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虫たち

札幌出身なのでゴキブリも見たことがなかったし唯一虫に悩まされるとすれば冬の始めの小さな「雪虫」くらいで家の中に何かの間違いで蜘蛛が出たりしたら大騒ぎしていたものだ。なぜ過去形なのかと言えばオーストラリアに移住してから虫に関してはかなり鍛えられたし今現在虫がわりと友達になってきている。

今暮らしている場所はほんの12−15年前まで森だったような場所を開拓して作られた場所なので夕方頃になるとカエルの合唱が聞こえセミが鳴き人から言わせると生物の生態系として健康な状態にあるらしくそのせいか家にも様々な不思議な虫がやってくる。

まず驚いたのが蛾の種類の多さで日本で見かけた茶色っぽいものだけではなく白くてもふもふした妖精のようなものや裏も表も素晴らしいデザインのものなど、造形美がまず素晴らしいものが多く大きさもかなり大きいので

潰すとか殺すとかが躊躇されるサイズ。

私はライフワークとして日本画を描いているせいかそういう不思議な生物をみると描いてみたい、図柄を真似してみたいと思うのだが、慣れもあるのかこんな虫が出たら昔ならショックで一日暗くなっていたと思う。

それでも蜘蛛は怖いし素手ではなにも触れられないのだが一個だけ大事にとっている虫がいる。

ゴウシュウカブトというオーストラリアのカブトムシだ。

ある日家の近くを歩いていたらひっそりと死んでいた

その頃ちょうど日本画でカブトムシを描いていたので私はその死骸を家に持ち帰りまず標本にする方法を検索した。

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どうやら甲虫類の標本は簡単で小鍋にお湯を40℃くらいにわかしてさっと煮れば良いらしい。

オージーは「その鍋・・・」とかなりひいていたが

それ以来このゴウシュウカブトは私の画室の小さな箱の中にいる。

出来ればこういうキレイな甲虫をあといくつか保存しておきたい。

絵の先生に知り合いの画家は蜘蛛の巣を黒い画用紙にスプレーのりを吹きかけてその巣ごと盗んでくるらしいのよと言っていた。

その画用紙を自分の絵の中に入れ込むらしい。

絵を描いていると最終的に自然美にはかなわないと悟る瞬間がくるのでこうして少しおすそ分けが欲しくなる心理なのかもしれない。

#オーストラリア暮らし #日記

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