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夜に棲む物語

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創作童話です。
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担々麺の秘密

担々麺には秘密があった。
彼女には恋人がいたが、彼には妻がいたのだ。
彼、つまり冷やし中華は、担々麺が熱くなればなるほど彼女に冷たかった。
それが担々麺の悩みだった。

冷やし中華はこの不況時代に土地を転がし大儲けした。
彼には生まれ持ったビジネスの才があった。
見た目も華やかでカラフルな彼はなかなかモテた。
錦糸卵、千切りきゅうり、ハム、もやしといった愛人たちを彼は囲っていた。
その中のひとりが

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きなことマカロン

きなこちゃんとマカロンくんは愛し合っていた。
二人はいつも一緒にいたが、たまに離れなければならない場面もあった。
二人はなんとかしてひとつになりたかった。

そこできなこちゃんとマカロンくんは話し合った。
話し合いは何日も続けられた。
主に議題は、「どちらがどちらの中に入るのか」だった。
話し合いは議論となり、口論となった。
しかしそれにも決着がつく日が来た。

きなこちゃんより、マカロンくんのほ

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見つめる兄ちゃん

クルマを運転して自宅に帰る途中、曲がり角で歩行者の兄ちゃんと目が合った。
その兄ちゃんは栗色でふさふさした髪で、長身でがっしりした体型だった。
メガネの奥の目は、こころなしかこちらに笑いかけているようだった。
「どこかで会ったことがあるぞ」
そんな気がした。

ふと思い出した。
今朝洗濯物を干しているとき、雨上りの洗濯竿の上にちょこんと座っていた蛙を。
兄ちゃんの眼はまるで蛙だった。

「気のせい

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