岡崎菜波 | nanami okazaki

1995年生まれ|2023年、夫婦で京都移住|夜の匂いと季節の変わり目がたまらなく好き…

岡崎菜波 | nanami okazaki

1995年生まれ|2023年、夫婦で京都移住|夜の匂いと季節の変わり目がたまらなく好き|noteでは、心が動いた瞬間を残しておくために、文章を綴っています。

マガジン

  • 真夜中の深呼吸。

    私のままで生きるために、深呼吸をするように綴った文章たち。

  • あの恋の物語。

    あのとき私は、たしかに恋をしていた。 届くことのなかった、忘れたくない恋の記憶。

  • 京都ふたり移住日記

    恋人とふたり、憧れの京都に移住するまでの葛藤や、京都暮らしの日々の記録。

  • 旅と言葉。

    旅を通して生まれた物語、エッセイたち。

  • 企画メシ

    「企画メシ」での紆余曲折・波瀾万丈な日々を余すことなく書き記した、人間味あふれる成長の記録。

最近の記事

  • 固定された記事

もう「自分が好きな人生を選ばない言い訳」を、やめる。

先日、自分の好きな人生を選ぶために、すべてを捨てて、新しい人生に飛び込んだ友人に会った。 帰り道、その日芽生えた揺れ動く想いを忘れたくなくて、この気持ちを文章に残しておこう、と思った。 後から振り返ったら恥ずかしくなってしまいそうだったけれど、ここに書いたことが叶った時、「あの時、書いておいてよかった」と思えるように、言葉にしておこうと思う。ふわふわとした意識の中で、たしかに芽生えた、強い想いについて。 いつも前を向かせてくれる、彼女の生き方料理人で、休みの日が全く合わ

    • 今年こそ、いい1年にしたいから。結婚生活2年目の「ひとり時間」宣言。

      結婚しても、家族がいても、ひとりの時間は死守したい……! 28年間そう思っていたわたしも、昨年結婚して京都でのふたり暮らしがはじまった途端、ひとりの時間が激減した。 ふたり暮らし当初は、「ひとりの時間がないと心が死んでしまう……」と言って週末のどちらかはひとりでカフェに通っていた。 だけどふたりで過ごす時間が増え、むしろ一緒にいた方が気楽だし寂しくないかも、と感じるようになってからは、「ひとりの時間、寂しくて死んでしまう……」という思考に完全に切り替わってしまった。(環

      • 移住・結婚・転職。人生最大の変化を迎えた1年で、私がみつけたもの。

        京都への移住、結婚、転職。 これらは、昨年自分の身に起きた3つの変化だ。 こうして書くと、なんだか劇的で華々しい人生のように見えるかもしれない。だけど実際は毎日悩んだり、葛藤したり、夫とも衝突したりと、思い出すだけでもうわあと声が出てしまうような、なかなかしんどい1年だった。 人は(少なくともわたしの場合は)、一度にたくさんの新しいことを経験すると、こんな風になってしまうのか……!と、現実をまざまざと思い知らされた、そんな2023年だったように思う。 だけど、人生では

        • 「もう恋なんてしない」と誓った私が結婚をして、半年経って。

          あの頃、どうしてわたしはあんなにも報われない恋ばかりしていたのだろう。 どうして身を滅ぼすような恋ばかり夢中で追い求めて、それが生きがいとすら思っていたのだろう。 今年の春に入籍をして、結婚生活もちょうど半年が経とうとしている今。わたしは2年前までの自分が今とはまるで別人のようだった事実を思い出して、静かに驚いている。 きっとあの頃のわたしが今の姿を見たら、不思議でならないのだろうな……。 新婚生活真っ只中にいるわたしは、刺激的で衝動的な恋のかわりに、のんびり穏やかな

        • 固定された記事

        もう「自分が好きな人生を選ばない言い訳」を、やめる。

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        • 真夜中の深呼吸。
          119本
        • あの恋の物語。
          60本
        • 京都ふたり移住日記
          6本
        • 旅と言葉。
          22本
        • 企画メシ
          12本

        記事

          今はただ、あの日の希望になりたくて。京都移住、半年間の振り返り

          ちょうど1年前、恋人からの「京都移住」という提案を前向きに考えはじめていた頃。 わたしの心にいちばん引っかかっていたのが「今後の仕事や働き方」だった。 当時働いていた職場は学生時代から長くお世話になっていた会社で、人にも仕事内容にも恵まれていた。 だけど制度上リモートで働くことはできなくて、27歳という年齢もあり、この先のキャリアについてちょうど悩んでいた時期でもあった。 結果、わたしは転職することを決意して、波瀾万丈な転職活動を乗り越えて京都に移住をする。 気づく

          今はただ、あの日の希望になりたくて。京都移住、半年間の振り返り

          京都暮らし、はじめての夏|暑さも忘れて憧れを叶え続けた。

          京都に移住してから、はじめての夏がきた。 7月までは、仕事で東京と京都を行ったりきたりしていたから、1ヶ月まるまる夫とふたり京都で過ごしたのは、8月が実質はじめてになる。 「京都で暮らしている」という実感を手のひらで握りしめるように、8月は毎週のように伝統行事や地元のイベントに足を運んだ。 そのおかげか、この夏は京都らしい体験を通して、憧れが少しだけ日常に近づいたような気がする。 はじめての景色や体験に出会えたこの夏の記憶を、この先もずっと忘れないように。 写真とと

          京都暮らし、はじめての夏|暑さも忘れて憧れを叶え続けた。

          はじめての移住・結婚・転職を経て。5ヶ月間の振り返り

          京都への移住、結婚、同棲、実家からの独り立ち、転職。これらは今年、わたしの人生に起きた変化のすべてだ。 あまりに多くの「新しいこと」が一度に始まったから、それぞれに適応するのに精いっぱいで、気づくともう、5ヶ月が経とうとしている。 特に、新しい職場で働き始めた3月からは、物理的にも精神的にも慌ただしく、余裕がないこともしばしばで、正直「移住・結婚・転職をして、毎日がハッピー!」と胸を張って言えないことも多かった。 そのこと自体に後ろめたさを感じたり、思い描いていた理想の

          はじめての移住・結婚・転職を経て。5ヶ月間の振り返り

          新婚生活で自分を見失っていた私は、旅先でもらった言葉に救われた

          「こんなはずじゃなかったのにな……」 新婚生活が始まって1週間が経った、ある夜のこと。 真っ暗な寝室のドアを開け、ひとり静かにベッドに潜り込む。 隣ですうすうと寝息を立てている彼の気配を感じながら、わたしの心は水を含んだ布団のように重く、濁っていた。 いまのわたし、全然自由じゃない。 新しい仕事も、生活も、彼との関係性も。何もかもがうまくいかなかった。 正確に言うとうまくいかないのは一部で、ちゃんと生活の中で大事にしたい瞬間や、前進していることもいくつかあった。

          新婚生活で自分を見失っていた私は、旅先でもらった言葉に救われた

          自由を求めてひとりを選んだ私が今日、結婚をする理由

          「結婚しました。」 この言葉を聞いたら、2年前までのわたしを知る人はきっと「え、ななみんが結婚?!嘘でしょ?!」と驚くだろうなあと思う。 この事実に驚いているのは、わたしも同じ。 婚姻届を提出した今だって、「結婚」という言葉はなんだかくすぐったくて、遠い世界のできごとみたいだ。 そもそも、2年前までのわたしにとって「結婚」とは、自ら先延ばしにしていた未来だった。 いつかはするのだろうな、と漠然と思ってはいたけれど、積極的に望む選択肢ではない。 そう考えると、彼と結

          自由を求めてひとりを選んだ私が今日、結婚をする理由

          あなたともっと、生きたかった。桜の季節にこの世を去った親友へ。

          1年前、親友が他界した。 ちょうど今のように桜が満開で、新しい季節のはじまりに、世の中がそわそわしはじめた頃だった。 家族にも恋人にも、ほかの友人たちにも。誰ひとりとしてこのことを伝えられないまま、わたしは今日を迎えている。 誰にも伝えていないことで、わたしひとりが秘密を抱えて生きているような、後ろめたい気持ちでこの1年を過ごしてきた。 自分が彼女を遠い世界に追いやってしまったような、罪の意識。 仕方のないことだったと分かってはいても、この事実をひとりで心に秘めてい

          あなたともっと、生きたかった。桜の季節にこの世を去った親友へ。

          東京から京都へ。移住をしたら、レールが消えて自由になった。

          ああ、あの京都での日々が夢みたいだなあ…… はじめての引っ越しと家事に慌てふためき、色々な場所に赴いて人と会い、縁があっていただいた仕事に挑戦し、カフェ巡りは怠らず、ホームパーティーを開くなどしていたら、あっという間に3週間が過ぎてしまった。 有給消化期間を終え、いまは新しい職場の仕事に慣れるため、一時的に東京の実家に戻ってきている。 東京に帰ってくると、夜の明るさや音の大きさ、心を無にして乗る満員電車、目がまわるようなスピードで進む人たちの時間に流されて、自分自身も東

          東京から京都へ。移住をしたら、レールが消えて自由になった。

          京都移住が叶うまで。暮らしと仕事、欲張りたかった私の葛藤

          「来年から、京都に住もう」 恋人からそんな夢のような提案を受けてから、約7ヶ月。 これは、わたしが京都移住を最終的に決意するまでにかかった時間である。 京都旅行の帰りの新幹線で京都移住について熱く語り、翌週には会社に退職の旨を伝え、住んでいた家を解約してしまった彼とは裏腹に、わたしは移住に向けて、全く動き出すことができなかった。 まず、気持ちの整理に1ヶ月以上かかり、重い腰を上げてはじめた転職活動は想像以上に苦戦した。 もともとの性格としては、ポジティブで好奇心旺盛

          京都移住が叶うまで。暮らしと仕事、欲張りたかった私の葛藤

          京都移住、はじめました。安全地帯を手放して、私が移住を選んだ理由

          「来年から一緒に京都に住もうって言ったら、どうする?」 2022年、5月のこと。 朝の鴨川を眺めながら、近くのお店で買ったパンを頬張っていると、隣で目を輝かせながら、恋人がそう口にした。 「楽しそう!住みたい」 「もちろん、一緒に行くよ」 なんて簡単に言えなかった。それくらい彼の目は本気で、わたしは曖昧な笑顔で彼の視線を受け止めたまま、しばらく黙り込むしかなかった。 「京都に住む」なんて夢みたいなこと、現実になったらそりゃあ幸せだ。でもわたしには、大事な仕事がある。

          京都移住、はじめました。安全地帯を手放して、私が移住を選んだ理由

          義母の実家を訪ねたら、家族が20人増えました。

          お義母さんの実家がある山梨へ、彼の家族と一緒に挨拶に行った。 山梨の大家族の話は彼からもたびたび聞いていたのだけど、想像以上、というより「話を聞いて知識として知っているのと、実際に体験するのはまったく違う」ということを、強く実感した2日間だった。 3人の叔父さんや9人の従兄弟とまるで親友のような距離の近さ、親族がみんな半径1km圏内で暮らしていること、ほぼ同い年で働きながら5児の母をしている人がいること…… 家族の形は、家族の数だけ存在する。 頭では理解していたつもり

          義母の実家を訪ねたら、家族が20人増えました。

          あの日、燃え尽きてしまったわたしへ。いま贈りたい3つの処方箋

          昨年の4月に念願の社内表彰をされてから、わたしは生まれてはじめて、いわゆる「燃え尽き症候群」の状態に突入した。 巷では何度かその言葉を聞いたことがあったけれど、実際に体験したことはない。 だから、自分が突然「なにもやる気が起きない」という状態になったとき、はじめは「長い期間頑張っていたから、疲れが溜まっていたのかなあ」くらいにしか思っていなかった。 あれ、ちょっといつもと違うかも……? と気づいたのは、その傾向が夏になっても改善される兆しがみえないことに焦りを感じはじ

          あの日、燃え尽きてしまったわたしへ。いま贈りたい3つの処方箋

          "結婚は自由になるための選択" って言葉の意味が、ようやくわかった

          結婚して、家庭を持つこと。たったひとりの人と、一生を添い遂げること。わたしにとって「自由を奪うもの」としてそれらを恐れていた時から、1年半。 彼と過ごしているうちに、まさか自分がこんなにも「結婚」や「家庭を持つこと」に対して前向きになるなんて、思ってもみなかった。 つい最近まではまったく想像もしていなかった自分が、いまここにいる。 「結婚することで、自由でいられなくなるのが怖い。」 そんな漠然とした不安を抱えていたわたしに、彼はこう言った。 「ふたりで自由になるため

          "結婚は自由になるための選択" って言葉の意味が、ようやくわかった