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プロではない人にも「共創」の楽しさを。「nana」が表現の間口を広げる

これまでのインタビューでは、新しく定めたビジョン「Everyone is a Co-Creator」や、3つのバリュー「Keep Suprising」「Try First」「Respect Mutually」について文原の想いを聞いてきました。

前回の記事はこちら
目の前の仕事は大きな驚きとワクワクを生むか。3つのバリューに込めた想い

今回からは「nana」というサービスが、nana musicという組織が、どんな価値観を大切にして事業に取り組んでいるのか。その思想に迫ります。

ー 新しいビジョンやバリューを踏まえ、改めてnana musicが目指す方向性について教えてください!

nana musicとして目指しているのは、表現の間口を広げていくこと。より具体的に言えば、プロを目指さない人たちも、表現したり、コラボレーションしたりする機会を増やしたいんです。

音楽もスポーツも、一部のプロフェッショナルと大勢のアマチュアによるピラミッド構造を持っています。私が10代後半から20代前半にかけて熱心に打ち込んでいたモータースポーツも同じでした。ピラミッドの頂点の方は一部の才在るタレントやそれらを取り巻く業界があり、あとはそれ以外という構図。

この頂点付近、プロフェッショナルな世界は競争ありきです。すべては結果の世界。どんな状況であれ、限られたタイミングで結果を持ち帰ることが要求される世界です。もちろんそんな頂点を見つめてがむしゃらに頑張るのも素晴らしいですし、その世界にいた経験のある人間として、チャレンジする人は心から応援しています。

でも、必ずしも頂点を、プロを目指すことだけが正解ではないと思うんですよね。自分自身プロドライバーになる夢を諦めた後、モータースポーツを観れなくなった時期があるんですよ。嫌いになってしまった。今はまた大好きになりましたけどね(笑)。

チャレンジするのは素晴らしいことです。けれども、楽しくてワクワクするから始めたはずなのに、気がついたら「失敗できない」「負けられない」という強迫観念が生まれてしまった。

「なんでそれやってるんだっけ?」「なんでそれ始めたんだっけ?」ほんとは楽しいからなんですよ。ただただ、楽しいから。それぐらい気軽でいい。上昇志向以外の人たちにも、積極的に表現し、交流できるきっかけや機会があってほしいと思っているんです。

インターネットが登場したことで、プロ・アマ問わず、人の表現や、そこから生まれる人とのつながりが可視化されやすくなりました。「nana」では、そこをもっと豊かにしていきたいんです。楽しいから表現する。結果、社会に求められればプロを目指すという選択肢を検討すればいい。そんな生き方ができるような仕組みを作っていきたいなと思います。 

ー その文化への関わり方が多様になれば、文化自体も発展していきそうです。

そう思います。例えばこれだけ車社会で、日本にはTOYOTA含め世界トップクラスの車メーカーが多く存在するのに、日本からF1のワールドチャンピオンは生まれていません。それはモータースポーツ人口が少なく、文化として根付いていないから。実は盛んな国々では、もっと敷居が低いスポーツなんですよ。

トップを目指す人たちの「競争」ではなくて、それ自体を楽しむ人たちの「共創」を生み出していきたい。 まさにビジョンとして定めた「Everyone is a Co-Creator」に込めた想いです。

ー 共創を生み出すことは、「nana」が特に重視していることですよね!

そうですね。「nana」にとって、コラボレーションや共創は重要なキーワードです。nana musicという組織のなかでも、同じくらい大切にしたいと考えています。1人で考えることも重要だけれど、会話のなかで生まれるアイデアもあります。個人が自由に意見を出し合って、お互いのアイデアを活かしながら、よりよいものを作り出していく。社内でこのような「共創」がどんどん生まれてほしいと思っています。

ー たしかにnana music社内には「競争」より「共創」を大切にする文化があると感じています。

そうですね。私自身も日頃のコミュニケーションで大切にしているのは、相手を否定しないこと。

まずは発言しやすい空気を作らないといけません。社内のメンバーが発言を控えるようになってしまえば、アイデアの共創が生まれるはずがない。ボードメンバーも含め、「個人的にこう思うんだけど、どう思う?」と、自分の意見を踏まえて、相手に問いかけるコミュニケーションを心がけています。

誰もが表現を通じてつながり、その楽しさを享受できる。nana musicは、そんな「共創」の場を、「nana」というサービスだけではなく、組織のなかでも実現できるように日々、試行錯誤を続けています。

次回は「nana」というサービスの背景にある「音楽の楽しみ方の多様化」について、文原の考えを聞いていきます。

nana musicは「Everyone is a Co-Creator」を信じ、誰しもが“おと”を通じて繋がり、共に表現する喜びを得るためのツール、仕組み、遊びの場をつくっていきます

#音楽 #共創 #スタートアップ #表現

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