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記憶のない徹夜ボウリング

友達は少なそうだけど、なぜか自分とは仲が良かったよな、という人はいないだろうか。
僕の場合、それは大学の同期の(特に意識はしなかったが)異性で、頻度は少ないものの話したり、学食で昼食をともにしていた。

その人は、突拍子もない思いつきを、口に出して実行できる人だった。突拍子もないと思っていたのは彼女以外の人間だけだったのだろうが。

一緒に行かない?と僕に提案されたのは、「徹夜ボウリング」だった。徹夜カラオケ、徹夜麻雀...大学生がやりそうな徹夜〇〇は数あれど、徹夜ボウリングを経験した人はどれくらいいるだろうか。

その提案を受けた時にまず心配したのは、腕と耳である。それまで多くても連続5ゲームほどしか経験したことがなかったし、野球をやっているのに爪が割れがちなので心配だし、パチンコ、ゲーセンの次にうるさいと思っている空間で徹夜して脳が耐えられるのか?という懸念もあった。

もう1つ心配事があった。その会は、デートではなかった。同様に招集されていたのは1つ上の先輩で、彼もまたその独特の口調と世界観のせいで、友達の多いタイプではなかったが、2人は妙に会話が弾む組み合わせだったように思う。

ある夏の夜、我々は街の外れにあるボウリング場に集結した。そして翌日の明朝、我々は解散した。その間の記憶はまったくない。何を話したか、何ゲームしたのか、いつ飽きたのか、何も覚えていない。

#あれなんだったんだ

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