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野草食日記 106 そもそも野草のアクって何?

山菜や野草料理の本を見ると必ずアク抜きについて書かれています。
藁や木の灰を使うなどと聞くと、それだけで何となく敷居が高く感じられます。
一体今の世の中、灰なんてどこで手に入れたら良いのかしらと思うし、重曹でも良いとか、重曹を使ったアク抜き法は味が変わる、など情報が色々あると混乱してしまいますよね。

十何年も前から、山菜や野草の本を持っていたのに全く野草料理に手を出さなかった理由のひとつが、このアクの問題でした。
今でもまだよくわからない部分もありますが、まず、アクってそもそも何なのかについて整理してみたいと思います。

食品のアクとは、食物に含まれるえぐ味、渋味、苦味など不快で不要とされる成分の総称のことです。
シチューなどの煮込み料理、鍋料理をするときに上澄みの部分に泡のように溜まる動物性のものと、茄子やごぼうなどの野菜や山菜、野草が持つ成分である植物性のものがあります。

動物性のアクは血液などに含まれるタンパク質が熱によって固まったもので、特に身体に害はないけれども、料理の風味上、不快だったり見た目が悪いという理由で取り除かれます。

それに対して植物性のアクは、動物性のものとは訳が違うようです。

植物が辛かったり、苦かったり、渋かったりなど刺激を持つことで、動物に食べられないように身を守るための成分。
食べ物の栄養吸収を阻害する成分。
その植物を食べた時に身体に何らかの変化をもたらす成分。

植物には得てしてそのような成分を含むことが多いのだそうですが、それが人にとって美味しかったり、又、健康上有益な場合は、香辛料・ハーブ・生薬として使われ、不味かったり、身体に悪影響をもたらす場合それをアクとみなすということなのです。

これがわかっただけでもちょっとスッキリしませんか?

馴染み深いところでは、たけのこ。
採ってすぐは刺身でも食べられるけど、時間が経つとえぐくなるというあれ。
あのえぐみ、やっぱりちょっと嫌ですよね。

えぐみの正体はホモゲンチジン酸とシュウ酸なのですが、沢山摂りすぎるとホモゲンチジン酸はシミ、そばかすの、シュウ酸は結石の原因になると書かれていました。
味も健康的にも良くないというわけです。

そういう植物の持つアク、他にはどんなものがあるのかな?!と疑問に思い調べていたところ、「和食の旨味」というサイトでわかりやすい表が掲載されていましたので貼り付けておきます。

字が小さいので拡大して見てくださいね。

同サイトを読むと野草、山菜の持つ性質や成分などにより、アク抜きの方法を選択すれば良いのかなというのがひとまずの結論です。
詳しくは、野草、山菜と向き合った時にひとつひとつ調べていけば良いのかな〜なんて思います。

和食の旨味
https://washoku-no-umami.jp/egumi-toha

野草、山菜のアクによる健康への影響は大量に摂った場合のことであって、少量であれば民間薬にも使われているので一概には言えません。

先日、セイタカアワダチソウを水に晒しすぎて個性が感じられなくなってしまったと書きましたが、身体への悪影響を心配しすぎてそれぞれの味わいを失うことになっては、ちょっとつまらないかなとも思ってしまいます。

すぐ上の写真はアク抜き中のセイタカアワダチソウ、そしてトップの写真は今、庭で花を咲かせているクサギの木です。



野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。