日後、友人Aがメッセージをしてきて「実は、前から泊まりたかったホテルがあるんだよね。ここでも良いかな?」と提示してきた。そのホテルは、少々割高なホテルなのだけれども自分でホテルを探す手間も省けるということで快くOKをしたのである。「じゃあ、ホテルに問い合わせてみるね」と友人。なんて素晴らしく行動的な友人を持ったのだろう。持つべきものは行動的な友人とは言ったものである。楽ちん。仕事ばかりでなく、ここでも人に助けられ楽ちん。

ホテルからの回答は「当ホテルでは、2泊3日からの宿泊になるため、1泊ではお泊りいただけません。」といった強気なもの。じゃぁ、1泊2日予定の我々は他を当たるしかないねぇと思っていたら、友人Aが「私どうしてもここに泊まりたいの!だから2泊3日で行こう?ね?」と。

え?何、今パルプンテした?え?メダパニ?めっちゃ起きてること理解できないんですけど。

えっと、整理するよ?クラスに一人はいたすごい出しゃばりみたいに整理するよ?確か友人Aは仕事があるから1泊しかできなくて、でもホテルには泊まりたいから2泊3日で行こうっていうのが、ここまでのまとめだよね?なんで辻褄が合わないことが起きてるの?ねぇ、教えて。バックストリートボーイズ教えてテルミーワイッ!

先に言ったように満遍なく予定を入れてしまったので、調整して自分が行けるとしても土日月。それを伝えると友人Aは、「私は、金土日しか無理!じゃぁ、私が先乗りして1泊分は私が払うから、あなたは後合流で1泊分の宿泊費で良いわ」とのこと。

そのホテルにかける執念凄くね?そんな泊まりたいって凄くね?ってか、もう怨念に近いくらい凄くね?ってか、仕事どうしたの?あるはずだった仕事どうしたの?

とりあえず、個人的には何のダメージもないのでOKをして、後合流をすることになった。そして、あとは出発日を待つのみとなったのでした。いやぁ、不思議だけど、これも一種の旅行の形。うんうん。

そして、その夜1通のメッセージが友人から着たのであった「旅行一緒に行く友達見つかったから、その人と行ってくるね。本当にすみませぬ。」と。

ん?何、今パルプンテした?え?メダパニ?めっちゃ起きてること理解できないんですけど(デジャヴ)。

えっと、簡潔にまとめると、旅行を企画して声かけた自分が、誘った友人によって旅行メンバーから外されたってこと?そういうこと?そして、え、すみませぬって何?風立ちぬ?ユーミン?風と共に去りぬ?マーガレット・ミッチェル?ナニソレ?

そんなこんなで、人生に色を付けるはずの友人Aが、パルプンテを使い、こちらポカーーーン。ポカーーーンとしている間に大事な年末は過ぎ去って行ったのである。そして、なぜかそれから友人Aからは避けられ、連絡もない。

いや、いいんだよ。旅行楽しく行ってくればいいよ。もうそれだけが最後の願いだよね。本当に。

そして年明け、友人Aと共通の友達と飲んでいたところ「友人Aのこと許してあげなよ。気にしてて可哀想だよ」と言われる。

えっと・・・・あれ?激怒したっけ?またパルプンテ?あれ?

ありのままに起きたこの不思議な事件のことを話すも、他の友人たちも「考えすぎ。友人Aが可哀想。ちょっとそういうところあるじゃん。もう許してあげなよ。」と擁護の嵐。

えっと・・・普通、友人Aさんのご友人であれば、擁護したくなる気持ちは良く分かりますが、ご友人なのであればご友人として友人Aさんの過ちを指摘し、正式に謝罪させることが必要なのではないでしょうか?ねぇ。

何故か自分が怒って友人Aを許していない頑固者になっているよ!真実を惑わすマヌーサのおまけ付きかYO!グリコにおまけがついてくるみたいな自然さで、我が物顔でここにマヌーサあり!!マジ、みんな本質に辿り着いて!Baby Boy,私はここにいるよーだから、マヌーサに惑わされないでこっちきて。ゴーレム、そこにゴーレムいるよぉおおおおお!!!

・・・・・・

結果、ただ旅行に行きたかっただけなのに、友人Aの奇行により、周りの友人からも少し距離を置くことになってしまったという。正しいことをしていても、悪に打ち勝てないことも現実世界にはある。そんなことを30半ばになって学ぶこととなるとは・・・・正義って、正しいことって、偉大であるのに、時に悲しい。

1人で行こうかね、センチメンタルジャーニー。

ちーん



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?