時空創造

「意識時空間」という概念装置-悟りの状態を簡単に体験する方法

前回悟りとは能力である、ということをお伝えしました。

悟りのための能力開発を行うにあたって、悟りというものをバーチャルに体験することが重要です。

(元々、バーチャルとは、「実質的にほとんどそれそのものである」という意味です。嘘のもの、本当ではないもの、というニュアンスの「仮想」は誤訳です。)

VRの研究が進むことで、「本当にそれをしたのと実質的に同じ体験をする」と実際の能力が上がることがわかってきています。

このことから、「実質的に『悟ったのと同じ能力』を得た」という体験をさせることで、悟りに近づけるのではないか、という仮説が導かれます。

その体験は、脳科学の世界でよく言われることですが、脳は、自分に都合よく解釈して外界を認識するものであるため、自分の記憶が作り上げた世界の体験と言えます。

そして、その世界(自分の脳が都合よく解釈して生まれた世界)から、私たちは抜け出すことはできません

その脳が脳内で形成している、時空(ここではそれを、意識時空間ということにします。別の言葉で言えば、内的宇宙等)での体験が全てです。

このように考えると、その意識時空間で何を体験するのかということが大切であり、全てであることが見えてきます。

今のデジタルデバイスは、VRとを始めとして、その事に気が付かせてくれるものばかりです。

このことは、実は、人類の多くが、これまで気が付かなかった、この意識のからくりに気が付き、悟りへと近づく要因になっているのです。

また、今、悟りを開く経験をする人が増えています。アメリカのように瞑想を日常的に取り入れる人が増え、日本でもヨガ教室や増えている中、意識の拡大を体験する人が増えるのは当然のことかもしれません。

しかし、そうした悟りがその人の人生を大きく変えるすばらしい可能性を持つ反面、突然の自我の崩壊に対処することができず、精神病院に入院してしまう、というケースも少なくありません。

延々とマインドワンダリングし、泳ぎ続けることになるケースも多いものです。

それらに対応するために、どのようなテクノロジーが必要なのか、その前提としての「悟りとはなにか?」について、今日は深めます。

1.悟りの状態の整理

悟りと言うと、一般的には「神と一体となった」「すべてが見えるようになった」「悩みから解放された」などということが可能になる、というイメージがあるかもしれませんが、実は悟りというものは非常にロジカルなものです。そして、悟りによってロジカルに脳の機能が変わります。なので、不可逆的に意識が変わります

また、悟ることで、動じなくなると言われますが、それは、そのことで、時間と空間の使い方のフェーズが変わり、超効率的に、物事を実現できる状態になるので、何が起きても、「問題ない」、つまり、その問題は、自ずと解消される(問題ではなくなる)のです。

(一方で、体と魂(心)の状態を、良い状態にしておかないと、その悟りの意識状態を、この現実次元で最適な状態で保てないということがあります。)

〈悟りの状態の整理〉
・開いた穴は閉じない(不可逆的に意識が変わる)
・思考が明晰になる
・今ここに意識が集まる
・心身をクリアな状態に保つことが土台

2.意識時空間という「概念装置」

ここで、「悟り」というものを理解するために導入したい概念装置があります。

私たちは、普段、いわゆる「外界」と呼ばれている世界に接続して生活していますが、一方で「内面」があることを知っています。心の動きです。

悟りとは、この心の方の世界の話なわけですが、その心の世界にも、外界とよくにた「時空間」があるわけです。

この心の中の時空間を掌握した状態が「悟り」の状態です。

その心の中の時空間を仮に「意識時空間」と呼びましょう。この「意識時空間という概念装置」を掘っていきます。

3.物理時空間と意識時空間の差異を掴む。「今、ここ」にすべてがあるとは、どういうことか

人間の脳というのは情報処理機構、つまり、一種のコンピュータというのはよく言われます。

インプットがあって、情報処理をして、データベースがあります。さらにデータベースの情報を処理して、アウトプットします。人間が自身の脳機能の代替としてつくったコンピューターは、基本的に脳と同じ構造です。

心はどうでしょうか?実際に脳と心は連携していますので、心もまたコンピュータのように作動しているという様々なモデルが、人工知能研究の世界でも採用されています。

この「心」が把握している時空感覚と、外部現象の時空(物理的時空間)の性質の違いをつかめれば、悟りへと近づくのです。

その心の中の時空感覚は何かというと、それは「今」の状態を把握する能力です。

よく、悟りの意識状態として、「今、ここ」「now,here」というふうに言いますが、これは意識時空間の構造を言っています。次に、具体的に体感してみましょう。

4.悟りの時空感覚を体感する

まず、実際に、今にすべての時間がある、ということを体感してみましょう。

目を閉じてみてください。過去から未来に、自由に思い描いてみてください。昨日の晩御飯から、生まれ育った家の自分の部屋。10年後の自分。

さて、その想像した空間は、時間軸のどこにありますか?

想像したのが過去のものだから、過去にある。そう思うのが自然です。

けれども、残念ながらその空間は過去にはありません。「今」、あなたが記憶をもとに創造した空間です。

過去にあるから過去の空間じゃないか!?と思うかもしれません。

脳科学の世界では、記憶は捏造であることがわかっています。記憶はすり替わるのです。

本当の過去は、この宇宙空間に、微細な振動(ゼロ点エネルギー)として記憶されているだけで、それに完全にアクセスしない限り、見ることはできません。

なので、その過去だと思っているものは、「今」想像された空間に存在します。

未来のことを考えるときも、同じように、今、想像している空間です。予測の世界です。その予測と実際の未来は異なるわけです。

けれども、科学の進化とテクノロジーの進化によって、まさに、骨の髄まで刻まれた「物理時空間」の感覚が、過去や未来が存在していると、信じさせてしまっているので、「すべては、今、意識時空間に創造されている」という感覚にはなりにくいだけなのです。

過去や未来に自由に行き来している自分は、どこにいるかというと、今にいるのです。

この視点に立つことで、「時空」は、あなたが掌握できる手の中に、入り込んできます。

参考までに、私の行っている研究会で使っている図ですが、この図にあるように、私は、私たちの認識が存在する「意識時空間」は、過去や未来という「実」の世界が生んだ、「虚」の世界に存在すると考えています。

実質的に、実と同じだけども違う虚の世界といった感じです。なので、VRが役に立つのです。

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では、次に空間です。

再び目を閉じてください。

目を閉じる前、何が目の前にあったのか、後ろには何があったのか。半径3mになると何があるのか、5m、10m、100mと半径を広げて、周囲の空間認識を広げていってみてください。

さらに、過去に訪れたことのある遠いところのことを思い出してみてください。その空間をありありと思い浮かべていってださい。日差しの感じ、音、風、香り…その空間は、どこにあるのでしょうか?

やはり、「ここ」にあります。

その「ここ」とは、あなたの中の意識時空間のことをいいます。

どうでしょうか、実は、とてつもなく広く、不確実性が高く、あいまいで、決してわかりえないように思っていた、この世界のすべてが、ご自身の手の中に畳み込まれてくる感覚を共有できたらと思います。

この感覚が、いくつかある最初の悟りの体験のうちの一つの感覚です。

補足として、外界(物理的時空間)には、今ここで、身体が接していますので、やはり、今ここにしか、外界(物理的時空間)は存在しません。

5.意識時空間は誰でも持っている

たとえば、この空間の中で誰かをイメージしてヒーリングを行なうことで実際にヒーリングが起きたり、この空間の中で誰とコミュニケーションすることでテレパシーが起きたりします。

今、「目を閉じて」と言いましたが、実際に瞑想状態にならないとこれができないのか、というとそんなことはなく、目を開けていてもできます。

また、実は、70億人すべての人類がこのことを、目を開けた状態で日常的に行なっています。

なぜなら、これを行えないと、人間としての意識が保てないからです。

もしもこの意識時空間がなければ、寝て起きたら違う人間になっているかもしれません。

なぜ、寝て起きて、例えば、違う場所に運ばれていても(物理的時空間が違っても)も同じ人間なのか、それはこの意識の時空間が保たれているからです。

6.悟りとは意識時空間の次元を上げていくこと

物理的時空間と意識時空間が別れ、意識時空間を主体にして、物事を判断できる状態になるのが、悟りの前提であり、悟りのひとつの状態だと、私は考えています。

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そして、この意識時空間の把握能力を拡張していくことが悟りの階層を上げていくことです。図の中の次元を上げていくことです。

また、この意識時空間は、心の構造がそうであるように、コンピュータなどの装置とよく似ています。

7.意識時空間のデータベース構造と情報処理装置

この意識時空間の構造をみていきましょう。まず、データベース。

意識時空間も、データベース構造を持っています。そして過去や未来の情報をデータベースとして持ち、空間の情報、認知・認識のためのさまざまな情報を持っています。

自分の好きなものを食べるときの美味しさを想起させるための情報であったり、浜辺で砂浜で砂を触るときの感覚を、情報として私たちは意識時空間の中で持っています。

その感覚を延長させて、たとえば月に行って月の表面で岩を触ったときの感覚になるように情報処理をして、変換させ、それを捉えるような機能も持っています。これはひとつの能力です。

過去のデータベースがあって、その情報を元に、ピラミッドの絵の前に立ち、そこに意識を合わせて記憶を処理し、古代エジプト文明の時代まで意識の時空間をワープさせるといったようなことは情報処理によって行います。情報処理装置です。

こういったことは、意識時空間内にワープする情報処理装置であり、能力であると捉えてもいいでしょう。

それを拡張させて、たとえば月の砂浜で、身体感覚として持っている岩を触ったりする感覚を延長させて月で岩を触っているイメージをつくったりできます。意識時空間に、そういった情報処理機能を追加していくことができます。

そのときに、常に私たちは外界から情報を得ています。五感だけでなく、第六感と言われるものも通して意識時空間のデータベースに情報が常に大量に注ぎ込まれています(受信機能)。

8.意識時空間における悟りの階層とモジュール拡張

毎朝昇る朝日を見ることで朝日の情報が入ります。占星術で言うように、毎日毎日、星の位置、太陽の位置は変わっており、同じではありません。そういった微細な違いに敏感に気づくということは、人間のセンサーがそれだけ敏感だから可能です。

今、人感センサーの技術、いわゆるセンシングの技術がどんどん今、進化していますが、そうした能力を進化させることができるのは人間も同じです。

センシングの研究をしている研究者は、いろいろな意味で感覚に敏感になっているはずです。なぜならば、より高度なセンサーを思考するときに、自身の意識時空間内のセンサーモジュールが発達しないと実際に、良い製品はつくれないからです。

ですので、現実世界において何かを成し遂げた人は、意識時空間においても同じようにその能力を獲得しているわけです。

「主体がどこある」という確信を持っているのか。一歩超えて意識時空間に確信を置いたら、まずひとつ悟った段階であると言えます。

そこからさらに、どのレベルの深さを持つのか、ということが階層的にあります。

その深さが深まるほど、使えるモジュールの数が増えていくのです。

9.意識時空間の接続=クラウド化

悟りの第一段階の次に、クラウドが出てきます。意識時空間が人とつながっていて、テレパシーして人とつながっていて、コミュニケーションしている、と言う段階です。たとえばメールをパチっと送るように意識時空間内でだれかにメールを送るということができるということを確信するようになってきます。

また、意識がデータベース構造を持っているということは、シンクロニシティの説明として用いることができます。シンクロが起きたときに、まるで打ち合わせしたかのごとく物事が展開する。

そういったことを日常的に体験する人は増えていて、私のいる会社は、そういった体験をしている人がほとんどですが、シンクロニシティを起こす種(シンクロニシティシード)というのはクラウドで言えば、クラウド上にひとつの情報があって、それに同時にアクセスしたから同時にシンクロニシティが起きる、というふうに捉えることができるわけです。

10.身の回りのデバイスたちが、悟りのために存在している?

段々と、悟りのテクノロジーは可能、

むしろ、身の回りのデバイスたちが、悟りのために存在しているんじゃないか?

ブロックチェーンの概念って、この悟りのテクノロジー視点から見ると、やばくない?

などと、気がついていただけたらとても嬉しいです。

また、次回。

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