〝欲望〟がひとのIQを3にするとき

「お前、自分がやりたいことばかりじゃねえか!」飲みの席で一喝されたことがある。すっかり酔っ払っていたので、いまいち頭ではピンとこなかったのだが、図星だったのだろう、うぐぐとなって、しばらく何も言えなかった。

昔、友人から、とある人に告白をされたという話を聞いた。もう前の人と別れて、数年フリーの子だったが、はためから見ればずいぶんとモテていた。「ふったわよ」。まあ、そうだろうな、と思った。私もよく知ってる人だった。オモてになる彼女に、数多の男性をフり続ける彼女に、わざわざその男性を選ぶメリットは、どこにもないような気がした。

私は、昔から、欲しいものを我慢できなかった。小さい頃から、ストレートに伝えて、その後泣き落としに入り、それでもダメなら何かしらの条件をつけてでも引き下がらなかった。買ってもらう側の人間だから許されてた話だ。今はもう、欲しいなら、自分の働きに見合ったものしか得られない。駄々をこねて得られるものは、失笑のみだ。

友人の話は続いた。告白を断ったあとも、彼は引き下がらなかった。「世の中の男女を見てみろよ。みんな簡単に付き合ったり別れたりしてるじゃねえか。とりあえず一旦俺と付き合ってみてもいいんじゃないの」。

とりあえず一旦、何をするのだろう。彼女は辟易として、その場を立ち去った。

彼は、棚に陳列するモノレールでも欲しかったのだろうか。ストレートに告白してダメなら、駄々をこねる。欲しいものを手に入れる時の手法が、ずいぶんと年不相応であった。

まあ、あまり手法に長けてるひとも信用ならんけどな、と思いつつ、たまに彼女の話を思い出す。何かしらの欲求は、あまりにも簡単にひとから「相手の立場で考える」という想像力を失わせるらしい。恥も外聞も捨ててしまえるものらしい。それが美談として語られるとき(何度ふられても諦めずに結婚にこぎつけた)もあれば、怪談話(ストーカーとかね)として語られる場合もある。

この残酷な現実については、運でしかないのかなあ。神のみぞ知るのかもしれないし、意外と第三者には丸見えかもしれないし。

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園田もなか

細々と書きながら生計を立てています。ハリネズミのおはぎとロップイヤーのもなかと暮らしている。

日々のつれづれ忘備録2

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