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ケータイの電話番号が10桁だった時代

ケータイの電話番号といえば、090や080で始まる番号…ではなかった時代がありました。

具体例をあげさせて頂くと、私の父が最初に購入したケータイの電話番号は010から始まる番号でした。

また、今では11桁となっているケータイやPHSの番号ですが、1998年までは(正確には、1999年元旦の1時59分までは)10桁だったのです。


1999年といえば、ノストラダムスが『空から恐怖の大王が降ってくる』と予言した年でしたが、生憎大王が降ってくることはなく、元日の2時を境に、ケータイやPHSの番号がそれまでの10桁から、現在の11桁に一律変更されました。

それまでは『010』、『020』、『030』、『040』、『080』、『090』で始まる番号がケータイ、『050』、『060』で始まる番号が、PHSで使われていたのですが、この頃になるとケータイやPHSを使う方が急増したことで、番号が足りなくなってしまうことが判明したため、番号を10桁から、11桁に増やすことになったのです。

その結果、新たに『070』で始まる11ケタの番号がPHSに、『090』で始まる11ケタの番号が携帯電話に統一されました。

どの数字が1つ増えたのかといいますと、『070』または『090』に続く、最初の数字でした。

それまで『050』、『060』の番号で始まっていたPHSの場合、『050』の方は『070』に続いて『5』、『060』の方は『070』に続いて『6』という数字が加わりました。

同じように携帯電話の場合、『090』に続いて、『010』の方は『1』、『020』の方は『2』、『030』の方は『3』、『040』の方は『4』、『080』の方は『8』、『090』の方は『9』という数字が加わりました。

例えば、それまで『010-123-4567』だった人の場合、『090-1123-4567』に番号が変更になったというわけです。

先日ポケベルに関する記事を投稿させて頂きましたが、この頃になると若者の通信手段はポケベルからメールへ、ベル友からメル友へと変わっていきました。


そういえば、ベル友について書いていませんでしたので、ここで追記させて頂きます。

ポケベルを語る上で欠かせないのが「ベル友」の存在でした(欠かせないのにスルーしててごめんなさい)。

ベル友とは、ポケベルのみで交流する友人ということ。

当時は、ポケベル専門誌や駅の掲示板などに「メル友になりませんか?」というメッセージとともにベル番号が書かれてたりしました。


そこで気の合う仲間を探して、ときにはベル友から恋人に、なんてケースもあったものです。

なかには、適当な番号にメッセージを送ってベル友を作るという上級者もいました。

一度も会ったことのない北海道と沖縄の若者同士が、ポケベルで繋がるというようなケースも少なくなかったと思います。

文字のやりとりだけで繋がるベル友は、互いの顔を頭の中で想像するという、なんともファンタスティックな関係でしたが、ベル友が増えるにしたがって返信しなくてはいけない件数も増え、それが段々と億劫になり、結局は自然消滅するケースも少なくありませんでした。


また、ポケベルにメッセージを送るには、公衆電話や自宅の電話から毎回メッセージを打ち込む必要があったため、かなりの手間が掛かっていましたが、ケータイやPHSが普及しだすとショートメッセージで簡単にメッセージのやり取りが出来るようになったことから、ポケベルからケータイやPHSへの世代交代が急激に進んでいったというわけです。

そんなこんなで、若者を中心に利用者が爆発的に増えたことで、ケータイとPHSの番号は10桁から11桁に移行することになったのでした。

余談ですが、当時のケータイとPHSの主な違いは、通信料と電波でした。

ケータイはPHSに比べて広範囲で電波が入るものの、通信費が馬鹿高かったため、それこそケータイでメル友とちょくちょくメッセージをやり取りしていたのでは、確実に親から説教を食らうレベルの料金が発生してしまっていました。

一方のPHSは、基地局が携帯の基地局と比べると設置費用が安価だったこともあり、通信費も安く抑えられていましたが、狭いエリアにたくさん作る必要があったため、地方や山間部では繋がりにくい欠点がありました。

それでも都市部に居住する人にとっては、十分な恩恵を得られるツールだったため、多くの若者は電波の入りが悪く多少の不便さはあるものの通信費が安いPHSへと流れていったのでした。

なかには、ケータイは「着信専用」として持ち歩き、いざ「発信」を行うときは、PHSの電波が繋がるような場所であればPHSを「発信専用」に使うという「携帯端末2台持ち」という若者もこの当時は一定数いました。

そんな「2台持ち」ユーザーの強い味方になってくれた画期的な製品があります。

なんと1台で、携帯電話端末(ムーバ:かつてNTTドコモが、LTEの前のFOMAのサービスの、更に前に提供していた通信サービス)としても、PHS端末としても、どちらにも使える機種、その名も『ドッチーモ』です。


本当はここでもう少し詳しく解説したいところなのですが、思いの外長くなってしまいましたので、『ドッチーモってなんじゃそりゃ?!』という方は、是非一度『ドッチーモ』でググってみてください。

先日からポケベルやケータイ等の通信機器について色々書かせて頂きましたが、改めて当時を振り返っていると、数年のうちに急激に通信技術が発展していったことを再認識させられました。

その時代の渦中にいた立場としては、まるで歴史の転換点に立ち会ったかのような気分で記事を書かせて頂きました。

当時を知る世代の方々で、何か印象的な思い出などありましたら、コメント欄で教えて頂けると有り難いです。

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