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日々のつれづれ忘備録2

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オンライン取材がなんでこんなに疲れるのだろうと思った話

オンライン取材がなんでこんなに疲れるのだろうと思った話

ここ1、2ヶ月で、届く仕事の依頼メールには当然のように「Zoom」という言葉が入り込むようになった。

この時期に仕事をいただけるのはありがたいことだと思いながらも(書いている媒体の傾向が違うライターによってはすでに悲鳴をあげている人もいるし、私もいつどうなるかは分からない)、個人的にはオンライン取材自体はあまり得意ではなく、終わったあとは決まって疲労困憊でその場で倒れこんでしまう。普段使っていな

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不安なときは「そのひとつ先」に予定を入れる

不安なときは「そのひとつ先」に予定を入れる

しばらくブログを書いていなかったのは、仕事の調子がよかったからだ。いまブログを書いているのは、仕事の調子がよくないからだ。

気がついたらライターとして仕事を始めて、それなりの年数がたっていた。といっても、まだまだ未熟で、毎回試行錯誤の繰り返しで、ただ目の前のことを全力で打ち返す、それ以外の選択肢がないのがもどかしい(しかし、それ以外に方法はない気もしている、天才じゃないから)。

まず、いまだに

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不安から解放されたいのなら“目のやり場”を作る

不安から解放されたいのなら“目のやり場”を作る

過去に“ぼんやりした不安”を抱えて服毒自殺をした文豪がいた(※)が、

今や毎日のように、TwitterやFacebookでは「死にたい」が溢れるようになり、ネット上では「あらゆるモヤモヤは◯◯で解決するって本当?心を強く保ちたいなら地方に行ってプロテインを飲め」みたいな記事が公開され続け、書店では「やりたいことを見つけるためには他人の目を気にせず嫌われないためにすべき50のこと」みたいな自己啓発

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自分で作るご飯はだいたい美味い

自分で作るご飯はだいたい美味い

まずくても、そこそこ食べられる。

一人暮らしをして気づいたのは、自分が思っていた以上に食にこだわりがないということだった。栄養さえ取れてれば、同じ食事パターンを延々と繰り返せる。毎日のように、豆腐とモチと野菜と肉を全てあんかけでとじて一皿に盛り付けて食べていた。食べるというか、摂取していた。味付けは、めんつゆのみ。

「女子力」とか「インスタ映え」いう言葉が存在しない世界線の話である。見た目

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酒を飲むために生まれた人間もいる

酒を飲むために生まれた人間もいる

「早く死にたくて飲んでる」

よく行くバーで友人と飲んでいた。酔いも回る前からサラリと言われて面食らってしまった。もちろん、半分くらいは冗談だと思うけど、まさか隣に座ってる奴が、死期を早めるために飲んでるとは思わなかった。

ただ、確かに普段から彼女の酒の量は常軌を逸していた。以前も、夜に一人で飲み過ぎたらしく、朝の通勤電車を途中で降りて一回吐いてから出勤してきたことがあった。

どこかで人生を諦

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とりあえず、立ち上がっときゃ大丈夫

とりあえず、立ち上がっときゃ大丈夫

フィールドでプレーする誰もが必ず一度や二度、屈辱を味わわされるだろう。打ちのめされたことがない選手など存在しない。ただ、一流の選手はあらゆる努力を払い速やかに立ち上がろうとする。並の選手は少しばかり立ち上がるのが遅い。そして、敗者はいつまでもグラウンドに横たわったままである。(ダレル・ロイヤル)

薬がなくなれば病院に行く。いつもと同じように、泣きながら身体が辛いことを話すと、先生は決まって「ちょ

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「好き」を数えて、強い自分を取り戻す

「好き」を数えて、強い自分を取り戻す

自信を取り戻したいのなら、「好き」を数える。

書いた記事に対して、「それ、本当に面白いと思って書いた?」と言われて戸惑った。自分が面白いと思うものを作るって、発想としてはシンプルだけど、だからこそ難しい。書けば書くほど、「これ面白いと思っているの?」という声が、自分の声だけではなく、様々なひとの声色で再生されて責め立てられる。だんだんと自信がなくなっていく。どうすればいいのかもわからなくなってく

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回り道をし続けて、知らず知らずの身の丈

「メメント・モリ」ーー“死を想え”。すっかり耳にたこの言葉であるけれど、最近改めてこの言葉のもつ力を感じて、たまに自分につぶやくようにしている。メメント・モリ。死を想え。“わたし”がいなくなった後も世界はただ変わりなく存在し続けるという事実を知れ。

あなたの話し相手は、あなたのことに対して持つ興味の百倍もの興味を、自分自身のことに対して持っているのである。中国で百万人が餓死する大飢饉が起こっ

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始まる前に、別れの痛みを想像できるか

ある日、男友達に「誰かと付き合いたいけど、別れるのが怖い……」と言われて「なんて真面目なんだろう」と驚いた。なるほど私にその発想はなかったし、そして、それはずいぶんと責任ある、つまりは尊敬に値する考え方のような気がした。文字だけみたら、「男のくせにナヨナヨしてんな!」と言われかねないけど。

何事も、始まりは偶然で、終わりは必然だ。私たちは私たちの意思なく世界に生まれ落ち、その瞬間に死を約束される

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何者にもなれない私たちは

何者にもなれない私たちは

深夜、小腹が空いたのに耐えられず、おでんでも買いに行こうと家を出た。すっかり深い時間に、イヤホンをはめて坂を登る。

ふと、昔、淡い恋心を寄せていたひとが「夜飲み足りないなと思ったときに、よくceroの“大停電の夜に”を聴きながらコンビニまでビールを買いに行くんだよ」と言っていたのを思い出した。youtubeで探し、私も真似して聴きながらコンビニに向かう。

曲を聴きながら歩く私の脳内は、曲のよさ

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今を壊して、未来の記憶になることもある

今を壊して、未来の記憶になることもある

よく、机や鞄の中が綺麗なひとは仕事が出来る、といったような話がある。それが正しいのなら、私は恐ろしいほどに仕事ができない人間だということになってしまう。

机の上は綺麗だけど、それはちゃんとした仕事机を持たずに食卓を机代わりにしてるからだ。鞄の中は、さながら小宇宙で、手を底に突っ込むと、昨年のコンビニのレシートやいつ買ったかわからない菓子の袋(しかも中に少し残っている)が出てきて、我ながら少しクラ

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凪のように穏やかな瞳を得るには

学生時代、懇意にしていた大学教授がいた。「僕ね、大勢の前で講義をするのが苦手で。以前あんまりにも嫌で嫌で仕方なくて、そうしたらお腹を痛めて。講義前日に胃カメラをしたんです」数年前の夜、食事をしながら、その話を聞いてつい吹き出してしまった。あまりに先生らしいな、と思ったからだ。

どうも昔から、“頼りにされたがる”ひとたちが苦手で距離を置いていた(それでうまくいかなかった人間関係も多い)。

彼ら自

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〝欲望〟がひとのIQを3にするとき

「お前、自分がやりたいことばかりじゃねえか!」飲みの席で一喝されたことがある。すっかり酔っ払っていたので、いまいち頭ではピンとこなかったのだが、図星だったのだろう、うぐぐとなって、しばらく何も言えなかった。

昔、友人から、とある人に告白をされたという話を聞いた。もう前の人と別れて、数年フリーの子だったが、はためから見ればずいぶんとモテていた。「ふったわよ」。まあ、そうだろうな、と思った。私もよく

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一瞬の言葉と、永遠の反芻

口ではえらそうなことを言いながら、まるで行動が伴っていないひとがいたりする。

私だ。

時折自分で書いたものを見返したりしながら、大概はその文章の稚拙さや語彙の少なさに辟易としたりするんだけど(それはつまり、成長の証というポジティブな形でとってもいいだろうか?)、時折「ああ、そうそう、自分はこのとき、こんなに強く生きていた」と過去の自分に励まされる瞬間がある。

“言葉”の力というのは、よくも悪

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