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【大誤算】某ライティング講座を駆け抜けて、文章以外の学びばかり得た話

自主夏期講習として、オンラインでのライティング講座を受けていました。

これがまあハードな代物で、本講座では1日合計3時間の講義+課題記事提出を4日間連続、講座終了後も5日間連続の課題提出。振り返って見ると、たまたまコロナ濃厚接触者で自宅待機期間中だからできたことでした。

さて、その講座が一通り終わったので、自分なりにまとめておこうと思います。なお、一部結果的にクレームになってるので、どこの講座かはぼかしておりますがご容赦ください。

1.目標と成果
2.講座内容について
3.講座への感想
4.まとめ

1.目標と成果

<今回の目的>
書く習慣をつけること。
それまでは書きたいなーと思うことがあっても、ネタ帳にストックしてそのまま腐らせることが多かったので…

<自分のレベル>
職業ライターとまではいかないけれど、自分の分野で定期的に記事を執筆している。割合悪くない執筆報酬をいただいているので満足。
バラエティ系、撮影技術系、レポート系、レクチャー系など様々。
今思えばこれがよろしくなかった。

<得たもの>
アウトプットの習慣。定期的に書いて出すことにより、自分の内面の機微への観察眼が育ち、書くことを通じて思考を深めていけるようになった。

<満足度>
自分への動機付けという意味では満点
講座の内容は80点
講座全体では40点くらい

2.講座の内容について


全8講座のカリキュラムはさすがによく練られていて、納得感のあるものでした。記事でも小説でも使える基礎的な考え方が多く、初心者はまるっと体に覚え込ませれば講座運営会社傘下で働けるライターになりやすいし、経験者は自分に合うものをヒントとして取り込んで制作の新たな糧とすれば、40000円分の価値は十分にあると思う。わたし自身は十分に元が取れたと感じています。

ただ、対象者についてざっくりと初心者からプロ向けです!とうたっていたせいもあってガチの初心者はついていけず途中で落ち込み、自分が場違いだという苦悶を綴ったエッセイを提出していた一方で、経験者は講座の色を探るムーブを見せていました。この講座で評価されるためのコツを見つけた、という趣旨のコメントが参加者からあったのが印象深かったです。

提出課題は運営がフィードバックを行い、一定クオリティに達したものが自社メディアに掲載される仕組み。自分の書いた記事がメディアに掲載されることが執筆や課題提出への大きな動機付けとなっていました。

フィードバック担当者は数名いて、好みによる評価のブレが出ないように採点基準は明らかにされています。同期受講者の課題やそれに対するフィードバックも読めるので、ここでも学ぶ機会があるのは大きいメリット。実際、過去には採用率9割の人もちょいちょいいたようです。

運営の自社メディアへ採用されるのが目的の人は、講義内容とそれに基づいた運営の採点ポイントを頭に入れ、運営を仮想クライアントに設定し、読者層をイメージすればさほど難しいものではなく、実際過去には採用率9割の人もちょいちょいいたようです。

ところで、この講座の設計は実によくできていて、自社メディアはネットと紙媒体の両方があり、専業ライター志望者のステップアップを巧みに設定していました。実力をつけるに伴って、活動ステージが上がるにつれてギャラも貰えるとあっては、大きなモチベーションになるので、本気でライターを志す人には親切だと感じました。

ただこのメディア、普段の自分の執筆記事の5〜10分の1のギャラだったのと、そもそもキャラ的に自分は明らかに異分子なのを早々に自覚したので、講座では掲載採用を意識せず、書き続けることを意識して書くことにしました。

文章の骨子となるメソッドはありがたくいただいて、色はつけない、そんな感じ。

3.講座への感想

これは完全にわたしの印象と好き嫌いの問題なので、ハマる人には全く問題ない論点です。さて、先ほど講座全体での満足度40点としましたが、理由は大きく2つあります。

満足度を下げた1つめの理由、それは<音質が悪い>。

講義第一回目、空調の音を拾っていて常にゴーーーーという雑音が講師の声にかぶっていて聞き苦しく、配信テストは?と頭をよぎりました。

オンライン講義が初めてなわけでもなく、始まって結構経つのに、案外見る人のこと考えてないんだな、と。コメント欄でその旨連絡したらすぐに対応してくれたものの、別の単発講座(こちらも有料)では相変わらず空調の音が入っていたので、多少の雑音は仕方ないと割り切っていたのだろうと思います。

これが個人配信だったら全然気にならないけれど、7700人以上の受講者を誇りこれからも業界をリードする気概があるのなら、オンライン講座をただの配信と捉えることなく、視聴者の目線で練り上げて欲しかったな、と残念でした。

動画配信経験が乏しくても、動画視聴経験はあったはず。自分がつい見てしまう動画、スキップする動画とは何かと視聴者の目線で掘り下げることで、配信側に立った時何をすべきか見えてくるのだと思います。

YouTubeで音質が悪い動画はなんとなく敬遠されますが、我慢して聞き続けられるのはよほどのファンか、課金コンテンツだからの2つです。
記事の書き方では「リーダビリティ」「書くことはサービス」と丹念に教えているが、動画配信においてはその理念が伺えなかったのが一周回って興味深いところでした。

個人的には、商業目的で、運営スタッフがいるのならば、導入しない理由はないと思います。ちょっと調べれば数万円の機材投資で十二分な音質を得られるし。音質悪くてもお金払ってたら聴くけどさ。

画家、山口晃氏のインタビュー「技術とは、なぜ、磨かれなければならないか」で、このように語られていました。

つまり「つくり手の意図するところ」へ「見る人をすうーっと直に導いてくれるもの」が「技術」なのではないか、と。

見る人に「見せたいものを見せる力」が技術だという趣旨で、伝えたいものを伝えるためにノイズを減らす。それが技術なんですよね。

講座でも同じことが言えて、発信の仕方やカリキュラムを組むのはもちろんのこと、受講者にとって邪魔になるものを減らす取組は必要だったんじゃなかろうかと思いました。実は音質以外に気になる部分も結構あったり。

2つ目は、<講師が合わない>

これはもう完全に相性の問題なので、仕方ないです。なので駆け足でざっくり説明します。

私の書くモチベーションは、「情報発信型」で、外向きのものです。自分の感情を人にわかってほしいとか、書くことで昇華するっていうのはあまりなくて、基本的に自分の経験を通して得た情報を知らせるのが目的かな。たまに暴走するけど。

で、講師の女性は恐らくなんですが「お気持ちシェア型」で、自分の気持ちを書くことが得意な人なんですね。そう思ったきっかけは、講座中の「男性向け飲食店で働いていた頃の嫌なお客さんのことをたくさん書いていた」という発言。

あ、全然自分と違うベクトルの人だ。と確信。

そういう観点で講座全体を見渡してみると、確かに<日常的な出来事から自分が得た気づき>や<成長物語>など、感情に紐づけたエッセイを書く人が多かったのです。自分と真逆です。講義内容こそチェックしていましたが、そのコミュニティの傾向を把握しようとしていなかった私のミスでした。

何のために書くかは人それぞれで、興味がわかなかったら読まなければいいだけなので特に言及するつもりはないのですが、そもそものベクトルが違う方向を向いていたので講座への興味に奥行きが出ず、モチベーションの維持に神経を使うことが多くなりました。

結果、まあ満足度が下がっちゃうわけです。合う人にはめっちゃ合うと思うので、私にはしっくりこなかったってだけなんですけど。

4.まとめ

色々書きましたが、こんなに書くことになったのも有料講座だったからなんですよね。無料だったらそもそも早々に離脱したでしょうし…
きっちりやり切るぞ!という気持ちで、連続9日間の課題提出は全て出しました。これは結構自分の中では大きな収穫。

わたしは普段サービスの提供をすることが多いので、受け手となった時にどんな目線になるかを体験できて、貴重な経験でした。

果たしてわたしは、期待を抱いてスタジオに来てくれているお客様に対して、きちんとサービスを提供できているだろうか?と自問するばかりです。

細かいところにこだわっても気づく人やそれに価値を見出してくれる人は少ないかもしれないけれど、ひっかかりを覚える部分を排除していくことで、何より自分が自信をもってサービスを提供できるようになるので、クオリティを上げる努力を怠らないようにしようと改めて決意したのでした。

ありゃ、どうやっても「いっぱい書いていこうと思った!」とか、「文章書くのがもっと好きになった!」って感想にならないですね… ともあれ、これからもnoteでぺちぺち書いていきます。わっしょい!

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