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【ライブレポ】BIGCATでチリビッケ


去る9月1日(金)、心斎橋ビッグステップ30周年を記念するスペシャルライブ『FRIDAY Cruisin’ Map!! 心斎橋BIGSTEP MIX UP BOX! SPECIAL LIVE』に、ご縁をいただき参加してきました。

「楽しかったなぁ」という余韻と、両二の腕・両ふくらはぎに未だ残る筋肉痛が、あの日確かに自分が「そこにいた」ことを証明してくれています。

このnoteは、その日の個人的な記録と感想です。
余韻も筋肉痛も、やがて薄れていってしまうもの。 だから忘れないうちに。
自分自身にとっての日記やアルバムのようなものだけれど、読んでくださる方にも少しでも当日の雰囲気が伝わったり、一緒に楽しんでいただけたらうれしいな。

いつもながらその場でメモとかしているわけでもないので、盛大な記憶違いもあるかもしれません。

ライブ当日までの思いなど個人的な記録も書いていくので、ライブ本編だけ知りたい!という方は目次から読みたいところへ飛んでいただけたらと思います✈️



【ライブ当日まで】


このライブは、心斎橋ビッグステップの30周年を記念したスペシャル企画で、なんと400組800名を無料で招待するという太っ腹なもの。

出演アーティストはChilli beans.ビッケブランカ
私は今年の5月にメトロックのライブ配信を観てChilli beans.を知ったばかりですが、そのライブパフォーマンスと曲に魅了されて、生のライブに行ってみたい!と思っていたので、またとないチャンスに応募を決めたのでした。

ビッケさんについては名前は知っているものの曲はほぼ未履修。だけどそれは問題なし。
過去にも対バンライブで初めて観たアーティストのライブがとても楽しかった!という経験がたくさんあるので。
「知らない」に出会うのはワクワクです!

ちなみに応募の締め切りが8/20で、当選メールの通知が8/23、そこからライブ当日(9/1)まで10日もないというスピード感……!

実は私、好きな気持ちが高まった状態で抽選に外れてしまったらショックも大きいだろうな…… と思って、応募してからしばらくチリビの曲を聴けずにいたんです。
でも、締め切りを過ぎたくらいからソワソワして仕方なくって、当落の結果を待たずにまだ聴いていなかったチリビの曲(アニメONE PIECEのエンディングにもなっている『Raise』)を聴いてしまったものだから、さぁ大変。

「好き」と「ライブに行きたい」の気持ちがあふれて止まらなくなってしまいました……
(結果的に当選したからよかったものの)
当選メールを見たときは本当にうれしくて、ホッとしました。

晴れてチケット(当選メール)を手にした私は、それまで封印していたチリビの曲を解禁。
ライブへ向けて気持ちを高めてく。
どの曲も良すぎる!

こんなに好きの気持ちが高まったタイミングでライブに行けるなんて、私にとって本当にしあわせなこと……。ありがたくってしょうがない。

ビッケさんはどうしよう?
予習してから行くか、ぶっつけ本番で楽しむか…… という贅沢な悩みも。
(結果的に何曲か予習して臨みました)
こちらも楽しそうでぐんぐん期待が高まっていく!

400組800名ご招待なので、私ともうひとりライブに参加できるわけですが、身の回りでチリビやビッケさんが好きという人を聞いたことがなくて。
SNSのフォロワーさんにはいるけれど、島根県だったり北海道だったり。
そこで学生の頃からの友人に声をかけてみたら、一緒に行けることに!
友人はチリビもビッケさんも知らないとのことだったけれど、もともと音楽は大好きだし彼女自身も音楽活動をしていたりするから、とにかくライブに行って生の音を聴きたい!と。

友人に会えるのも含めて、本当に本当にその日を楽しみに、体調に気をつけながらスーパーウルトラご自愛モードで過ごしていました。

実はその後、ライブに行けないかもしれないハプニングがいくつかあり、当日ギリギリまでどうなるか分からないという危うい感じではあったのだけど……
結果的に行くことが叶って、本当にしあわせでした。

というわけで、前置きが長くなりましたがライブ当日です。


【7年ぶりのBIG CAT】


会場のBIG CATは、心斎橋ビッグステップの4階にあるライブハウス。

心斎橋駅を出て徒歩2〜3分ほど、目的地付近にたどり着くと、30周年をお祝いする装飾でお祭りモードのビッグステップが視界に飛びこんできました。

↑こんな感じ


個人的に、BIG CATに来るのは7年ぶり。
ライブハウスでのライブ自体も7年ぶりです。

最後に来たのは2016年、
シナリオアートのワンマンライブ


仕事を終えて駆けつけてくれた友人と合流して、チケット代わりの当選メールを受付で提示していざ BIG CATの中へ。


入場の際に「今日はどのアーティストを観に来ましたか?」のアンケートに答えるのも、ドリンク代を払うのも久しぶりの感覚で、ライブハウスに来たんだなぁ〜 とワクワク。
フロアはすでにほぼ満員で、私たちは後ろの方だったけれどそれでも全然ステージが近い。

ほどなくして、この日の司会進行を務めるDJ 飯室大吾さんが登場。
(大吾さんのMCも個人的に2015年に行ったGLICO LIVE NEXTぶり)
大吾さんの第一声で、会場は一気に華やかな雰囲気に。

「みなさん金曜日のこの時間ってどうやって仕事とか片付けてきたんですか?」
などの世間話?をしつつ、いよいよ本日のゲストを呼び込みます。

「ステージのセッティングからなんとなく想像もついているかもしれませんが、まずはこのアーティストです。チリビーーンズ!」


【Chilli beans.】


メンバーがステージ下手から登場(BIGCATは登場も退場も下手側から)すると、拍手と歓声が。
私も心の中で「わぁーっ」と声を上げつつ、人と人の間からメンバーを目視しようとがんばる。
わー!いる!ご本人がいる!

Motoさん(Vo)は薄く色のついたサングラス着用。
(メトロックのときみたいに途中で外すのかな?と思ったけどこの日はずっとかけっぱなしでした)

バックではメトロックのときと同じSEがかかっていたんだけど、これって何の曲だろう。とてもカッコよくて好き。
そんなカッコイイSEがカッコよく終わると同時に、Maikaさん(Ba.Vo)の骨太ベーススラップが響いて1曲目の『See C Love』

久しぶりのライブハウスに油断しきっている私の身体に、一音目からガツーン!と叩きつけられるような感覚。うわわ、これだー!

ほんとこの、SEから『See C Love』への流れがカッコ良すぎて。ライブが終わった今でも何度も脳内リピートしています。

『See C Love』、聴きたかったのでとてもうれしい……(聴きたい曲ばかりなので何がきてもうれしいけれど)


Motoさんは低めの重心でリズムをとりつつ、くるくるとステージの上を自由に歌い歩きます。
その動きのひとつひとつに、思わず惹きつけられる。
そしてなんと言ってもMotoさんの声が魅力的。この曲のダウナーな歌い方と低めの声がたまらなく好きなのですが、それをついに生で聴いているという事実に感激。
音源よりもため気味の歌いまわしで、ときどきフェイクも入れつつ一音一音、一言一言、どっしりと歌い、オーディエンスの心を掌握していきます。

歌詞から感じるのは、二度と戻らない関係への喪失や嘆き……
もういっそどうにでもなれ、みたいな。
投げやりなんだけど、全てをあきらめているわけじゃなくて。
明るくもないけれど、暗すぎない。
語りすぎないけれど、どこか共感できる。
そのバランス感覚がやっぱり心地いい。
ノンアルコール(水)でも、気怠く酔いしれます。

ライブで聴いて驚いたのは、Lilyさん(Gt.Vo)のギターのかっこよさ!
決して派手にパフォーマンスするわけではないけれど、内なる情熱をたぎらせるような熱い演奏に心を掴まれました。

あと、Maikaさんのコーラス!(ボーカル!)
いい意味でかなり主張していて、聴いていて気持ちいいしカッコいい!(さっきからカッコいいしか言ってないな)

チリビは一見するとMotoさんがボーカルでMaikaさんとLilyさんは楽器&コーラス というふうに見えるけれど、メンバーのプロフィールやインタビュー記事のどれを読んでも、楽器隊の2人はCho.(コーラス)ではなくVo.(ボーカル)と表記されているんですよね。
つまり、全員がボーカル。
作詞作曲も3人ともしていたり、それでいて作詞作曲者名は「Chilli beans.」で統一されていたり、チリビは全員がそれぞれ主役なんだ、この3人でChilli beans.なんだ、というのが伝わってきます。
曲によって雰囲気がガラッと変わる印象があるのも、メンバー全員が作詞作曲を手がける故なのかも。

1曲目が終わった瞬間にライブハウスを包んだ大きな拍手。
この日初めてChilli beans.を観た人たちの心もしっかりと掴んだ手応えのようなものを感じて、うれしくなりました。
後ろからは「いいねぇ!」とチリビのライブを賞賛する声も。


そのまま2曲目は、Vaundyさんとコラボした『rose』へ。
この日はVaundyさんのパートもMotoさんが歌うスタイル。
出だしの甘くささやくような歌声は『See C Love』とはまったく別人のようで、クラクラします。
ちょっぴり大人な雰囲気とライブハウスの空気にゆらゆら身を委ねつつ、心地良い時間が流れていく……。


3曲目はまたガラッと雰囲気が変わって『duri-dade』
チリビはメンバー3人とも作詞作曲するというのは先述の通りですが、この曲はサポートドラムのyuumiさん(@yumiflip)が大元をつくったと最近インタビュー記事を読んで知ったところ。

yuumiさんはメトロックのときにもサポートで叩いていたのですが、私はその頃チリビ初見だったのもあってyuumiさんのことを正式メンバーだと思っていました。でもそれくらい、違和感なくメンバーに馴染んでいて。

鞭を打つかのごとく身体に響くドラムの音の塊は、音源だけでは決して得られないもの。
力強い演奏がとてもカッコイイ!

間奏部分でチリビ3人がドラムスティックを手に(Motoさんはバスドラ用のバチを片手にスキップしながら)yuumiさんのドラムに集まって、全員でドラムセッションするところは圧巻。
「メトロック(配信)で観たやつだーー!!」と興奮しました。
マーチングバンドのように、4人が向き合ってがむしゃらにスティックを振りまわす姿が本当に楽しそうで、観ているこちらも笑顔になります!

(ツイートの写真1枚目参照)


そしてなんと言ってもこの曲の
「I Don't Need Your LOVE!!」のコール。

私自身はリップシンクまたは心の中で歌うスタイルだったのと、音圧もあって周りの声はハッキリとは聴こえなかったのですが、きっと大きなコールが起こっていたはず。
それを身体で感じながら、たくさんの手があがる光景にうれしくなっていました。

ここで一旦、MaikaさんによるMCタイム。
まだまだ各メンバーの人柄やキャラクターまでは把握しきれていない私ですが、ニコニコ明るいトーンで話すMaikaさんからは、ムードメーカー的な印象を受けました。

「みなさん当選されたということで、おめでとうございます!
けっこうたくさん応募があって、狭き門だったらしいですよ?」

なんとなくそんな気はしていたけれど、あらためてこの日の800人の1人になれた幸運を噛みしめます。

「チリビ初めてみるよーって人?」

そうMaikaさんが呼びかけると、なんと会場のほとんどの人が手をあげる(私も)
これには「そんなに!?」と若干戸惑いつつも、観てくださってありがとうと感謝を伝えるMaikaさん。

「だって……(今日は対バンだから)そういうこと(ほとんどの人はビッケさんを観にきたってこと)でしょ?」

これには私、内心あわあわしつつ

〈確かにチリビをライブで観るのは初めてですけど、ライブに応募したきっかけはチリビだし、入り口でのアンケート(今日はどのアーティストを観にきましたか?っていうの)もチリビに◯しましたよ〜!!〉

と、心の中で叫んでいました(もちろん伝わるはずない)

でも実際、まわりを見渡してもチリビのグッズタオルやシャツを身につけている人もたくさんいたので、「今日チリビを初めてみる人」=「チリビを知らない人」というわけではないんじゃないかな、と。

つづいて、最新のEP『for you』にも収録されている曲『aaa』をMotoさんギターボーカルスタイル(!)で。

MotoさんとMaikaさんのウィスパーボイスの掛け合いなど、一見かわいらしい雰囲気の曲だけれど、歌詞は憂鬱。
胸の内に秘めていたいような思いの吐露が、共感を誘います。

オレンジ色の光のような、鋭く熱いLilyさんのギターの音色も印象的でした。


「レモネードっ」

この日唯一、Motoさんが曲名を告げてから始まった『lemonade
その不意打ちに一瞬なにが起こったのか分からなかったけれど、次の瞬間には曲に合わせて心も体も弾ませている自分がいました。


以前書いたnoteで「音が涼しい」と表現したこの曲。
「さわやか」と言うには少し憂いも含んだ、黄昏時の海辺のような涼しさがライブハウスに広がります。

サビの〈いやいやいやいやいや〉で3人が左右にステップを踏みながら歌うところが大好き。かわいい。これが見たかった!
私も3人に合わせて体をゆらゆら。

嫌いなんだ
どうしても
だって辛いよ嘘つき

好きじゃないよ 君なんて

どうしたって
好きなんだ
だって 君の全てが愛おしくて


揺れうごく心情を素直に表した歌詞ごと、ゆらゆらと、可愛くも憂うつに各々が踊っていました。


ここでまたMaikaさんによるMCタイム(MCは基本マイカさん担当なのかな?)
何を話していたかあんまり覚えていなくて(ごめんなさい)
でも、バンドとしての活動をふりかえるような話だったような。
海外でのライブやフェスに出たりとか。
『Tremolo』っていう曲についてとか。

そんな流れで鳴らされた次の曲が『Tremolo』だったので、先程のMCは伏線だったんだ!(?)と気付いたり。
心地良い音とリズムに身を委ねて踊ります。

ライブで個人的に新たな発見だったのが、中盤のラップパートは〈きっといつか笑いになる そうこんなFeelingも無駄じゃない〉以外、MotoさんではなくMaikaさんだったということ。

これについてはMVを見ていれば分かったはずのことなのだけど、私は今まで音源でしかこの曲を聴いていなかったのです。


Motoさん自身がいくつもの声色をもっているから、全部Motoさんだと言われても納得してしまうというか。
きっと、まだまだ私が知らない3人それぞれの声の魅力があるはずなのでこれからも見つけていきたいな。

もう大丈夫かもね
降り立てるかもね
ここまで来れたんだ
よく頑張ったかもね(こっち)

MCのときと同じ明るい笑顔で〈さぁどこまでも行こうじゃないの〉〈こっち〉とMaikaさんに誘われれば、本当にどこまでも行けそうな気持ちになってきます。心に羽が生えた気分。


次の曲は何かなと期待が高まる中鳴らされた耳馴染みのあるイントロに、私はもう心の中でタオル片手に飛び跳ねていました。『シェキララ』!
(※動画は9:56辺りから)


ギターのカッティングとベースの音が気持ちよくて楽しくなっちゃうAメロ。

さらに、待ってました!のサビでは、タオルを(持っているつもりで)ふりまわしつつ、〈Jump Up 朝まで!〉の気持ちで飛び跳ねる……!たのしい!

Are You Ready Dance
「スタンドマイク」と「ガール」
はみ出す顔に Lipstick
誰も見えやしない
孤独が最高に
楽しいの


息をつく間もないほどに詰め込まれた歌詞は、まるで言葉のおもちゃ箱。Motoさんの言葉のセンスが光ってる。

大サビ前、「Are You Ready?
と呼びかけ、客席にマイクを向けるMotoさん。
「Yeah!」や手を挙げるなどで応えるオーディエンス。さらにもう一度、
Are You Ready?」と呼びかけると、一瞬の“タメ”のあとの大サビ爆発。

否応なく心が弾ける……!
孤独が最高に!楽しいの……!

1曲目の『See C Love』が、全部どうでもよくなっちゃって一周まわって笑えてきます…… みたいな感じだとしたら、
『シェキララ』は、孤独も一周まわって楽しくなっちゃった!みたいな、ポジティブさを兼ね備えているというか。

シェキララがなんなのか、どういう意味なのかはさほど重要ではなく。
意味など分からなくても、今この瞬間、〈全部脱ぎ捨てて シェキララしようぜ〉と本能で思えるような…… この興奮が、共通言語。すごい曲です。

そうして早くも最後の曲。
ああ、まだあの曲も聴きたいしこの曲も聴きたいし……
と、いろいろな曲を思い浮かべる中、鳴らされたのは『you n me』! ありがとうございます!


どこにいたって、誰といたって、うまくいかないなぁ、何も変わらないなぁ、嫌んなるなぁ、どうしよう?
そんな鬱屈した日々から、スパーン!と目の前が開けるようなサビが爽快。

空へ駆け出していくような、前向きに転がっていくような。
夢みたいな幻想かもしれないけれど、そんないい夢を見られたら現実も少し大丈夫になっていく気がする……

この曲はLilyさん作詞で、Motoさんも「歌っていて楽しい」と語っているのをインタビュー記事で読んだのだけれど、それがとても伝わってきました。

Lilyさんといえば、最近読んだインタビュー記事(MUSICA9月号)の言葉がとても印象に残っていて。

どの曲にもアイデンティティがあるし、パーソナリティがあるっていう感覚だから、どの子でも好きになってもらえるなら凄く嬉しい

というもの。
曲を通して“自分たちはこういう人間です”と提示するのではなく、この曲はこんな感じでこういう魅力があって。私たちはそれを届けるのが務め。とでも言うような。
それぞれの曲を大切に思うがゆえのストイックさは、すでに貫禄すら感じられるライブパフォーマンスにも充分表れていました。


駆け抜けるように過ぎていった楽しい時間。
満たされるような気持ちと同時に、まだまだあの曲もこの曲も聴きたいという欲が。
叶うなら、このまま翌週(9/8)の大阪ワンマンに参加したい……!
(今回のツアーグッズがまた好みにヒットしててかわいいの。パステルカラーのメンバーイラストがモチーフ)

チリビが退場して、しばしの転換タイム。
ここで司会の飯室大吾さんが登場。再びチリビメンバーを呼び込んでのおしゃべりタイムへ。
メンバー一人ひとりにマイクが向けられます。
まずはベース&ボーカルのMaikaさん。

「大阪はいつもあったかい。会場によってそれぞれ色がある。大阪はオレンジ色
と話すと、それ、前に他の誰かも言ってた!と大吾さん。
翌週のワンマンライブの会場は、Zepp大阪ベイサイド。大きな会場ですから、今日よりもっと濃いオレンジ色が見られるんじゃないか、とまとめる大吾さん。

つづいて、ギター&ボーカルのLilyさんに「夏の思い出」を尋ねます。
「夏の思い出ですか……?」とたじろぐLilyさんに、あわてて「バンドとしてのですよ!個人的な夏の思い出を訊いてるんじゃないですよ」とかぶせて笑いを誘う大吾さん。
Lilyさんは、出演した日本のフェスや、海外でツードア(Two Door Cinema Club)と対バンした話しで応えてたかな?

最後に、来年2月の武道館公演について触れつつ
「もういろいろイメージとか、準備とかしているんですか?」と、ボーカルMotoさんに尋ねる大吾さん。
Motoさんはふわっとした受け応えで、「いろいろ準備しています」と。
歌っているときとのギャップに新たな魅力が。
Motoさんの「ふわっ」を受け止めて、「かちっ」とまとめてリスナーに再び伝える大吾さんもさすがでした(上からに聞こえたら申し訳ない)

この日のチリビは最新曲『Raise』を披露するでもなく、その曲がアニメONE PIECEのエンディングであることにも触れず、
さらには翌週また大阪でライブをすることや武道館公演の宣伝なども、司会の大吾さんに話をふられるまでは自分たちからはしていなくて。
それがまた、なんだかチリビっぽいなと感じたりしました。
いろんな意味で魅力のあふれる3人だなぁ。

既に海外での公演を経験していたり、武道館公演も見据えているチリビ。でも本人たちはそんな大海原を前に気負うことなく、あくまで自分たちが「楽しい」と思うことをやっていくスタンス。

これからどんな景色が待っていても、3人いっしょなら、楽しみながらどこまでもいける。
そんな頼もしさを感じてワクワクするライブでした!
叶うなら、私もファンの1人としてそんな景色をこれからも一緒に見ていきたいなぁ。

チリビの旅路のひとつでもあるこの日に立ち会えたことは、とてもしあわせです。


【Chilli beans.】セットリスト

01. See C Love
02. rose
03. duri-dade
04. aaa
05. lemonade
06. Tremolo
07. シェキララ
08. you n me


【ビッケブランカ】


Chilli beans.が終わると、ドリンク交換などからか一旦退場する人たちも。気づけば友人とともにフロアの真ん中あたりまで進むことができました。

しばらくの転換作業ののち、客電が落ちると同時にライブハウスに響きわたったのは、ライオンキングでお馴染みの「サークル・オブ・ライフ」

それをSEに登場するビッケブランカさん(これが似合うのなんの)
腕を組んで、まるでライブハウスの長のような表情を浮かべながら「ふむふむ」と頷きつつゆっくりとステージの中央へ。会場からは既にクスクスと笑いが。
もうこの時点で、楽しいライブになる予感しかしない。

そうして、威風堂々と鳴らされた1曲目は『革命

(ビッケさん左利き? って今この動画のギターの向きをみて気付いた)


ファンファーレのような演奏をバックに堂々とした歌いっぷり。
気分はRPGの主人公。
冒険の始まりを告げるように、高らかに響きわたる歌声に圧倒されます……!

私はできる 私を信じれば

こんな力強い言葉に、より一層の説得力を与えてしまう演奏と歌声があるなんて。言葉と音楽の相乗効果がすごい。
サビではビッケさんのファルセットも気持ちよく突き抜けていく。
くるくると変わる曲の展開はまるで冒険の起承転結。

〈あってはならないことばかりで仕上がった陸路を転がってく〉ような日々だけれど、その先に見据えるのは最高の景色です。

さあ声をあげよ 打ち鳴らせよ 未完成でも

まるで指揮をとるように両手を動かし、オーディエンスの気持ちを引っぱっり上げていくビッケさん。

傷は道標だ(痣は覚書だ) ここが分かれ道だ
私はできる 私を信じれば

祝福の幕開けです……!


興奮もおさまらぬうちに、2曲目『Shekebon!』で会場はさらなる盛り上がりへ。

攻撃力高めなピアノ×ギターの音とともに繰り出される〈Sheke it bon!〉の歯切れの良さ。
一度聴いたらシェキシェキのボンボンが頭から離れなくなる中毒性のある曲……!


きがつけば夜が
いつのまに更けた
毎回同じスタイルでbon bon bon bon

ここの「bon bon bon bon」の音の異動と「bon」という発音が気持ちよくて癖になる。ピーンポーンパーンポーン♪みたいな。

会場のテンションもすごいことになっていて、ディスコ?ダンスフロア?
たくさんの手が上がる上がる。

ひとたび曲が終わると、
「かっこいい!」「ダディ!(?)」などの声があちこちから飛ぶ。
それらを適当に(?)あしらいつつ、ここで一旦MCタイム。

「ビッケブランカ初めてみる人!」

と、チリビと同じ質問をするビッケさん。
けっこう手が上がる。私も上げる。
それをふむふむと把握して、

「そうか〜、はじめてか〜
……どのキャラでいくか」

と、本日のキャラを考えあぐねるビッケさん。
第一印象は大事って言いますもんね(?)
会場のみなさんが見守る中、

実は僕、チリビのライブのとき寝てたんですよ

という衝撃の告白に「ええ〜〜……!?」とナチュラルに引く…… どよめく会場。

最初はそういう冗談かな?と思っていたけれど、どうやら本当らしい。
(ちなみにチリビ本人にも楽屋でそれを伝えたら、「え……」という反応だったらしい)

つい3日前までサウジアラビアでライブをしていて時差ボケしていること、サウジアラビアの気温が45℃(!)あったことなどを理由に必死に弁解するビッケさん。
その間にも容赦なく「サイテー!」などと、ビッケさんファンからの愛あるブーイング。
追い込まれたビッケさんは……

なんとでも言いなさいよぉ!!

と悔しそうに吠えて、その様子がおもしろくてドッと湧く会場。

寝てなにがわるいんですか!モードのビッケさん。さらにつづけて

「寝てなかったらこんな声(ガサガサ)ですからね、寝たおかげで今こんな声(クリアボイス)でライブできてるんです」
と、声色を使い分けて納得させます。

それに、僕が観たからってチリビのライブが良くなるんですか!?彼女たちはそのままで最高なんです!

自分が見ていようといなかろうと、チリビはいいライブをするんだ!と、チリビに絶大なる信頼を寄せるビッケさん。
これには会場のみなさんも納得するしかなく、拍手が巻き起こる。
ファンを手のひらで転がしているのか、ファンに手のひらで転がされているのか分からなくなるようなある意味で双方向的なやりとりは、私含めて初見のみなさんの心もグッと掴んだように感じられました。
たくさん笑っちゃった。

その後ビッケさんは我にかえったように、今日初めて観る人たちの印象がこれでいいのか…… とボソッとこぼしていたけれど(それもまた面白い)そして、

「一昨日配信リリースしたばかりの新曲があるんですけど、出し惜しみしても仕方ないんでやります」

と言うと会場からは悲鳴にも似た歓喜の声が。
私も心の中で歓声を上げつつ期待の拍手。
そうして、ライブ初披露となるリリースほやほやの新曲Snake』へ!

私ね、この曲の間奏部分(“カワイイデスネ”の前後)がとても好きです(唐突)
ティザー映像(30秒)でも流れていたこの部分の怪しげな感じとか。


あと、サビの手の動き。頭の上で両手をゾンビみたいにして左右に振るのもよかった。
ライブ初披露ということはファンの間ですらまだこのフリは浸透していないはずなんだけれど、みなさん当たり前のように踊っていて楽しい。

それにしてもビッケさんすごい。
けっこう動き回りながら歌っているんだけど全然苦しそうに歌っていないし、ブレないし、高音(ファルセット)もバッチリはまるし……
この曲の「ハッハッ」という吐息のような発声ひとつにしても、とても安定していて。
とてもストイックな方なんだろうなと感じました(本人は決してそんな素振りは見せなさそうだけれど)


圧巻の新曲披露を終えたビッケさん、ここでドラムスティックを手に持ってくるくる回したりとスタンバイ。

蒼天のヴァンパイア

私にとってこの日唯一、曲名が分からなかった(予習していなかった)のがこの曲。
のちにビッケさんの公式Twitterでセットリストが上げられていて『蒼天のヴァンパイア』と判明。


ビッケさんがサンプリングパッドを打ち鳴らすイントロから「あ、この曲好き!」という直感が脳を突き抜けました。

たとえば『まっしろ』のようなストレートなバラードはなく、全体的にアゲアゲのセットリストだったこの日のライブ。
その中でこの曲は、飛び跳ねたくなるような高揚感の中にもどこか切ないバラード的な要素が感じられて、ステージを照らす青緑色の照明の美しさも相まって…… うまく言葉にできない感じ。
ただただ聴き入っていました。

ピィーーッ!という目が醒めるような笛の音を合図に始まるパートは、“祭典”という感じで。
日常を抜け出した空間で舞い踊るような心地。
身動きの取れなくなってしまった心を、音楽で解放してくれるような。
ライブハウスも似合うけれど、野外のフェスで観て踊ってもきっと最高だろうなぁ。
この曲にライブで出会えてよかった。


ここでまたMCタイム。

「本日はビッケブランカの来日公演にお越しいただきありがとうございます」

と言っていたのはここだったかな?
とにかく一挙手一投足や何か話すたびに笑いをさらっていくビッケさんですが、しばらくお話しした後に

というわけで本日はお越しいただきありがとうございました!ビッケブランカでした!
(文字だとうまく伝わるか分からないんだけれど、本当にもうこれで終わりっていう感じの言い方だったんですよ)
と言った瞬間、

えーー!?(もう終わり!?)と、別れを惜しむ大ブーイングが。

「終わるわけないじゃん!
ありがとうございました〜♪ってこのまま出ていくわけないじゃん!」

と、ステージ下手へはけていくコミカルな動きをみせるビッケさん。コントのような一幕。
まだライブは終わりじゃないようで一安心です。

そしてビッケさんが何かを叫び、マイクを客席に向ける。それに歓声で応えるオーディエンス。
私は最初なんて言ってるのか分からなくて、「歌える?」「イェー!」とかかな?と思いながらしばらくそのやりとりに耳を傾けていたのだけど……

サバ……?
サバって言ってる??

ビッケさん「Ca Va?」
ファン「イェー!!(もしくは Ca Va!)」
ビッケさん「Ca Va?」
ファン「イェー!!」

私(心の中で)「サ バ ……!!

予習した中で、この曲をライブで聴けたら楽しいだろうな〜 と思っていたサバの曲こと『Ca Va?』!!やったー!

出だしの、流暢なフランス語による高貴で神聖な歌声&ファルセットが響き渡ると、
ここは教会かどこかかな……?と錯覚しそうになりますが、その後は一転して一気にアゲアゲのダンスフロアへ! 緩急!


隣の友人もめちゃくちゃ楽しそうに手を上げていたのがとても印象に残っています。
(ライブが終わったあとも、サバの歌めっちゃ楽しかったねー!ってお互いに話したくらい)

アゲアゲのサヴァコールに、会場はまるで水揚げされた大漁の新鮮なサバのごとく飛び跳ねる!

(このレポに貼り付けるために↑のライブ映像を見たら、ワンマンライブでは本当に鯖のバルーン?が客席をぴょんぴょん飛び交ってた……! 打首獄門同好会のマグロみたいな。絶対たのしいやつ)


「CaVa」というと私の中ではサバ缶のイメージが強いのですが、そのサバ缶の商品名もフランス語の「ça va(サヴァ)=元気ですか?」が語源になっていたんですね。と、今書きながら知る。


だから出だしもフランス語なのか。
そしてそのフランス語の歌詞の内容も〈私は歌います。あなたが悲しいなら〉という感じらしくて。

わ〜〜
そういういろいろを知った上でもう一度ライブで観たいなぁ……!

もちろん、なにも知らなくても充分元気をもらえました!
まさに、〈知らないことも 知らないままゆこう〉という歌詞のように。

最後のフランス語部分は
「今日はとても楽しい時間をありがとう〜〜♪」
と日本語で歌っていたけれど、こちらこそ!楽しい時間をありがとう。


そして正真正銘最後の曲
フィナーレを飾ったのは『ウララ』!

フォロワーさんに教えてもらった曲だぁーー!!


イントロから、頭上でハンドクラップしながら飛び跳ねる!
サビでは手をワイパーのように左右にふりふり。
もう既に、長年のファンも初見も関係なくすっかり一体となって会場がハッピーに染まってく。
サポートメンバーのみなさんも本当に楽しそう。

大サビ前の間奏(ロングバージョン?)では、しっとりとした演奏をバックにステージを端から端までゆっくり練り歩き、会場の隅々まで、お客さんひとりひとりへ向けてくまなく手を振るビッケさん。
こちらも思いの限り手をふり返して応えます。
ファンとのコミュニケーションを尊ぶとても感動的なシーンなんだけれど、ビッケさんのコミカルなオーラ(?)もあって、これもそういうコントか何かのようになってしまうのが面白い。

そして、ビッケさんの大ジャーンプ!(後ほど載せるツイートの写真4枚目参照)を合図にラスサビへ。
手のひらワイパーがフロアいっぱいに咲いて揺れます。

チリビのMotoさんも多彩な声色で魅了していましたが、ビッケさんもまた声の切り替えが凄まじく、かつどの曲も楽しそう&完璧に歌い上げる様は圧巻でした!

大きな拍手に包まれながら、ステージを去るビッケさん。
そのままアンコールの手拍子が始まりそうな勢いだったけれど、ほどなくして司会の大吾さんが登場。
改めて、とても贅沢な時間を過ごさせてもらったことを噛みしめます(これが無料のイベントだなんて……)

そして、再びビッケさんを呼んでのおしゃべりタイムへ。
大吾さんに呼び込まれて、再びステージ現れたビッケさん。でも何か様子がおかしい……?
きょどきょどと目を泳がせ、なかなか大吾さんに近づこうとしません。

「ライブ後にこんなに不機嫌な人初めて見た」
と言われてしまいますが、もちろんこれもビッケさんのキャラ作り。どうやら海外アーティストの設定らしい。

途中からは素のビッケさんになり、大吾さんと親しげなトーク。
「(どんなビッケでも)受け止めっから!」
という大吾さんに

「“めっから”やだ!
受け止めっからのちっちゃい“っ”いやだ!」
というやりとりも。

他にも、海外でのライブがめちゃくちゃ盛り上がった話(インスタにあげてる動画を今すぐこの場で見て!と、感動の共有を促す)とか、
国によってライブのノリ方も違うという話しとか。
(フランスはライブ中も大盛り上がりで飛び跳ねる。サウジアラビアはライブ中は着席で、終わった瞬間にスタンディングオベーション、など)

本人曰く“エイベックス(所属レーベル)の潤沢な資金をもって”世界を飛び回った経験を、楽しそうに語るビッケさん。
それらは決して嫌味な感じはしないのだけれど、わざと嫌味っぽいキャラを演出して笑いを誘ったり。
海外行って変わっちゃった。海外行くとみんなこうなるんです、と天狗の鼻のジェスチャーをしてみせるおちゃめな一面も。

それでも最後は「日本での活動があるから、世界にいける。それをとても感じる」と感謝の気持ちを語っていました。


そりゃ、こんなに曲がよくてライブも楽しかったら愛されるし、世界も飛び回っちゃうよねと納得。

まだまだ世界には素晴らしい音楽がたくさんあるんだなぁ。
それまで知らなかったアーティストの魅力に新たに出会えるのも、対バンライブの醍醐味。

本当に楽しいライブだったから、いろんな人にオススメしてまわりたい気持ち。
ワンマンでもフェスでも対バンでも、機会があれば是非またライブに行きたいです!


【ビッケブランカ】セットリスト

01. 革命
02. Shekebon!
03. Snake
04.蒼天のヴァンパイア
05.Ca Va?
06.ウララ


ビッケさん退場後の、

「面白いでしょ?こんな良い人なんですよ。真っ直ぐなんです〜」

と、ビッケさんのこと本当に好きなんだろうなぁと伝わってくる大吾さんのトークもあったかい。

そして、「まだまだ皆さんこれから金曜日の夜の街に繰り出すんでしょ?よかったらビッグステップの中もいろいろ見ていってくださいね。インド料理のお店とか、めちゃくちゃ美味しいんで」
とリスナーを送り出します。

こうして心斎橋ビッグステップ30周年記念のスペシャルなイベントは、幕を閉じたのでした。

ライブハウスを後にして駅まで向かう途中、空には大きくてまるい月がきらきらと。
(この日の前日がスーパームーンだった)

大吾さんも言っていたように、本当にこのまま金曜日の夜の街へ繰り出して、友人とごはんを食べつつライブの余韻に浸りたかったけれど……
いろんな意味で早く帰らないといけなかったので、駅で少しだけお話しして解散となりました。

その後、家に帰ってから「今日はありがとう」とLINEを送ったら、即既読になった直後に同じような内容のLINEが友人からも届いて。
そんなタイミングの一致も含めて、楽しくてうれしい一日だったなぁ。

🌕


その後もまだまだ、ライブの余韻の日々を過ごしています。
私にとっては、こうしてライブのことを思い出しながら曲を聴きつつ文章を書く時間もとてもしあわせで。

私は、ライブだと楽しさや興奮が上回ってあまり泣くことはない(amazarashiのライブを除く)のですが、こうしてライブのしあわせな時間を思い出しながら曲を聴いたり文章を書いていると、今更ながら泣きそうになってきます(個人的あるある)
でも総じて、書いてる間もとても楽しかった!


次にライブに行けるのはいつになるだろう。
未来のことはなんとも言えないし、どうにもならないことも起こったりするけれど。
日常は容赦なくふりかかってくるけれど。

自分の人生だから、誰かの目を気にしすぎることなく、好きなことに手を伸ばしていきたい。
いつかもっと、自分の心の声に正直に生きてみたい。
そのためにも、やっぱり、私の人生には音楽が必要です。


この日のライブに携わったすべての方、最高に楽しい時間をありがとうございました。

そして、この長〜い感想文(……何文字あったと思います? 約1万5千字ですって)に最後までお付き合いいただいた方。
私が無事ライブに行けますようにと祈ってくださった方。
行けてよかった!と喜んでくださった方。
本当に本当にありがとうございました。

あなたにも、「生きててよかった」「こんな日があればまた生きていける」 そう思えるような素敵な一日が、たくさん訪れますように。

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