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✉️🕊️おばぁちゃんへ


もう15年経つね。
ごめんね、もっと会いに行かなくて。

あの時期、私はとにかく忙しくて。
素直な気持ちも誰かに吐いたりしていなくて。
心に蓋をして。
社会に出るというのは、こういう事だと思い込んでいたから。

当たり前に明日がある訳じゃないのにね。
休みがあってもヘトヘトになって家で寝ちゃっていて。
次の休みに会いに行く。
必ず行くからって…休みの度に思ってた。

休みの日、お母さんとの時間も取れていなかったから。
駅前に買い物に行ったら出先で電話が鳴って。
前触れもなくて、急な連絡で。

私、テンパることも出来なくて。
テンパっていたのはお母さんだった。

私はやたらと冷静で。
冷静じゃなかったのはお母さんで。

おばあちゃんに会った時はもう話せなかった。

私は泣けなかった。
夜まで泣いていたのはお母さんだった。

私は次の日も、その次の日も泣けなくて。
頭の中は仕事のことばかり考えていて。
きちんと悲しめなかった。

本当に、ごめんなさい。
仕事を辞めたら、急に悲しみと寂しさと、
罪悪感に襲われました。
今更だけど、涙がでます。

だから私、お母さんをこれでもか!ってくらい大切にしていくから。

もっと顔を見せれば良かったって、
やっと心が追いついたのは、
10年以上経ってからだった。

遅いよね…。

蓋をしちゃってた。
ごめんね。

『あまりにも突然』ってこういう事なんだ…。
そう身に染みて教えてくれたのは、
おばぁちゃんだった。

罪悪感からか、毎年命日にお墓参りに行っていたけど、何も無くても一人でも。

会いたくなったら会いに行くね。

おばぁちゃんにも読んでほしかったな。
間違いなく天国でおじいちゃんと合流してると思うから、二人で読んでね。

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