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しばらく住むことにした楽園のような島

こんにちは。投稿がしばらく空いてしまってごめんなさい。言い訳にしか聞こえませんが、なんせ旅人な者で。フリースタイルで流れるままに生きているので何が起きても受け入れようの姿勢で、スケジュールを決めず、時間の枠から外れて、不安定で予期せぬ毎日を楽しんでいます。

今、南米4ヵ国目ニカラグアの湖に浮かぶ小さな島で暮らしています。今日はしばらく暮らすことに決めた私が惚れ込んだ楽園のような島について、辿り着いた経緯などを話そうと思います。

ニカラグアの治安はぶっちゃけ最悪です(笑)

ニカラグアに入国してからこの島に来るまで道中はタクシーで恐喝に遭ったり、バスで財布を盗まれたりと散々でした。入国前から国境越えの陸路でのイミグレでスペイン語話せないたった一人の私と、スペイン語しか話せない係の人たちしかいない中、別室に連れて行かれ質問攻め。英語も通じないし、携帯も使えず。別室質問攻めは、コロナ禍の旅で慣れたけど、言葉が一切通じないのは初だったのでジェスチャーしりとりばりにジェスチャーとボディーランゲージ使ってなんとか会話したり・・・

そもそもここに来るまで、コスタリカから国境を越える時点で散々トラブル続きだった。向こうのミスでPCRのデータが届かなくて一日一本のバスに乗れずに余計に一泊することになったり、病院へ電話してスペイン語ガイダンスを勘だけで切り抜けたり、バスのチケットを買うのにクレジットカードが使えなくて深夜の治安最悪なコスタリカ首都を走ってATM探してホームレスに追われるなどのリアルウォーキングデッド体験をしたり(コスタリカの首都は夜になると本当に治安が悪くて泊まってたホテルも夜は鉄格子をかけて、外に一人で出るのは危ないと止められるほど)

踏んだり蹴ったりされながらバスを乗り継いで17時間、タクシーを交渉してたりフェリーに乗って、出発地点のコスタリカのカリブ海側からは、陸路でほとんど24時間かけてたどり着いた場所。

実は、最初は一週間の滞在予定だった。

この島での暮らしは、お湯が出なかったり、電気が落ちたり、水道が止まったり(これはしょっちゅー笑)、野良犬に囲まれたり、大自然すぎてネットは不安定だし、家の前のバナナの木がいきなり倒れてきたりする(笑)

スケジュールを立てなくなった理由は、シンプルなめんどくささもちろんあるけど、この島ではそれが通用しないから。でもそのお陰でそもそも苦手だった時間に追われる感覚や、時間が迫ってくる感覚、制限のある何かやリミットに縛られなくて済む。キッチリ、カッチリ生きようとすると苦しくなる。何日までにとか、何時になったらとか、アラームに動かされて生きるよりも、太陽のリズムで暮らしたくて、この暮らしを選んだ。

 東京でフィットネストレーナーをしていた頃の、10分単位のアラームとスマホ2台にラップトップ、時計をして働いていた頃とはまるで真逆でおもしろい。たくさんお金を稼ぐことは、たくさん時間を犠牲にすることだと言わんばかりな働き方をしていたなぁ。


ここでは、スペイン語でタランキーロという言葉がある。意味はゆっくり、とか、take it easyみたいな感じ。ニカラグアンは、めちゃくちゃ気が長い。怒ったり、急かしたり、急かされたりしている人をまだ見たことがないくらい。バスが一時間遅れても、道路を大量の牛に塞がれても、注文が遅くなっても誰も責めない。南米の人たちの特徴はよく言えばおおらか、チルでピース、悪く言えば適当でレイジー(笑)でも私は、そこが大好き。

日本と地球のほぼ真反対のここは、中身まで本当に正反対だ。外にいると自国を外から、俯瞰して見ることが増えるので短所や長所に気づきやすい。海外旅行に行って、日本と外国を比較して改めて日本の素晴らしさに気づいたり、当たり前にめちゃく感謝したことがある人は多いと思う。私もそのうちの一人。

遠くから見たら綺麗な富士山も、近くで見たらゴミが目立って目についてしまったり、親元離れて親のありがさに気付くみたいな感じでさ、どんなに綺麗なものも近くで見れば粗があるし、どんな素晴らしいものも近くに当たり前にありすぎると感謝を忘れてしまう。

そんな旅暮らしのおかげで日本の素晴らしさ、日本人としての誇りを思い出せる。日本のことについて聞かれることや、旅人たちとお互いの国のことについて議論することが増えたお陰で日本にいたときよりも日本のことに詳しくなった気がするし(笑)

この島には、日本人は私を除いて一人もいない。日本人どころかアジア人すらもいない。日本との時差は15時間もあって、今まで聞いたことも、来る予定にもなかった国の小さな島。初めて聞く国の初めて聞く島に、たった一人の日本人として暮らし始めて、文字通り「世界なぜそこに日本人!?」状態。ここに来ることを決めた理由は、ある小さな旅ルールが関係している。

旅の最中に、ルートはあらかじめキッチリ決めず、人からおすすめされたり、何度も耳にして惹かれた場所に行こうと決めていた。

旅は人生と似ていて予定通り、計画通り、予定調和のようにはいかない。予想の外側で起こることにドラマがあるのを痛いほど実感しているので、予期せぬ出来事やご縁、タイミング、ノリ、心の揺れ動く感覚を大切にしている。時間や予約、スケジュールを意識するほど "時間" の制限の中に縛られ、リミットに追われる旅になる。常に柔軟でいればフロウに乗りやすい。

 実はもともと、コスタリカからは飛行機でパナマへ渡る予定だった。チケットも既に買っていたのに、なぜかパナマにちっともワクワクしない。惹かれる情報も入ってこない。そんな中で、旅人や旅先のホストに猛烈に、それも何度もオススメされたのがニカラグアだった。聞いたこともない国だったから最初はへぇ〜くらいに聞き流していたのだけど、あまりにも連続的にこの国の名前を聞いたり、頼むから行ってくれと言わんばかりのプレゼンをされるので、無事ノックアウト。

キャンセルのできないパナマ行きのチケットを捨てて、ニカラグアに行くことが決まった。ネットで調べてもイマイチ情報も全然出てこないし、土地勘もまったくなかったのでとりあえずAirbnbで一番ビビッときた場所を予約して、そこまで行ってみることに。そんな感じで、はじめは何の情報も持たずに向かった。

 島までのフェリーポートまで向かうバスの道中で、荷台に積んでいた荷物から財布をごっそり抜き取られるまで、私は完全にニカラグアが一応南米屈指の治安最悪国であることを忘れてた。4ヶ月ほど危険な目に一切遭わずに女一人で南米を渡り歩けていたので、これは完全なる自分の気の緩みが産んだ事態だった。

タクシー乗り場で相乗りをしようと声をかけてくれたポーランド人の女性バックパッカーが、偶然にも同じ島まで行く予定だという奇跡のお陰で、なんとか目的地まで辿り着いた。

約24時間の陸路での移動で、途中でキャリーは壊れて、中に入っていた未開封のココナッツオイルの瓶が割れて荷物とキャリーはベトベトに。トドメに財布と全財産、カードに免許証、すべて失い、へとへとになって辿り着いた瞬間降り出した雨に打たれて、こんなにも不運が重なるのかと笑けてきた。

そんなアドベンチャーの末辿り着いたキャラバンは、私の夢に見てきたそのものだった。ジャングルの中でのヴァンライフが叶った。それが今、暮らしてる場所。

ジャングルの中の小さな村のようなエコヴィレッジのようなキャラバン。ここでは、サステイナブルな暮らしが叶う。敷地には鶏、猫、犬、たくさんの動物とバナナやマンゴーカカオやフルーツの木があって、庭で食べ物が採れる。住人は私のようなノマドや、移住してきた人、旅人のゲストとホストの家族たちで、みんなが家族のように食べ物をシェアしたり、夜になれば焚き火を囲って歌ったり、踊ったり、いつでも人と繋がれる場所。近くにはリトリートやヨガ、ウェルネスやスピリチュアルなワークショップや、伝統的なセレモニーを受けられる場所やヴィーガンレストラン、地産地消の島のハンドメイドのものが手に入るマーケットが開催されたりしている。小さな島は2つの火山に囲まれていて、滝やジャングルなどのハイキングスポットも、ビーチも近くにある。

この場所に最初に来たときに、夢に見てた場所が実在するんことを知った。

日本とは遠く離れた場所なのに、島には日本が支援した日本の国旗が描かれた学校とか建物があったり、走っている車やバイクもほとんど日本車だったり、ニカラグアの定番フードは日本のお赤飯に激似の豆入りの赤いお米だったり、更にはこれまでの人生で一切触れてこなかったスペイン語が、たまに聞き取れちゃったりして、ホームみたいな感覚不思議な心地よさを感じていて、それもこの島でしばらく暮らすことに込めた理由の一つ。

「明日のことはわからない」が口癖だった私が、明日も来月もここにいたと思える場所を見つけたのが、ここ最近の旅のハイライトです。

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