手段が目的になる前に、次の手段に辿り着けたらいいのかもね


※自死についての考え方なども書いているので、そういうのに揺られちゃう人は読まないでね。





人間について考えていたことを、べらべら一人で喋っていた。
肉まんを温めながら、私はキッチンでこう喋っていた。
「私は何にも動かなかったなぁ。周りは変化しているみたいだけど。でも、私は今、私の邪魔されてないからか。やはり、一番は私の邪魔をされない事。あの頃は邪魔ばっかだったもんなぁ。今だって押さえつけられたら、なんとかしようとするんだろうな。例えばその邪魔と一緒に生きる道もあるよって言われたとしても、一緒に生きるしかないって言われたら私はどうやって死ぬかを考え出すだろうな。」

ポットが沸いて
お茶を淹れた。

「そうだよ。死は手段でしかない。あの頃、だから私は死ぬことを視野にいれていたのだ。私は私の選択以外を選択しない。の邪魔は許されない」

緑茶の綺麗な緑色。
窓の外は荒れ狂う冬の風達。

「ふむ。私は死(自殺)以外の手段を手に入れた。……ああぁ!!それか!!死が目的の奴は死んでしまうのか!!手段のうちは、もっといい手段があればそちらを選ぶだろう!!そうか!!それが死ぬ人と、死なない人の違いか!!」

レンジがピーピーと鳴る。
肉まんができた。

「目的だもんね。達成しなきゃってなるよね。目標みたいなもんだよね。そりゃ、死んでしまうか…いい手段が目の前にやってこなかったんだな」

肉まんを頬張る。
思ったような味ではない。
残念だ。

「死ぬことを悪手とは思わない。でも、目的にしてしまうのは、もうどうにもならないから、手段のがいいな」

世界は不平等だし、人間は争う。
争いの中で傷つくのは「感情」があるからで、それを失えば自分で自分を殺すことはなくなるだろうか。
けれど、そうなれば……そうなれば絶滅するんだろうなぁ。

「手段は手段でしかないよ。目的の形がハッキリしないことを嫌がる人は多いけれど、目的なんてものは、目的の底の底は、見えてこないよ。それこそ、真理をみつめるようなもんだ。」

お茶を啜る。

「あぁ…だから目標を立ててるのか。迷わないように。見えてもいない目的の正体を知らないと気がついても発狂しないように。目標まで歩ければ間違いなくそれまでの道は在ると証明できる。とりあえずは。だからかぁ。ふーん。」

「目的に辿り着くってのは思ってたより困難で甘美なんだな。私は手段に善悪をあまりつけたくないけど、手段に善悪をつけたがる人は多い。それは、手段を上手に扱えない人が目的にすり替えて、早々届きもしないものに、手を伸ばして届いちゃうことがあるからなんだ。んで、それはあれだっていうので、防ぐ手段として目標があると…」

「死を目的にしている人が、淡々と目標はたてないわな。目的が見えてしまっているのだから。
死を手段にしている人は、目標までの間に、さらに自分にとって有利な手段を手に入れることはあるかもしれない」

「目標ってのは宿みたいなもんか。セーブポイントとか?とりあえず点在していると、よさそうだな。え?私?目的が見えないことなんて解りきってるし、それも楽しいのに標目指して歩くのなんてごめんだね」

「行き詰まったら、その場で考えるし、だめなら死ぬ。それだけのことじゃない?命は有限。それはこの星の優しさだと思うからさ。懸命に生きなきゃいけないなんて、誰が考えたんだろうね。けれど、本能かのように私達は生きている。痛みや苦しみは少ないほうがいいし、嫌なことも極力避けたい。だから、手段と目標を上手に使って、目的擬きを達成していけばいい」

地震だ。
ちょっとびっくりした。
内陸だからか。

「これは何の為になるんだろう。以前、数年前に手段を目的にすり替えている友人の為に別媒体でつらつらと文書にしたことがあった。まぁ、あれは苛立ちってやつだったなぁ。」

お前の目的はなんだ?
って台詞無くはないきがするけれど
それをハッキリ口にして進める奴は少ないと思うよ。それこそ、心に勇気だの希望だの詰めても、その重圧に潰されないような奴でなきゃ。

「私みたいな生き方は、本当に不安定だからね。人間は嫌いなんじゃないかな。『目的もなく彷徨ってるなんてよくない』とか言っている人も、実は目的は見えていなかったりするよ。目標が見えてて、ゴールって名前つけたりしてるよね。テープを切った先にまた、テープを用意する。それが全員に合ってるかっていうと、そうでもない」

「だけど、何もなく楽しみ続けられる人は少ないと思うんだよ。どんぐりひとつで楽しくなれって言われたら私はできるけど、大体の大人は出来ないんだなって感じている。どんぐりひとつあれば、遊んでられるでしょ。投げたり、転がしたりしてもいい。そのうちどっか出る。それが楽しさを連れてくる。」

「傷が痛くないとか、それでも希望の光が見えるとか、私は言わない。傷は痛い。どんな小さくても凹む。光も見えない目隠しを自分できつくしたこともあったし、それでも見えるってなら幻覚かもね。いいんだよ。怒りや憎しみも、死にたいとか逆の死への恐怖も。背負うしかない。重いけど。けれどまぁ、慣れ……こういうこと言うと怒られるんだよなぁ。怒るくらいなら捨てるか背負うかしたらいいのに。」

私と私達の話は遠くへ行きがちだし、何かを否定する気はなくても人間的には怖い事を言っているらしく、優しく諭されるか、激しく怒られる。ことが多い。

そういうことを言ってるわけじゃないのになぁ。と毎度思っていた。
今もきっと、そういう人が来たらそう思う。

投げ捨ててるわけでもなく、そういう流れがあるのは確かで、それを見ないふりして生きてく方法が私にはあわないってだけ。

で、これをここまで読んだあなたがどう思うかとかそういうのは別の話。
人は理解できない、知らないものが怖い。
積み重ねた人の中には、私が思っているようなことを思い出す人もいるんだなって、この歳になってやっと喧嘩(という名の一方的な魔女狩りみたいなこと)ばっかじゃなくなったなと思う。


感情の豊かさ。
それがもたらしたモノは大きい。
善悪ではかろうなんておかしい。
そのものはそのもの。
はかれない。
けれど個々という小さな世界を持つこの星では
それをどう見るか委ねられている。
難儀ねぇ。



私は、手段が画面の前のあなた達を縛らないといいと思うし、目標があなた達を喜ばせたら嬉しいし、目的は最期に果たせたかもなって思えたらいいんじゃないかと思うんだ。


良いとか悪いとか。


そういうのは置いといて、私は私の周りがそうやってこの星での時間を過ごしてくれるといいなって、思っているんだ。

サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。