あの日のMADLOVE(ExWHYZ武道館によせて)

アンコール後。メンバーがフォーメーションに着いた時、なんだこれ?新曲か?と頭をフル回転させている中、聞き慣れすぎたメロディが流れてきた。瞬間、全身に鳥肌がたった。


君が確かにくれた甘いもの あなたの話常に怪しいの 言うこと聞いてる?


この歌、EMPiREのMADLOVEは、私にとって始まりの歌だった。
社会人2年目の年にコロナが始まり、時間的な余裕はできたけれど精神的にはまったく余裕が生まれず、何かキラキラしたものを求めていた時だった。中高生の時、AKBにたくさん助けてもらっていたように、無性にキラキラしたものを求めていた。家にいてもやることがなく、なんか見るか〜と登録したFODの広告で流れてきた、「推しが武道館行ったら死ぬ」という強烈なパワーワードに惹かれ、同題名のアニメを全話見た。
くまささんの献身的なオタク心、自分のことなんかなりふり構わず、推しメンに全力を注ぐえりぴよさんの姿、炎天下の中CD販売の列に並んでいる間にできる、見知らぬオタクとの一体感、全部全部まぶしくて、またやりたい!!という気持ちでいっぱいになった。

私には、大学の時に意気投合して同じAKBのチームKを推していた過去をもつ同志がいたので、すかさず推しが武道館行ったら死ぬの感想を伝えたところ、一つのURLを教えてくれた。それが赤坂BLITZのMADLOVEだった。


印象的な、聞いてる聞いてる聞いてるよのコールや、ぴょんぴょんと飛びはねる人たち、メンバーに一緒に飛ぶよ!と言われてするXジャンプ、眩しくて仕方がなかった。中でも、一生お前にMADLOVE!は当時の私にとってすごく刺激的な言葉に思えた。単純な私は好きかも!!!となり、一生お前にMADLOVEと言いたいという謎の感情を胸にEMPiREにハマっていく。教えてくれた友達も一緒に現場に行く友達を探していたので、これ幸いとリリース情報やメンバーの情報をたくさん教えてくれた。

しかし、なんと言ってもコロナ真っ只中。最新のSFGツアーは全部中止。会える現場はなかった。友達に教えてもらった情報から、会ったこともないのにグッズを買い、会ったこともないのに分かり手の友達に布教をしさらに仲間を増やし、School of wackが初対面になることを祈って行くも叶わず、EMPiREの歴史を掘って掘って掘っていく生活を過ごしていた。

しばらくしてERROR ERROR ERROR ツアーが開催決定。東京は開催されなかったので、名古屋に遠征。初日だったのでメンバーは4ヶ月ぶり?のライブにMCでみんな涙していたのを思い出す。しかし私はこれが初めてのEMPiRE。コールもわからないし、初めて聴く曲も多かったので、隣の人との距離が保たれているかつ座席が確保されているライブは正直快適だった。ERROR ERROR ERROR ツアーは、紗幕の映像がおしゃれだったり、メンバーがのり方を教えてくれたりして、あっという間にライブ楽しい!!の人になった。特にwe are the worldに心を掴まれ、

いつも思うんだ
ヤなことばかりだしいやでしょう

にはほんまそれな!と思ったし

いつも考えるんだ
あなたと楽しんだことだけを

には私も!!と心の中で合いの手を入れながら聞いていた。これはそれ以降ずっとそうだった。ライブに没入できるずっと大好きな曲。

ここに味を占めた私はさらに仙台にも遠征をし、どっぷりとエージェントの道に進むのである。

限界突破ライブ、ウルトラバイブスツアーを経て推しメンをミキナちゃんに決め、オンライン特典会や、幕張メッセイベントホールのワンマン。流通センターでの特典会、EDMツアーを経て、起こった突然の解散発表。やり方は他にあったんじゃないかと今でも思うけど、あの地獄の一週間を経て、ExWHYZのはじまり。

正直、私はEMPiREも大好きだし、声出しEMPiRE現場は結局一回も経験できなかったけれど、よくなかったと思う現場もないし、払ったお金の対価以上のものは返してもらっていた。ただ、ExWHYZの1stツアーファイナルでどりちゃんが帰ってきて6人が揃い、武道館の発表があったあと、そこからのxANADUツアーやBiSHWHYZを見て、今までとは何かが違うこともわかった。曲の質、演出の質、メンバーの熱量、スタッフさんの熱量、それに呼応してあがっていくマスターの熱量。
最初の頃に思っていた、EMPiREの曲なくて、ライブ盛り上がるのかな?と思っていた気持ちなんて全部消え去る、最高のパフォーマンスで返してくれた。なんなら最高を更新し続けていた。だから、EMPiREには未練がないし、ExWHYZ最強だし、なんならコールもまあ、あるならあるで?盛り上がるし? みたいな気持ちでいた。

しかし武道館で、MADLOVEが流れてきた瞬間、なんか本当に今までの全てのことが蘇って、全身に鳥肌がたった。視界もぼやけていたような気もする。こんなことってあるんだって思った。
周りから聞こえる、はじめて自分が現場にいて聞こえる「聞いてる聞いてる聞いてるよ!」のコール呼応するようなメンバーのキラキラの顔 。何十回と聞いてきたあのMADLOVEの完全体がそこにあった。
メンバーの容姿も、衣装も、後ろのセットも、背負う名前もEMPiREのときとは全部違う。しかも立っているのは武道館という大舞台。武道館にいる姿なんて、正直想像出来ていなかったのに、初めて見たあのyoutubeの中の6人も、限界突破ライブの最後にフラフラになりながらやっていた6人も、私がEMPiREに出会う前のすべてのライブのために準備して練習してきた6人も、全部全部、繋がっていたんだなって、そう思った。

その時隣には、私がハマってから布教した分かり手の友達(EMPiRE現場はほぼ一緒に行っていてExWHYZになるのと同時期に地元で就職をしてしまったので物理的にExWHYZは追えてなかった)がいて、
ExWHYZの曲は、振りコピも簡単にという感じで見ていたのに、MADLOVE始まった瞬間、水を得た魚のように推しジャンをしだし、もうなんか本当に今日呼べて良かったなという気持ちと今まで一緒に過ごした時間の濃さに感謝の気持ちで熱い抱擁を交わしたし、

もう1人の大学の友達でExWHYZを見るのもアイドル現場に来るのも初めての友達(人生で推しができたことがないのに私たちのオタ活の様子をずっとそばで見ていてくれた、大阪赴任中なのに武道館のために来てくれた意味わからんフッ軽友達)
も、終わった後一生お前にMADLOVEできてよかった〜!とか言ってくれていた。


EMPiREに未練があるとかそういうわけでは本当になくて、でもみんなそれぞれ6人との出会いがあって、大事なライブがあって、あのMADLOVEを見た時、きっと各々が自分の大事なその時を思い出したんじゃないかな、と思った。あの武道館には、ExWHYZよりEMPiREの方が思い入れがある人もきっとたくさんいただろうけど、あのステージを見て、EMPiREに戻って欲しいと思った人はきっと1人もいなかったんじゃないかなと思う。人の好みはそれぞれだから、自分的にはEMPiREのコンセプトや曲の方が好きだったなと思う人は確かにいるだろうけれど、ExWHYZになってからの成長を感じなかった人は誰もいないと思う。あなたの好きだったEMPiREはここにいて、ExWHYZになってもそれは生き続けるよって、そう言ってくれているような気がした。
まゆちゃんも最後のMCで言っていた。
EMPiREからExWHYZになったことが正解だったかは人によって違う。でも正解だって証明できるようにこれからも頑張っていくって。向いてる方向が一緒だなと思って、すごく嬉しかった。

私はすでにそれを確信している1人として、メンバーみんなが、1人でも多くのファンが正解だったって思えるように、これからもExWHYZを応援していこうと思った。そんなライブだった。


最後に、ExWHYZ武道館公演おめでとうございました。生きる力をありがとう。大きな声で、一生お前にMADLOVE!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?