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期待値と比較した18/19シーズンの振り返り

こんにちは、七時雨と申します。

DAZNに加入したこともあり、今シーズンからSNS等を使ってスパーズに関する情報を集め始めた新米サポーターでございます。


初めての記事になりますが、早速今回の記事の概要について述べさせていただきます。


筆者自身、サッカーとは縁がなくプレーに関しては全然詳しくはないのですが、スポーツにおけるデータについて興味があり、今回はそのデータに注目した簡単な分析を投稿させて頂きます。


そのデータですが、今回は expected Goals ( xG ) に注目したいと思います。


まず xG を説明するのは簡単ではないのですが、おおよそ「シュートチャンスの質」と捉えて問題ないかと思います。

詳しい説明は、今回引用させていた Caley Graphics ( @Caley_graphics ) の固定ツイートをご覧になると良いと思います。


下の図は5/12のスパーズ対エヴァートンの xG map になります。



(@Caley_graphics のツイートより引用)


Rough xG sum は xG の大まかな合計で、これは xG から想定されるスコアと考えて問題ないと思います。
(例えば、確率0.2で入るシュートを10回打った場合、合計の2.0は2点入るだろうという感じです。厳密には違うと思いますが、勝敗という観点ではxG sumが高い方が勝つだろうという評価で間違っていないと思います)

上の図から、スパーズは内容ではエヴァートンに負けていたが引き分けで終わっていたことが分かります。
図上の四角形はそれぞれのシュートチャンスで、ピンクの四角形が実際に決まったゴール、四角形の大きさがゴールが決まる期待値の大きさです。

左側の小さい方のピンクはエリクセンのフリーキックですね。

右側のかなり小さいピンクはウォルコットのゴールで、あれは中々決まるようなシュートじゃなかったとも見て取れます。


それでは今回はこの Rough xG sum を用いて、18/19 シーズンの簡単な分析をしたいと思います。

(公式戦53試合分のデータを用いました。CL グループステージ第4戦のPSV戦、カラバオカップのWolves戦、West Ham戦はデータを見つけられず、FAカップのTranmere戦は除外しました)


議題は以下の通りです。
・全体の Rough xG sum と実際の結果の比較
・ケイン不在時のデータの変化
・D. サンチェス出場時のデータおよび4バック、3バック時のデータの変化

後半2つの議題は個人的に気になっていた点なので調べてみました。

では、拙い分析ですが宜しくお願いいたします。


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全体の Rough xG sum と実際の結果の比較

下記がデータをまとめた表になります。

xG sum における勝敗予想を左側、実際の結果を右側に色づけしてあります。

右端のケインと、ダビンソンはそれぞれがスタメンから外れた(入った)ことを示しています。

ざっくりと全体を見てみると概ね xG sum による勝敗と実際の結果は整合的であるように見えます。


上の表が勝敗をまとめたものになります。

xG sum における結果の方がよく見えます。
これは、内容的に良かったが負けてしまった試合が多かったと捉えることができます。


次の図ですが、xG sum における結果と実際の結果が異なった試合で、どう異なったのかをまとめたものです。
xG → 実際の結果 そのパターンの数を表しています。

xG による勝敗と実際の勝敗が異なった試合は全部で15試合あり、そのうち1/3にあたる5試合が、
xG では勝っていたが実際は負けた、つまり内容では勝っていたが負けてしまった試合になります。


上記がその5試合になります。
直近だとWest Ham戦が該当しています。

実際のところオウンゴールとPKは xG の数値に加算されていないので、パレス戦(PK)、リヴァプール戦(OG)というものが影響しているのも、今回の結果の原因に挙げられます。

ユナイテッド戦に関しては、デヘア神でしたね(笑)

とはいえ、チームには好不調の波は少なからずあり、内容で勝っている試合はやはり勝ちきりたいものです。それが敗戦という結果になっているものが多いのは問題で、PL優勝を目指す上ではそういう試合はあってはならないのだと思います。


5試合での結果ですが、これらの試合におけるスパーズの xG sum は平均的ですが対戦相手のものは1と平均を大きく下回っています。

よってxG的には、平均よりも相手にチャンスを与えなかったため、勝つべきだった試合だったとも捉えられます。

しかし、負けてしまっているので守備陣が相手のチャンスシーンで踏ん張れなかったということかもしれません。

このデータだけで確証のあることは言えませんが1つの考察として、内容の良い試合を落とした背景には守備側により課題があるのではと思っています。


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ケイン不在時のデータの変化


今シーズンの後半戦はケインが怪我で離脱していた期間も多かったですが、ソンフンミンの活躍もあり「ケインがいないほうが勝てるのでは?」というような意見が飛び交ったかと思います。

では実際に xG はどのような結果を示していたのでしょうか?
下がケイン不在時のデータをまとめたものです。

終盤の失速とケイン不在が重なったこともあり、1度目の離脱時に騒がれたような勝率は無く、
寧ろ勝率では xG も実際の結果も悪くなっていました。

よってやはりケインは居たほうがいい、とまずは結論づけたいと思います。


細かいところを見ていきますと、ケイン不在時におけるスパーズの xG が若干高いことからチャンスの質は少しばかりいいことが伺えます。

しかし、実際の平均得点は0.1程下回っており、このことから決定力は明らかに落ちているのではないかと推測します。
これはケインの決定力の高さを示してるデータとも言えます。

続いて気になったのはケイン不在時には相手の xG sum が大きく上がっていることです。
こちらについて、守備面においてもケインの存在は大きいと捉えられます。

xG の数値がカウンターにおいて高くなると言われており、ケインが前線でボールをしっかり収めてくれることが大きく効いているのだと勝手に考察しています。

以上のことをまとめると、やはりケインの存在は大きく、数試合の結果からケインがいない方が勝てると言うのは事実無根ではないかと思います。


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D. サンチェス出場時のデータの変化および3バックと4バック


続いてこちらも最近見かけるのでデータをまとめてみました。
サンチェスがスタメン出場した試合の表になります。


サンチェスは今回の集計に扱った53試合のうち31試合にスタメン出場しています。

しかしスタッツから分かるように勝率、およびスパーズのチャンスの質や得点が落ちていることが伺えます。

これについて、サンチェスが出場した31試合のおよそ半分にあたる14試合が次に触れる3バックのディフェンスラインであることが影響しているのかもしれません。


そう思ったのですが・・・・・


サンチェスが入った4バック↓

3バック(全てサンチェス出場)↓


勝率および xG sum、実際の得失点の全てがサンチェス入りの4バックが悪いという結果を示していました。

つまり今回の結果からは、

4バック(サンチェス入り)< 3バック < 4バック(ヤン・トビー)

という構図がうかがえます。

特に顕著なのは、サンチェス入り4バックにおけるスパーズの xG sum が平均を大きく下回っていることです。

この理由には触れませんが、攻撃面でマイナスにも関わらず、対戦相手の xG sum も平均より悪いとマイナス面をカバーするほどの守備での貢献が見られません。

サンチェスはまだ若く、足元の技術はこれからの成長に期待したいところですが、相手にチャンスを与えないような守備という面においてはヤンやトビーと同じくらい計算できる選手であってほしいと思います。

長くなってしまいましたが、今回の記事はここまでになります。

今回記事に書かなかったことでも、まだまだ考察できることはありますので、興味のある方は調べてみると良いかと思います!


最後に、1つのデータを見て選手の評価をすることは、そのデータでは表せない選手の良さを忘れ、悪いイメージを持ってしまう恐れがあります。

今回のデータはサンチェスにとってネガティブな結果を示していますが、サンチェスにはサンチェスにしか無い強みもあります。

そういった強みを活かしながら、今回のデータに表れたマイナス面が今後改善されることを筆者は期待しています。

それでは、最後までありがとうございました。


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