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【SABR】セイバーメトリクス部門就任のご挨拶

初めまして。

□ご挨拶

この度、MLB30球団ファン合同note企画にて「セイバーメトリクス部門」を担当することになりました鯖茶漬(@Eikura__Metrics)と申します。既にXで関わりのある方もいらっしゃいますが、初めましての方がほとんどだと思いますので、この場で改めてご挨拶させて頂きます。宜しくお願い致します。

合同noteの運営を行っているARAさん曰く、私の担当する部門は「(30球団外の)スペシャリスト」にあたる、との事です。20数年間「他の人よりも野球に時間を費やしているだけの一般人」として過ごしてきた私は「スペシャリスト」の意味がいまいちピンと来ていません。

なのでChatGPTに定義を尋ねてみました。

博識。

ChatGPTからするとお前は一体何を頑張るんだという感じでしょうが、嫌な顔(?)ひとつせず寄り添ってくれるのがコイツの良いところです。

話が脱線しかけましたが、要は「特定の部門について『知っている』というだけでなく『高度な専門性』を求められるのがスペシャリストである」と。ただ「好きなことについて語りたい」といったレベルではそれはスペシャリストとは言わんぞ、と。改めて身の引き締まる思いです。

□「セイバーメトリクス」とは?

▼定義

まず、私の担当する「セイバーメトリクス」について説明しておきます。既に野球ファンの中では広く認知されている用語だとは思いますが「意外とその定義についてはっきりと答えられる人は少ないのでは?」と感じています。例を挙げると「OPSやWHIPなどの指標のこと」「海外の有識者らが難しい数字を扱って研究しているもの」、やや否定的な言い方をすると「グラウンドにも立っていない野球オタクの数字遊び」、そのような意見が挙げられると思います。

いくつか挙げてみましたが、正確に言うとこれらは全て「セイバーメトリクス」という用語のほんの一部分に過ぎません。一部正しい、とは言えますが、それが全てを指しているわけではありません。

セイバーメトリクスを英語表記に直すと「SABR Metrics」となりますが、これは「アメリカ野球学会」を指すSociety for American Baseball Research、略して「SABR」と、「様々なものを統計学を駆使し、定量化=数値化して分析する」といった意味の「metrics」を合わせた造語になっています。つまりセイバーメトリクスとは「野球を統計学的に分析・研究することを目的とした活動、またはそれらに扱われる手法」のことを指します。

「思ったより定義が広いんだな」とか「なんかふわっとしてるな…」と感じた方もいるかもしれません。私も最初はそう感じました。時には「とりあえずそうなってるんだな」と割り切ることも大切です。少し話を戻すと「OPS」や「WHIP」といった、今では広く認知されている指標も「指標そのものがセイバーメトリクス」というよりは「セイバーメトリクスという考えが生み出した新たな評価方法」といった方が正しいかもしれません。

▼何故「セイバーメトリクス」が必要なのか

大切なのは、これらはあくまで「評価方法のひとつに過ぎない」ということです。「数字を並べるだけじゃ分からない。野球は人間がやるスポーツだ。そこにはプロvsプロの高度な駆け引きがあり、それらは実際に目で見ないと評価出来ない。」と考える方もいると思います。また、そのような考えもセイバーメトリクスと同様、評価方法のひとつとして尊重するべきだと思います。

野球の楽しみ方は人それぞれです。「うちの贔屓の〇〇の方が△△よりも守備が上手くて…」「□□は先発よりもリリーフに適性があるはずだ」、いち野球ファンとして、今までの各々の経験を踏まえてこういった考えを持っていたり、それについて議論する楽しさを知っている方は多いはずです。

ただ、そういった主観レベルの話ではなく「より正確に評価されるべき」又は「正確に評価するべき」と言える人たちが存在します。それは「選手」そのものと、それらを編成して勝利を目指す「球団」です。彼らは我々ファンとは異なり、野球を単なる娯楽でなく「生業」としています。そこの評価は「一切の主観を省く」ということは難しくとも、可能な限り正確でなければいけません。

そして、彼らとは別に「野球の奥深さをもっと知ろうとする人たち」、ここに当てはまる層も同様に「選手を正確に評価するべき存在」だと考えます。かなり響きの良い言葉選びをしましたが、要は「コアな野球ファン」の事であり「野球オタク」でもあり、ここまで読んで頂いた方の多くはこれに該当するのでは…と思っています。長々とした文章ではありますが「もっと野球の魅力を追求したい」という方がいたら、そういった方の手助けになるような記事を書ければいいな、と考えています。

□活動について

▼方針

MLBファン御用達とも言えるBaseball ReferenceFangraphsといったサイトに記載されている指標の説明や、それらから出来る分析を発信する予定です。なので、特定の球団を選ばずに各チームの気になった選手を取り上げることもあるかと思います。また、自分が参考にしたサイトや文献等を噛み砕いて説明することで、少しでもその面白さを伝えていければと考えています。

過去のものにはなりますが「WARの解説」というタイトルで何本か記事を出しています。それっぽく書けていますが今見返すと酷いものなので、しれっと無かったことにして再度推敲し直すかもしれません。

現状私が発信した中では一番反響のあった記事ですので、興味を持った方は是非読んでみてください。余談ですが、記事の一部が自分の気付かぬうちにスポナビに掲載されていたことがありました。

▼その他

特に隠してもいないんですが、「鯖茶漬」のXアカウントは「野球用アカウント」という扱いをしていて、普段は別のアカウントで活動しています。麻雀や映画、音楽等別の話題に触れることも多いので基本的に野球用アカウントで発信する予定ですが、野球以外のジャンルで共通点がありそうな方がいたらそちらもフォローして頂けると喜びます。内容は期待しないでください。

最近Filmarks始めました。オススメの映画があったら教えてください。

□終わりに

セイバーメトリクスの先駆け的存在とも言えるビル・ジェームズは、夜勤の工場警備の暇な時間を利用し「Baseball Abstract」という著書を自費出版した、というエピソードが知られています。専門家でもないジェームズの研究は最初から大きな反響があった訳ではありませんが、地道な活動は野球マニアの間に少しずつ認知されることとなり、その分析手法は「セイバーメトリクス」として今では一般的に浸透しています。また、いち早くセイバーメトリクスの考えを導入した2000年代のオークランド・アスレチックスが、他球団では使い物にならないとされた選手をかき集めて一時代を築いた歴史も、MLBファンの方はご存知かと思います。

何が言いたいかというと「野球を分析・研究し、より高いレベルの競技にしていく」ということは、グラウンドでプレーする選手でなくとも可能であることを歴史が証明している、という話です。「ファンあってのプロ野球」とは言いますが、それは業績面だけの話だけでなく、一般の人でも正しい分析や理解があれば野球界の成長に貢献出来る道があるということです。

「人よりも知識が多いから偉い」という訳ではありません。何度も言いますが楽しみ方は人それぞれです。ただ、楽しみ方は多ければ多い程考えも豊かになる、とも思います。数ある楽しみ方のひとつとして、MLBで主流とされている分析の面白さを、この企画を通じて広めていくことが実現すれば、これ程嬉しい事はありません。

皆様で盛り上げていきましょう。



※ヘッダー画像はhttps://www.instagram.com/jackson__holliday7/より引用。
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