見出し画像

アジアカップ2023の楽しみ方【女子バスケ日本代表】

もうすぐ女子バスケットボールアジアカップが始まりますね!!!
自分は東京オリンピックから女子バスケにハマったのでどちらかというとWリーグよりも日本代表を応援するのが好きで、とても楽しみにしています。

しかしTwitterを見ているとワールドカップで予選敗退をしてしまったこともあり、今の日本代表に対して不安を抱いている人が少なくないように感じます(自分はもう不安を超えました)。そのため、今回はその不安が少しでも払拭できるようにポジティブなことを書いていきたいと思います。

このnoteを見て少しでも前向きに日本代表戦が見れるようになれれば幸いです。LET'S GO!!!

アジアカップの概要

まずは大会概要を見ていきましょう。
アジアカップはアジア・オセアニア地域に所属する8つの国がしのぎを削り、2つのグループに分かれるグループフェイズと、負けたら終わりの決勝トーナメント2段階になっています。日本はチャイニーズタイペイ、フィリピン、オーストラリアと共にGroup Bに所属しています。


大会概要・日程

Group Phase (Group B)
6/26(月)16:00〜 vs チャイニーズタイペイ
6/27(火)12:30〜 vs フィリピン
6/28(水)18:30〜 vs オーストラリア

Tournament
6/30(金) 準々決勝
7/1(土) 準決勝(日本はここから…?
7/2(日) 決勝(相手は中国の可能性が高い

グループフェイズを1位通過すると準々決勝は飛ばして準決勝に進出し、韓国、ニュージーランドのどちらかと対戦することになりそうです。

日本にとって最も可能性が高いのが、
グループフェイズを1位通過
⇒準決勝も勝ち上がる
決勝で中国と対戦


大会の位置づけ

  1. 2024年に開催されるパリオリンピックに出場するためには今回のアジアカップでベスト4以上になる必要がある

  2. アジアカップ6連覇がかかっている(2013,2015,2017,2019,2021)

オリンピックに出場するためにはなんとしてでもベスト4以内に入らなければならない大事な大会です!
逆にベスト4以内に入ってしまえばいいとも考えられます。
後ほど見どころの欄でも言及しますが、この大会で最も大事なの試合はグループフェイズ最終戦のオーストラリア戦かもしれないです。


視聴方法

視聴方法は"DAZN"と"コートサイド1891"の2つ。どちらも3000円前後と決して安い値段ではないので、どちらが良いかは自分で調べるか詳しい方にお聞きください。ちなみにYouTubeやテレビでの放映はないとのことです。。。

DAZN
https://www.dazn.com/ja-JP/competition/Competition:7ntlc29nk49o6mwku2t1fob1l

COURTSIDE1891
https://www.courtside1891.basketball/competitions/fiba-womens-asiacup-2023

笑顔のスピードスター宮崎早織

今の日本代表について

大会概要を振り替えたところでここからが本題になります。
今の日本代表についてあまり知らない方にもわかりやすく自分目線でオリンピック以降の日本代表について変遷を書いていきたいと思います。

日本代表の変遷(東京オリンピック以降)

①2021年8月 オリンピック銀メダル(ホーバスJAPAN)

  • NBAのウォリアーズやマイクロボール時代のロケッツを参考に5outカッティング&3ptのシステムを取り入れる。

  • 世界一長くて厳しい合宿を経て最高精度までチームを高めて格上にも勝利し続けて銀メダル獲得

②2021年9月 HC変更でシステムに大きな変更(恩塚JAPAN Ver1.0)

  • HCがホーバスから恩塚に変更。「アメリカを倒して金メダルを獲得」「日本の女子バスケを進化させるため」に現行のシステムを捨てて1から作り直す

  • 大学バスケで成功した「タイムシェア」「フローオフェンス(※1)」を採用。※1 おそらくDDMドリブルドライブモーション)と言われているもの。 https://coach-mm.com/dribbledrivemotion/

  • 26歳以下で挑んだアジアカップで中国を倒して優勝。この頃はまだチームがガッチャガチャだったが選手の頑張りもあってなんとかアジアカップ5連覇することができた。

③2022年2月 ワールドカップ予選(Ver1.1)

  • システムはマイナーアップデートでメインは継続。アジアカップメンバーに27歳以上の選手を加えて新チームに。

  • ワールドカップ予選(カナダとBIH)は1勝1敗本選出場権を獲得

④2022年9月 ワールドカップ1勝4敗で予選敗退(Ver1.2)

  • システムはマイナーアップデート。

  • ワールドカップ、予選敗退。

⑤長い潜伏期間

⑥2023年6月 国際強化試合カナダ戦&デンマーク戦(Ver2.0)

  • 2ガードを採用

  • 今までもそうだったが更に顕著に選手12名全員に「ドリブル」「ドライブ」「パス」「3pt」「プルアップ(ミドルも3ptも)」の能力を求めることに。この影響で日本代表常連の選手も選考から外れることに

  • アジアカップ2021以降で最も大きな変化が見られる。

ゴール下の負担がヤバそう。社長ファイト!!!

アジアカップのロスター

日本代表の変遷で触れたように日本代表の選手選考にも若干の変化が見られるようになりました。以下がアジアカップのメンバー12名です。

東藤なな子のポジションがSG/SF⇒SFに。ここも地味に大きな変化

試合を見た感じのポジションはこちらになります。一番左がスタメンです。

PG/SG 山本、宮崎、本橋、星
SG 林、平下(SG/SF)
SF ひまわり(SF/PF)、東藤
PF ステ、モニカ(PF/C)
C 髙田、朝比奈(PF/C)

特筆すべきところは、「PG陣が時間帯や状況によってSGも担っている点」「東藤なな子がSG/SFからSFに変更になった点」「ひまわりがPFの時間帯も多くなった点」この3つです。HCが何をやりたいのかがなんとなくわかる変更になりました。

ほわほわ系同期の2人(星杏璃と東藤なな子)

ワールドカップからの大きな進化

ワールドカップの日本代表をオブラートに包まずにストレートな言葉で表現すると「格下には無双できるけど、強豪には全く歯が立たないチーム」でした。たまに「ホーバスJAPANもオリンピックで勝つまではよく負けていた」と言う人がいますがワールドカップの時の恩塚JAPANは強豪相手に勝てる可能性がほとんど0だったので、同じ負けでも内容が全く異なります
ただそんな恩塚JAPANも今回のアジアカップで大きな進歩が見られそうなので4つの視点で見ていきたいと思います。

  • 全員がクリエイターに

日本代表の変遷でも触れましたが、選手12名全員にオールラウンダーな能力をより求めるようになりました。「PGはボール運びプレイメイク、パスファースト」「ビッグマンはドリブルしなくていい。3ptも」など日本はまだまだ昔ながらのステレオタイプ的な選手になることを求められています
恩塚JAPANは苦手ですがこの”ステレオタイプを脱却したい”という想いは唯一賛同できるポイントです。
話が逸れましたが何が言いたいかと言うと、ワールドカップでも選手のオールラウンダー性は求められていましたが今は「何かできないスキルがあるなら日本代表にも残れないよ」と言わんばかりにより極端にオールラウンダー性を求めるようになったということです。

(ちなみに渡嘉敷さんに関しては日本が誇る最高のフィニッシャー&リムプロテクターだと思っているので多少システムに合わなそうでも絶対に必要な存在だと個人的には思ってます。)

  • 2ガードにしてワールドカップで浮き彫りになった弱点を克服

ワールドカップでは「PGにハイプレッシャーがかかってオフェンスのエントリーに上手く入れない」「PG以外がクリエイトできなくてオフェンスが手詰まり」といった感じに大会序盤で既に日本代表は詰んでいました。
その大きな対策として2ガードを採用するようになりました。
山本宮崎本橋の4人のうち2人が同時にコート上にいる時間帯が多く、どこからでもオフェンスがクリエイトできて、1人が潰されてももう一人がいるから全体としては詰まない、といったメリットがあります。

バスケの戦術にあまり興味がない人の目線で話すのであれば、ガードが2人いる方がボールが回ってスピーディーな展開になるので見ていて面白いと思います。

  • ディフェンスで前から当たる

ワールドカップでもやっていたように思いますが、今の方がより顕著に相手のバックコートから2~3人でプレッシャーをかけてオフェンスを簡単にはエントリーさせないようにしています。

  • リバウンダーの考え方を変える

https://spread-sports.jp/archives/210278
こちらの記事で指摘されていて初めて気づいたのですが、相手のFTの時にガードがリバウンドポジションに入ったりしていてリバウンドにも変化が見えました。
デンマーク戦の試合を見ていて「なんかガードのリバウンド多くない?」となんとなく思った記憶があります。(数字上では確認してないのでわかりません)

どんなバスケ?

空いたらシュート
全員がなんでもやる
タイムシェア
オフェンスに全力、ディフェンスは気合い


ライバルチームの状況

「本音を言うと相手がそんなに強くはない」

今回のnoteを書いた趣旨としては「みんなでポジティブにアジアカップを楽しみたい」からです。ポジティブにアジアカップを見る要素として日本代表が進化しているという点も勿論そうなのですが、それ以上に「アジアカップの相手はワールドカップとは全然違う」ということも言及しておきたいです。

日本代表はワールドカップ時点でも「格下にはめっぽう強いチーム」でした。そのため恐らくワールドカップの日本代表がそのままこのアジアカップに出ていたとしても1位か2位にはなれたと思います。
更にワールドカップの時よりも今の方がチームとして進化しているので、より勝ちやすくはなってると思います。
以下の画像はアジアカップのパワーランキングです。

強さ予想ランキング

中国はWNBA選手も招集して戦闘モードです。普通に強いと思います。
一方オーストラリアは主力がそんなにいないようなのでFIBA世界ランクでは上ですがパワーランキングでは3位になっています。

今の日本はよくも悪くもFIBA世界ランク通りの強さ(9位)かなと感じています。

日本代表スタメンの5人

見どころ

ここまでのことを踏まえて6/26から始まるアジアカップ2023の見どころを自分なりに書いていこうと思います。

ガードのファンは期待しましょう

システム上、ガードの選手が活躍しやすい状況になっています。全員がオールラウンダーとは言えボールを持つ時間が多いのはPG/SGです。「空いたら打つ」を採用している日本は、ボールを持っている時間が多い人ほどシュートの機会に恵まれます
そのためもし日本代表が優勝した時は山本宮崎本橋の誰かがMVPに輝く可能性が高いのではと予想しています。(もしくはプレータイムが安定する髙田社長とか…)

この4人のファンの方々は今回のアジアカップに期待してもいいと思います。


一番の注目試合は予選3戦目のオーストラリア戦

日本代表として最も大事な試合はグループフェイズ3戦目のオーストラリア戦です。それはこのグループフェイズを1位通過しさえすれば例え準決勝で負けたとしてもオリンピックに繋がるからです。
スタッフも選手もこのことはわかっているはずなので白熱した試合が見れると思います。


ディフェンスのミスマッチはどうするのか

個人的に1番の注目ポイントは「2ガードでできた時のミスマッチに対してどのように対応するのか」です。
ここまでは2ガードを"物凄く良いもの"として語ってきましたがデメリットも勿論存在します。SGに小さい選手が入ることによってディフェンスでは高さのミスマッチが容易に生まれやすくなっています。
格下のチーム相手には気にならないと思いますがオーストラリアや中国相手に果たして効くのか、メリットがデメリットを超えられるのかを見るのがとても楽しみです。


6連覇の可能性は十分にある

やっぱり勝って選手が笑顔になるところが見たいですよね。自分は恩塚JAPANのシステムが好きではないですがアジアカップ2021の決勝で中国に勝った時はとても嬉しかったのを覚えています。
今回のアジアカップは順当にいけば決勝まで進めると思います。それは決勝までは勝つ日本代表を見れる可能性が高いということです。

中国はWNBAの選手を擁していてこの大会では最も強いチームですが準備期間と大会の意味合いを考えるとワールドカップの時ほどの強さではありません。決勝さえ日本が爆発して噛み合えば十分に優勝する可能性も秘めています。


デンマーク戦game3で見せた3ガードはやるのか

最後にオマケとして……デンマーク戦game3、4Q終盤で3ガードの時間帯が存在しました。アジアカップでやる可能性は低いように思いますが怖いもの見たさでアジアカップで3ガードをやるのかが気になります。

全然関係ないけど放送席の三好さん(元日本代表銀メダリスト)

終わりに

アジアカップ楽しみ!!!
みんなファイト!!!
東藤なな子さんファイト!!!

この形の石膏像を美術室に飾りたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?