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インターネットに安心できる居場所があったから。「nana」がプラットフォームとして目指す未来

新しく定めたビジョンとバリュー、「nana」のサービス設計に込められた思想などを文原に語ってもらったインタビューも今回が最後。これから「nana」がユーザーさんに、どのような場を提供していくのか。“プラットフォーム”として目指す方向性について、文原が大きく影響を受けたサービスとともに聞いていきます。

ーこれから 「nana」をどのような場にしていきたいと考えているのでしょうか?影響を受けたサービスはありますか?

大きく影響を受けたサービスといえば、やっぱりTwitterとニコニコ動画ですかね。人生が変わるレベルで影響を受けました(笑)マインクラフトのようなシンプルさと創造力の拡張性が高い次元でバランスしているサービスも大好きですね。常に参考にしてます。あと、“場”という意味ではコミケ(コミックマーケット)にも大きな影響を受けています。

「マーケティングに携わる人やクリエイターは一度はコミケに行ってみるべき」と私は思ってるんですが、あそこはもう愛と情熱の場所です。売り手とお客さんという関係ではなく、全員が参加者。商売のために参加しているのではなく、大好きだから作品を作り、参加し、結果稼げる人は稼げる。めっちゃいいですよね(笑)同じように、音楽を好きな人がただただ楽しめる、自分の「スキ」をおもいっきり表現することができる、その結果多くの人に支持され、また当人が望むのであればプロという道に進む機会も提供することができる。「nana」はそんな場所にしたいなと考えています。

前回の記事はこちら
「職業としての音楽」以外の選択肢もある。「nana」がサンデーアーティストを応援する理由

ー サンデーアーティストを応援する「nana」の姿勢は、コミックマーケットに影響されているんですね。Twitterはどのような点で影響を受けたのですか?

Twitterは「つぶやく」という仕組みが本当に秀逸で、これが免罪符となって自己完結で楽しめるようになってるんですよね。ブログほどのメディア感はなく、あくまでも「ひとり言」なので、人の思考をスムーズに引き出せる。

だからこそ、普段は言えない本音が言えるし、それがRTされたり、いいねされたり、フォローされたりすることで、本音ベースで共感してくれる人たちとつながっていく。それも意識してではなく、つぶやき続けている内に気がついたら友達の輪が生まれている。そしてそこが自分の居場所になる。この設計に、いちユーザーとしても面白さを感じていましたし、Twitterがあったからnanaを生み出すことができたと言っても過言ではありません。それぐらい、自分の人生に大きな影響を与えてくれたサービスです。

この「一人で楽しい、気がついたら気の合う人たちとつながっていてより楽しい」という体験設計は「nana」においても非常に大切にしています。

ー たしかにTwitterではひとり言を自由に発信していますよね(笑)マインクラフトは仮想空間で、ブロックを空中や地面に配置したり、壊したりしながら、自由に遊ぶ人気ゲームですよね。なぜこれを挙げたのでしょうか?

マインクラフトは創作のOS(オペレーティング・システム)ような存在になってるんですよね。ゴールがないゲーム自体は昨今オープンワールド等を中心としてたくさんありますが、マインクラフトでは基本的な遊びに加えて、たとえばマインクラフトの中に8bitコンピューターをつくる等、創造力でハックできる余地がものすごく有るんです。これが本当にすごい。この余地がユーザーたちの創造力を刺激し、また共に刺激し合い、日々新しい遊びが生み出される原動力になってるんです。

この「OSのようなもの」というのは実は常に意識していたりします。制約しすぎると遊び方はわかりやすいけど、創造力の余地がなくなる。一方で自由度が高すぎると、遊び方を理解するのが難しくなる。このバランスをどう保つか。たとえば「nana」は「90秒、音声のみ」でコンテンツ投稿の手軽さとわかりやすさを確保しつつ、「重ね録り」という”引用”的な機能で表現の自由度を残す、という仕組みにしています。誰かが投稿したら、他のユーザーが自由に音や歌を重ね、思いもよらぬ新しい表現が生まれる。そんな遊びを生み出したいんです。

ー マインクラフトはジブリの世界を作り上げたり、デンマーク政府が国土を完全再現したり、とても興味深い表現が生まれていますよね!最後に挙げていたニコニコ動画はどうですか?

ニコニコ動画もTwitterと同じく、私の人生を変えたサービスです。20代の私にとってのもっとも大切な居場所でした。ちなみにニコニコ動画(仮)の時からずっとユーザーです(笑)いまはだいぶマシにはなりましたが、昔は自分の意見をまったく言えないタイプだったんですよね。友達も別に多くないし、テンション高く一緒に盛り上がるとかもできない性格だったんで、基本的には人とコミュニケーションしたくない。なので家に引きこもりがちだったんですが、その時はずっとニコニコ動画見てました。ニコニコ動画の世界にいると、ネットを通じて誰かと繋がっている感覚を得られた。うまく言語化できないんですが、すごい楽しかったんですよ。当時はずいぶんと救われました。

いろんな動画があって、コメントや弾幕で一体感を感じられて。オフ会等も頻繁に開催されてましたね、私は参加したことないですけど。なんていうか・・・「ああ、おれはひとりじゃないんだ」って思えました(笑)ニコニコ動画は自分の存在を肯定してくれている空間でした。「nana」もそういった精神的な居場所や安心感を与えられるサービスでありたいですね。

ー 安心できる居場所づくりはユーザーが増えてくると、どんどん維持が難しくなるようにも思います。「安心」を確保するために「nana」にはどんな施策が必要でしょうか?

難しいですよね。母数が増えてくるとやはり派閥もできてしまう。当然なんですけどね、もはや「小さな社会」だから。派閥同士の批判や、荒らしも生まれてしまう。場を提供する側としては、ブロックや鍵アカウント機能を実装し、安全で閉じたコミュニティをつくりたくなる。これも間違いではありませんが、個人的にそれでいいのかな?という思いは正直あります。

可能なかぎり、多様性を大切にしたい。考え方が全く違う人間もいるのが当たり前。自分と相手は違う。相容れないんだったら離れればいい。そうやって適切に尊重、区別しつつも共生している状態を追い求めていきたいんです。

簡単にできることではないと思いますが、どうにか機能に落とし込んで、「nana」のなかで多様性を育てていけるといいなと考えています。

ー 多様な人たちが安心して表現できる場を実現したいですね...!頑張りましょう!

一人のイマジネーションから生まれた表現が新しい表現へと連鎖する。創造力を発揮できる場があることで、プロもアマチュアもジャンルも関係なく、“表現する自分と豊かな関係を結んでいける。

nana musicはそんな表現を愛する人のために、共創が生まれていく社会のために、これからもサービスを磨き上げていきます。

nana musicは「Everyone is a Co-Creator」を信じ、誰しもが“おと”を通じて繋がり、共に表現する喜びを得るためのツール、仕組み、遊びの場をつくっていきます

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