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システムに巻き込まれない生活を、巻き込まない配慮を


一つの組織の属さずに働くようになって考えるようになったのは、「この仕事は最終的にどこに到達するのか」ということだ。


毎日決まった職場に行って働いていた時、私は与えられた仕事をしっかりとこなすことが良いことだと思っていた。けれど今、仕事をしていくうえで考えなくてはいけないのは、「自分が手を動かしてつくりだしたものは、本当に他者にとって善いものだったのか」だということに気付いた。


与えられたルールを守ることが良いことだとずっと思っていた。けれど今はすでにある仕組みや枠組み、システムといったものが、本当に誰かのためになっているのか、問いを立てることが重要なのだと思う。驚くけれど、人を傷つけるシステムはまだまだ本当にたくさん現存しているから。


一つの組織のシステムが中にいる人を傷つける時、それは「人」を優先しているのではなく、「数字」や「成果」を気にしているからだと思う。なのでシステムを回すための歯車が人を押し潰していても、回転を止めない。そして今必要とされているのは、「何のために歯車を回しているの?」と誰もが問いかけられるようになることだと思う。そして問いかけた声を、ちゃんと聞いてくれる人が組織の中にいることだと思う。


自分の目で見て疑いを持ったり疑問を解消したりしないでいると、気付かないうちにシステムの一部になっている。そして秩序をもって築きあげられた強固なシステムは、いつでも人を傷つけるリスクを孕んでいる。生産性を高めるための最良のシステムは、時に個人の決断力や思考力を奪い、壊れた体をただ動かすためのシステムにもなりうるから。


また自分の中にルールがあることを自覚している人は、そのルールによって他者が傷ついていないか確認した方がいい。自分でつくりだすルーティーンは、周りの人間への敬意と配慮が欠かせない。自分の動かしている歯車が、本当に他者のためになっているのか、考えなくてはいけない。


システムのもつ危うさに気付き、善いシステムを探しだすこと。小さな歯車でもいいから善いシステムをつくりだすこと。また今あるシステムに傷ついている人を見つけたら、その人のことを気遣うこと。この3つが、今この地点にいる私でもできることなのだと、思う。











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