第1話 人も歩けば鯛に当たる
不幸は連続するものだ。
泣き面に蜂、弱り目に祟り目など、古来から語られてきたことわざにもその事実は表れている。
もちろん、不幸が意思を持って同じ人間を襲う訳ではない。
不幸に見舞われた人間は注意力が散漫になり、不注意が次の不幸を招く……理屈では分かっているが、しかしこう不幸が続けば、何かのせいにもしたくなる。
事の始まりは、仕事で犯した小さな間違いだった。ちょっとした、スケジュールの記入ミス。良くないことだが、よくあるミスだ。
しかし、今回はそれがとことん裏目に出た。
ミスはスケジュールのズレを呼び、ズレは取引先とのすれ違いを生み、すれ違いは大口契約の取り消しにまで至った。会社が被った損失は、到底私が補えるものではない。減俸と降格だけで済んだのは、むしろ軽い方だろう。
だが妻はそうは思わなかったようで、既に乾ききっていた夫婦関係には簡単に亀裂が入った。夜越しの口論の末、妻は荷物をまとめ、簡素な書き置き一枚を残して出て行った。
『実家に帰らせてもらいます』
情けないが、私にはもはや彼女を引き止める気力すら残っていなかった。息子も一緒だと知ったのは、翌日の朝食時、食卓にいないのを見てである。
己の不甲斐なさを悔やみつつ、寂しい食卓で、私は家族を想った。
真っ先に思い出したのは、前日に息子にかけられた「親父うぜえんだよ。ってかくせえんだよ」という辛辣な言葉だ。最後の言葉がそれであることが、またどうにも情けなくて仕方がなかった。
たとえ家族に見放されようとも、仕事は待ってはくれない。ミスの尻拭いをするために連日頭を下げながら、損失を取り返すために残業を繰り返す。
そんな不幸の掃き溜めにいる私であるのに、ここの所、さらにその不幸を加速させる存在があった。
あの恵比寿とかいう隣人……いや、隣神である。
ゆるめのマスコットのようなサイズ感に、いかにも神ですと言わんばかりのだらしない体型。神なら人を助けてくれても良いものだが、当の彼がやることと言えば、モテたいモテたいと大声で喚き、ついでに生の鯛を撒き散らすばかり。
迷惑なことこの上なく、七福神どころか疫病神だ。
昨日に至っては、アパートの廊下を鯛で埋め尽くすという暴挙に出た。
確かに”恵比寿”と言えば鯛を抱えているのがお決まりだが、だからといって好き勝手に鯛を放り出して良いはずがない。鯛を出しておけば人間が喜ぶと思っているのだろうか。
充満する魚の臭いに頭がどうにかなりそうになった私は、気付けば包丁を握りしめていた。
神であろうとあれだけ人間臭く暮らしているなら、包丁で刺されれば痛いのではないか。というか、私が息子に臭いと言われたのも彼の鯛のせいではないのか。
そんな考えが頭をよぎる。
結局、私はすぐに包丁を置いた。
傍若無人な隣神に憎悪を抱いたところで、それを行動に繋げる勇気も度胸も、私にはなかったのだ。
私にできることと言えば、廊下に散乱した鯛を処分し、部屋中に消臭剤を吹き付け、翌朝いつもと同じように出勤することだけだった。
そのような理由で、何はなくとも足取りは自然と重く、私はすっかり遅くなった帰路をとぼとぼと歩いていた。
そんな時だ。
「ニャー」
猫の鳴き声を聞き、私は思わず顔を上げた。
視線の先では、三毛猫が尻尾を揺らしながらこちらを見ていた。知らない猫ではない。だが、猫は私の視線を察知すると即座に立ち上がり、どこかへと走り去ってしまう。
猫にすら厭われるようになったかと肩を落としたが、猫が姿を消した方向、道ゆく先に、何かきらきらした赤いものが落ちているのに気が付いた。
いや、「きらきら」というよりは「てらてら」と言った方が近いかもしれない。街灯の光を不規則に反射するその物体は、加えてどこか嗅ぎ覚えのある、生臭い臭いをまとっていた。
見ればそれは、一抱え程もある大きな赤い魚。
鯛だ。
一目で分かったのは、私が魚に詳しいからではない。例の傍迷惑な隣神のお陰で、鯛だけは嫌というほど見慣れていたからだ。
改めて見れば立派な鯛だ。これが食卓の上に並んでいれば、いくらか気分も上向いただろう。
だが、アスファルトの上に無造作に打ち捨てられているのでは、ちっともめでたくない。弱々しくエラを開閉するその姿は、いっそ悲壮ですらある。
誰にも気にかけてもらえず、生気のない目で虚空を見つめながら、辛うじて生きている鯛。その姿を見ているうちに、なんだか親近感がわいてきてしまった。
このまま放っておけば、車か自転車がこの鯛を轢いてしまうだろう。私がそれをなんとかする義理は少しもないのだが、見過ごすのも気分が悪い。社会人の悲しき性である。
せめて道路の脇に退けておいてやろう。そう思った私は鯛の上に屈み込むと、てらてら光る尾を片手で掴む。
その瞬間、ポケットから振動音が鳴った。
慌てた私は、思わず鯛を放り投げてしまった。
手から離れて放物線を描いた鯛は、べちり、と湿った音を立てて、道路の端に叩きつけられる。鯛に若干の罪悪感を抱きつつも、ポケットを探り、鯛に触らなかった方の手でスマホを取り出す。
画面を点けると、メッセージ通知が1件届いていた。送信者が妻であることにまず驚いたが、さらに驚くべきはその内容だった。
「こうして離れてみて、あなたを本当に愛していたことに気付いたの。
私が間違っていたわ」
私は目を疑った。履歴を遡ってみれば、昨日までの彼女の冷たいメッセージばかりが確かに並んでいる。考え直したというレベルではないが、彼女の言葉が本当ならば、こんなに嬉しいことはなかった。
兎にも角にも、生臭くなった手をなんとかしなければ。早く帰って手を洗い、落ち着いて返答を考えたい。私は立ち上がると、逸る気持ちを抑えながら帰路を急ぎ始めた。
しかしそんな私の前に、再びてらてらした光るものが現れた。
鯛 だ 。
またも道路のど真ん中に、2匹目の鯛が落ちている。
今度は、はっきりと苛立ちを覚えた。一体どんな神経をしていれば、こんなに立派な魚を道路に放り出していけるというのだろう。それも生で。
本人はモテない理由は耳がどうとか大きな声で愚痴っていたが、そんな事よりもこの無神経さが問題なのではないのだろうか。
いっそ鯛を蹴り飛ばしてやりたい衝動に駆られたが、すんでの所で思い留まった。せっかく妻の心を取り戻せたかもしれないのに、鯛に当たっているようでは、また幻滅されてしまう。
考えてみれば、鯛に罪はないのだ。それに、靴も臭くなる。
後で手を洗う分には、何匹触るのも変わるまい。先ほどと同じ手で鯛を掴み、同じように道路の脇に退けようとした所で、再びスマホの通知を知らせる振動音が鳴った。
2度目ともなれば鯛を取り落とす事もなかったが、立て続けの出来事に私は不安を覚えた。もしかすると、妻が心変わりをしたのかもしれない。今度こそ鯛を優しく地面に下ろすと、恐る恐るスマホを取り出し、画面を確認する。
果たして、メッセージの差出人は妻ではなく息子だった。妻の心変わりではなかった事にひとまず安堵したが、同時に別の不安が芽生える。
反抗期に入って滅多に口をきかなくなり、たまに口を開いたと思えば暴言しか言わないような息子。彼がこんな時間にわざわざメッセージを送ってくる理由が分からない。
意を決して、メッセージを開く。
そこに書かれていたことは、やはり私にとって驚くべき内容だった。
「ごめん。本当はくさくなんてないから。
いつもありがとう、父さん」
私は最初、書かれていることを上手く飲み込めなかった。2度、3度と反芻し、ようやくそれが、息子からの愛のメッセージである事を理解する。熱くなる目頭を魚臭い手で抑えながら、妻のメッセージと交互に、何度も読み返した。
2人がこうしてメッセージを送ってきたのが、ただの偶然とは思えなかった。妻たちに、何か心境の変化を促すきっかけがあったのかもしれない。
ならば、この機会を逃してはいけない。もう一度、家族をやり直すのだ。
そう意気込んだ私は、一刻も早く家に帰ろうとその場から駆け出した。
そんな私を、道路の上で阻むものがあった。
鯛 だ 。
これで3匹目である。
今度こそ鯛を無視して走り去ろうと思ったが、ふと足を止めた。片手から漂う魚臭さが、私の頭の中にある考えを呼び起こしたのだ。
妻と息子が同じタイミングにメッセージを送ってきたのは、偶然とは思えない。
では、鯛は?
鯛に触れた瞬間にメッセージが送られてきたのは、偶然なのだろうか?
ポケットからスマホを取り出す。通知のない画面に映っているのは、待ち受けの家族写真だけだ。私はごくりと唾を飲み込むと、魚臭い方の手を恐る恐る鯛に伸ばした。
指先が、鯛の湿った鱗に触れる。
その瞬間、スマホから着信音が鳴り響いた。画面を確認すれば、発信者はかかりつけの病院だ。
「はい、もしもし」
「ああ、もしもし。夜分遅くに申し訳ありません……」
電話をかけてきたのは、泌尿器科の医師だった。数ヶ月前に尿路結石の診断を受けて以来、主治医として何度か話した事のある相手だ。しかし、直接電話をかけてくるのは珍しい。
「いえ、構いませんよ。どうしたんですか?」
「少し前、尿路結石の治療のために、検査をされましたよね。
そのことについてですが……」
確かに、少し前に病院で詳細な検査を受けたばかりだ。
しかし、こんな時間に連絡するとは、まさか結石以上に重大な病気でも見つかったのだろうか。せっかくやり直す機会を得たと思ったのに、急に目の前に暗雲が立ち込めたような気分に襲われる。
「そ、それで……結果は、結果はどうだったんですか?!」
「全部なくなりました」
「はい?」
医師はいつもの落ち着いた調子で、説明を続ける。
「事前の検査で複数箇所に結石が認められていましたが、
詳細検査ではその全てが綺麗になくなっていました。
端的に言えば、完治しています」
「……えっ、では、治療は?手術は?」
「もちろん不要です。完治していますので」
私は半ば放心状態で医師に礼を告げ、電話を切りながら、足元でぴちぴちと動く鯛を見下ろしていた。
私はこれまで3回鯛に触れ、3回ともその直後に良い事が、否、おめでたい事が起こっている。理屈は不明だが、本当に鯛が「おめでたい」を引き寄せているのだ。
私はもはや魚臭さを気にすることもなく、落ちている鯛を拾い上げた。そしてスマホの画面をじっと見つめ、おめでたい事の訪れを待つ。
しかし、メッセージも電話も来る気配はない。どうやら、おめでたい事が起こるのは1匹につき1回までらしい。
落胆する私の耳に、不意に覚えのある声が聞こえてきた。
「でゅふふふふ……これだよこの、お尻のラインがたまんねーなぁ!
カメラマン分かってるねぇ、でゅふふ」
夜も遅いとはいえ、外で堂々と破廉恥な言動ができるような無神経な人物、もとい神物を、私は1人しか知らない。
間違いない、あの恵比寿と名乗る隣神だ。
私は引き寄せられるように、ふらふらと声の聞こえる方へ歩き始めた。
声の出所は、私と隣神の住むアパート『コーポ宝船』の近くにあるゴミ集積所であった。見覚えのある小さなシルエットが、雑誌束らしきものを前にごそごそと何かをしている。周囲はやはり魚臭い。
「あ?これグラビアページだけ切り取られてんじゃねーか!
誰だよんなケチな事するやつ!捨てるなら丸ごと捨てろっつの!」
隣神はそう叫ぶと、手にしていた雑誌を放り投げ、次の雑誌を手に取った。周囲にはそうして投げ捨てられたと見られる雑誌が散乱している。普段なら大声を上げて叱りつけてやるところだが、その時ばかりは、私は声が出なかった。
気が付いてしまったのだ。彼の脇から、鯛の頭が出ていることに。
「おっと、こいつはキワどいじゃねえか……あと1cm、いや5mm、
チクショー俺の釣竿が写真の中に届けばなぁ〜、でゅふふふ……」
背後に立つ私に気が付いていないのか、隣神は相変わらず周りを憚らない大声で雑誌を検分していた。彼のテンションに連動するように、鯛は少しずつ姿を現していく。じわりじわりと身をくねらせながら、元気な鯛が今まさに、彼の脇から飛び出そうとしているのだ。
もう少しで全身が現れようかという所で、不意に鯛の勢いが止まった。同じく、隣神の手も止まっている。雑誌を読み終えてしまったようだ。
不満げに鼻を鳴らしながら、隣神は次の雑誌の束を解き始めた。
なかなか求めるような雑誌は見つからないらしく、彼が舌打ちをして雑誌を放り出す度に、鯛は徐々に脇の中へと引っ込んでいく。かと思えば、目当ての雑誌を見つけた彼がいそいそと中身を読み始めると、また鯛の頭がせり出してくる。
私は思わず息を呑んだ。
信じ難いが、どうやらこの恵比寿と名乗る神は、興奮することで、脇から「おめでたい」を呼ぶ鯛を生み出しているらしい。
ならば次の問題は、どうやって彼に鯛を出させるか、ということになる。
鯛は今やすっかり引っ込んでしまい、湿った眼球と開閉する口が辛うじて脇の隙間から見えているだけだ。このまま鯛が引っ込み、隣神が大人しくなってしまったら、雑誌を漁るのをやめて部屋に戻ってしまうかもしれない。
私は歩いてきた道を駆け戻ると、近くのコンビニに飛び込んだ。
窓際の雑誌棚から適当なグラビア雑誌を選び、急いでレジに持ち込む。驚く店員が中年の女性であることも普段ならば気にしただろうが、今はそれどころではない。レジ袋もレシートも断って、包装のビニールを破きながらゴミ集積所へ走る。
隣神はもうすっかり気が抜けた様子で、雑誌の山に頬杖をつきながら漫画雑誌をめくっていた。時々女性キャラを見つめてはいるが、あまり惹かれないのか、脇から覗く鯛は出ることも戻ることもない。鯛の口だけが息苦しそうに開閉を続けている。
私は、そっと彼の横にグラビア雑誌を置いた。
ややあって漫画雑誌を読み終えた彼は、私が置いた雑誌に目敏く気が付いた。真新しい雑誌の表紙をじろりと見つめ、慎重に手に取ると、指を舐めてページをめくり始める。
「ほほう……ふーん……悪くねーじゃん……」
私は心の中でガッツポーズをした。雑誌を気に入ったらしい隣神は、おもむろに姿勢を正し、雑誌に向き直る。グラビア写真を食い入るように見つめる彼の脇から、再び鯛が姿を現し始めた。
ところが、どうにも鯛の出が悪い。出てきてはいるのだが、先程よりも明らかにスピードが遅いのだ。隣神自身も、最初ほどのテンションを見せてはいない。興奮の度合いが足りないという事か。
見ているだけでは、また彼が雑誌を読み終えてしまう。そうなる前にと、私は再びコンビニに取って返し、新たなグラビア雑誌を購入した。同じ場所に置いておけば、前の雑誌を読み終えた隣神は何の躊躇いもなく手を伸ばし、読み始める。
しばしの沈黙。
それでもやはり、鯛の出る勢いは変わらない。
ふと、隣神が尻を掻きながら呟いた。
「最近の若い子って可愛いけどさぁ……
なんかこう、オリジナリティっていうの?ないよね、そういうの。
みんな似たような顔だしさ」
なるほど。
どうやら隣神は、定番の内容に飽きてしまったらしい。考えてみれば、グラビア雑誌というのはまとめ読みするようなものではない。似たような雑誌を短時間にいくつも読んだことで、彼の中でマンネリ化が発生してしまったのだろう。
私は三度コンビニに戻ると、今度はマイナーそうなグラビア雑誌を2冊選んだ。店員の視線がいよいよ痛くなってくるが、気にしてはいられない。隣神の元へ戻り、これもまた雑誌の山に追加する。が、
「いや、こういうのもね?シチュとしてはアリだと思うぜ?
けど向こうからお膳立てされても、わざとらしいっていうか……
なんかこう、ノれねえんだよなぁ」
といった具合で、鯛の出具合はもはやかたつむりにも負ける勢いである。
一体何がこの神の琴線に触れ、興奮と鯛を呼び起こすことができるというのだろうか。思わず頭を抱えてしまいそうになった、その時。
「お客さーん!忘れ物ー!」
背後からかけられた声が、私を現実に引き戻した。
振り返れば、先ほどグラビア雑誌を買ったコンビニの店員が、こちらに向かって走ってくる。彼女が掲げているのは、間違いなく私の財布だ。どうやら会計の際にしまい忘れたらしい。
店員の声に気が付いたのは私だけではなく、隣神もまた同じように彼女の方を振り返った。まるでつまみ食いを咎められた子供のように肩を竦める彼だったが、声の主に目を留めると、目を見開いて凍りついた。
「マジかよ、あのおばちゃん……
今までカウンターの裏だったから見えなかったけど……」
魚の臭いが、一層強くなる。
「めっっっちゃいいお尻じゃねーか!!!」
恵比寿が叫んだ瞬間、赤い輝きが私の視界を埋め尽くした。
全身に打ち付けられた弾力のある感触と、湿っててらてらと光る鱗の色。それが鯛である事を、私は一瞬遅れて理解する。
しかし分かった時には既に遅く、私は鯛が飛び出す勢いに足を取られ、脇から出る鯛の波に飲み込まれた。天地がひっくり返り、都会の黒い夜空に色鮮やかな鯛が舞う。
「いやぁー!何、この大量の鯛!っていうか、くさい!魚くさい!」
遠くで上がる女性店員の悲鳴に混じって、私はポケットから着信音が鳴っているのに気が付いた。むせ返るような魚の臭いに違うものが出そうになるのを堪えながら、なんとか鯛の山から腕を引っこ抜き、通話に応答する。
「……はい、もしもし」
「もしもし、人事部の者です。
先日破棄された契約ですが、再契約が決まりました。
それから、取締役が是非次期代表にあなたをと。
おめでとうございます、社長!」
電話の内容に呆然としながらも、鱗と何かの液体でぬめつく道路を這い、鯛の山から脱出する。いつの間に去ったのか、隣神もコンビニの店員も、もはやそこにはいない。
街灯の無機質な光の下には、鯛と私だけが残されていた。
※この物語はフィクションです。
実在の人物や団体や神仏や妖怪などとは一切関係ありません。
★福夫の受難や鯛との因縁が分かる『なならき』本編第一話はこちら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?