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【改訂版】5「いつも味方をしてくれた、キミは家族の一員」


元気でやっていますか? 沢山走っていますか? 笑ってますか?
美味しい物、食べてますか? 甘いものが好きだったね。最後にケーキを食べさせてあげられなかったことが、心残りです。
今だに、キミの居た場所を眺めている時があります。今はただの壁だけどね。
思い返すと身体が弱かったキミは、よく、くしゃみをしていたね。
甘えるのが上手で。でも雷が苦手で。そんな時は夜一緒に寝てたね。私も雷は苦手だから、一緒に居て一緒に怖がっていたね。思い出すと微笑ましい。
雷や台風の次の日は大変だったよ。嵐の後の静けさとはこの事だって感じた。
凄い速さで飛び出して散歩に行ったね。確か、飼う時に、
「お散歩しなくても大丈夫です」と、店員さんに言われたはずだったんだけど、リードを見ただけで散歩だと思って飛び跳ねていたね。
一緒に沢山走ったね! 最初はブルブル震えて歩けなくて、抱っこしながら歩いてたのに。暫くしたら、家族1人1人で散歩するコースが違うことを知ったよ。
いつもなら左に行くところを右に引っ張るから、キミを信じてついて行ったら、全然知らない場所で。それでも必ず知っている道に通じていて。
いつも必ず家に帰って来ていたね。飼い主よりも道に詳しかったよ。
弱いと思っていたけど、キミは頼りになる存在でした。
怖いモノから母さんを守ろうと、大きく吠えてくれてありがとう。立派な番犬でした。
よく、父さんのお腹の上で寝てたね。2人して寝てる場面は、いつも心地良さそうで微笑ましかった。そして少し羨ましかった。私と一緒に寝てたと思ったら、父さんが来れば、私のお腹を踏み台にして降りて、父さんのお腹の上に乗り変えて。私のお腹はトランポリンか! おかげで腸活になってたわ! 
なんてね。

私はキミに何かできていたのかな? 本当に役に立っていなかった気がして。
ごめんね…。一緒に一晩寝て、朝を迎えた事が多かったくらいかな。
それに、私は泣き虫で。泣いた時にキミを抱っこしたら、流れていた涙を拭くように顔中ペロッとしくれて。
どんな時でも寄り添ってくれて、いつでも味方になってくれた。
とにかく大きい音が怖くて、凄く震えてるキミに、
「ビビりだな!」なんて言って。母さんに抱っこしてもらっていたね。
もしかして、キミは抱っこされるのを待ってたのかな? 
上手く手のひらで転がされた時もあった気もしています。でも許すよ。
抱っこしてほしい時の甘えた声、それがまた可愛くてしょうがなくて。
思い出すと、まだ泣いちゃう。
平均的な寿命より、少し早く逝ってしまった。
ちょっと早過ぎたんじゃないかな…? 立派に家族の一員で。
きっと家族一人一人の心に寄り添ってくれた時間は、誰よりも長かった。
必ず見ていてくれてたもんね。
尻尾をブンブン振ったり、散歩中に落ちている花びらや石を食べちゃって。
本当に心配したんだよ? だから怒ったりもした。
でも、二度としなかった。偉かったね。もっと褒めてあげれば良かったって、
凄く後悔してます。

あのね? 覚えていてほしい事があるんだ。
ずっっっと忘れないから。
ずっと皆んなの心の中で生きてるからね。
ウチに来てくれて、ウチの子になってくれて。本当にありがとう。
キミが居る空間はいつも笑顔と笑い声の明るい空間だった。
もし生まれ変わっても、命ある体が同じだったら、絶対にウチに来て。
どこにも行かないで。必ず、探しにお店を巡って見つけるから。
もしも、人間の男の子に生まれ変わったとしたら、絶対に私の元に来て。
その時は、夢中にさせてね。ワガママな事、一番分かってくれてるでしょう? と、言いたいけど、
正直強がってる…。まだまだ忘れていないから。
抱っこした時の感覚も、くしで揃えた時のサラサラな毛並みも。
いきなりお腹の上にいた時も。
クンクンと匂いを嗅いでる時も、全部。本当に全部、覚えているんだよ。

初めて会った時から空へと旅立つ直前まで、ずっと味方でいてくれたね。
心の癒しだったキミがいなくなって。寂しいな。
一回だけで良いから、姿を見せてくれないかな。
そんな事を何回思ったかな。
辛かった時は、キミに必ず温もりを求めた。甘えてばかりだったね。ごめんね。
私の頬を流れたモノが落ちてしまう前に必ず助けてくれたね。
キミは絶対にそうしてくれると信じていたから。
優しくて、とても良い子に育ってくれた。

でもキミも、涙を零した時があった。その時、私は何もしてあげられなくて。
平均寿命より2〜3年早く旅立ってしまったキミに、何もお返しできなかった。
10年しか一緒にいられなかった。『10年も』とは、まだ思えなくて。
私の寿命は、あと何年あるか分からない。分からないけど、10年…あげる!
だから、もっと生きていてほしかった。こんなこと言ってごめんね。
どうしても、まだダメなんだ。
10年って言ったら、小学生〜高校生までということ。実際、キミが来てくれたのは20歳の時だったから。
私はもう、新しいことを学ぶ年齢ではないから。
1日が物凄く早くて。キミが来て一瞬でいなくなった感じが大きいんだ。
もっと何かしてあげれた事があるはずなのに。
キミは私の心に包帯を巻いてくれた存在だったのに。
まだ、キミと会話をしたかった。
もっとケーキ、あげたかったな。
苦しそうなキミを見ていて、本当に苦しかった。
心配で…私も隣のソファで寝始めて。
その2日後だったね。
呼び掛けに反応しなくて。
急だった。全身の力が抜けたキミを上手く抱っこできなくて。
何度も名前を呼んで、何度も、
「ねぇ、嫌だよ! ねえってば!」って。
本当に涙が止まらない日になった。
でも、看取らせてくれたこと、ありがとう。
もし知らない内に反応しないなんて事になっていたら、きっと、
後悔や情けなさを背負ってしまうから。

タイミングを見てくれたのかな?

「早く専門の先生に診てもらおうね」って、病院の予約もしていたから、
1日前は、今日の夜にキミが居なくなってしまうなんて、これっぽっちも思っていなかったから。
元気が出なくて…心にポッカリ穴が空いちゃった。
キミがくれた楽しい時間と思い出を肥料に、私はキミの分も歩いていくから。
これからもずっと、生きつづけるから。見ててね。
今までも、これからも。キミが記憶からいなくなる事はないから。
目を閉じればキミがいる。変わらず、愛してるよ。
ウチの子になってくれて、本当にありがとう。
名前をつけさせてくれて、ありがとう。
ちょこちょこ会いに行くから。
好きだったオヤツ、少し大きめのを持っていくね。
ごめん、最後に弱音をはくけど、許して。
「もう一度、会いたい」
いつも一緒に居てくれて、味方でいてくれて。
本当にありがとう。また、会おうね。
私は、
【二度と流したくない涙】が、いつでも簡単に流れた。