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勝手に1日1推し 133日目 「天狗の台所」

「天狗の台所」(1)田中相     漫画

日本の原風景って感じ、癒されるなあ。丁寧な暮らし。憧れます。
目まぐるしく過ぎ去る日々、ふと立ち止まって振り返る暮らしの大切さ。
食べて寝る、仕事する。食べて寝る、休む。食べて寝る、遊ぶ。食べて寝る、・・・。

はぁ、今日も1日を全うしました。ありがとう。幸せを願って、作って、食べて、眠る。そんな毎日でありたいなあ。

NY育ちの少年・オンが、料理上手な兄(実は天狗!)とおくる、不思議でおいしいスローライフ。

自分が天狗の末裔であることを知らされたNY育ちの少年・オンは、しきたりにより、14歳の1年間、日本で兄・飯綱基と隠遁生活を送ることに。天狗といっても特別な力はなく、畑仕事や料理を楽しむだけの生活に肩透かしなオンだったが、兄に羽が生えていることを知って大興奮!オレにも天狗パワーが目覚めちゃうかも!?

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ほんの数ミリ離れたところに存在するかもしれない世界感がたまらない、本作。天狗の末裔かぁ・・・いいなあって思います。
小学生の頃、自分の誕生日と同じ歴史上の偉人や有名人をこっそり調べてました!で、なんと、徳川家康と同じだと分かった時、興奮したなあ。ってことを思い出しました!世界と繋がっている気がして、何だか親近感が湧いちゃうんだな。
天狗の末裔かぁ・・・いいなあ。ハネ、カッコヨスギル!!

NY育ちのデジタルネイティブ、パリピなオンくんと、東京なのに森深い場所で自給自足の生活をしている機械音痴で変わり者なお兄ちゃん基(もとい)。同時代を生きているとは思えない環境で暮らしてきた2人が始める自然の摂理に従う暮らし。どうなることやら・・・?って、もはや、浪漫の香りしかしないっしょ?ハイ、むろん、浪漫しかありませんでした!
まるで今昔が一体化しているみたいなところが最高に面白い!温度差がありまくりなのに2人の間の兄弟ならではの柔らかい空気感が心地いいの~。優しいわあ。ほっこり。

それにしても、会ったことのないオンくん(弟)をそわそわ待ってるパーフェクトヒューマン(天狗)基くん。器用で物知り、料理上手で食いしん坊な基くん。頼りがいがあって、チャーミングだなあ。
彼の作るSweets×Teaは、完全なる勝利!!キャラメルクルミには凍頂烏龍茶、ゆずのケーキにはニルギリ・・・うっとり。
かまどで炊いたぴかぴかのごはんで作った塩むすびに、お茶漬け・・・美味い決定!
はあ、オンくんが美味しそうに食べるんだな、また。きゅるるんしてて、可愛い!羨ましい~!食べたくなっちゃう。
レシピ、あざます!!

そしてそして、目を奪われるのが、そんな2人をとりまく自然の恵み、実り。画面いっぱいに広がっていてたまらないんだな、また。
それらを丁寧にいただく人間(天狗)たちも尊い~。
とまぁ、この人間と自然の健気さよ。それはもう、愛。愛です。地球規模の愛を感じます!
愛溢れる扉絵が最高過ぎる!!

でね、帯を書かれておられるのが、大好きな先生ばっかりなのよ!!!そんなとこひっくるめて、読まないわけにはいかないよーってなりました。
土井善晴先生、三浦しをん先生、雲田はるこ先生、白浜鴎先生!!!ハァハァハァ、瞑想でもしないと正気を保てない面子のお言葉が心に響きます。

時代がいくらデジタル化して、何もかもが手軽に簡単に進むようになっても、否、だからこそなのかもしれませんが、本作みたいな作品に強く惹かれてしまいます。そして、より強く感じてしまいます。便利さに流されず、楽しみたい。自分で考えたいし、選択したい。自分の機嫌は自分でとりたい。そのために守りたいのは、やっぱり自らの暮らしなんだよなあって。
1954年創刊の雑誌「暮しの手帖」が今なお現役、大切に受け継がれているのをみても、時代や世代を問わず、人々が暮らしをいかに大切と考えているかが伺えます。

ぼくらの暮らしを守ってくれるものは、だれもいないのです。ぼくらの暮らしはけっきょくぼくらがまもるより外にないのです。

花森安治選集

ですよ!丁寧に暮らしていこう。心豊かな生活を営もう。衣食住、道具も食べ物も、私を形作るもの全てに感謝して日々を送ろうって思います。

はあぁぁ、私もむぎ(犬)と話したい!むぎ、白い!大きい!可愛い!
家康と生まれた日が同じなんだぞ、天狗の末裔と言っても過言ではない(過言です)!!先祖返りして羽だって生えて然るべき(な訳ない)!!

次巻も期待!

ということで、推します。

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