見出し画像

2019/3/19 soarクラウドファンディング開始1ヶ月記念!LIVE配信 勝手文字起こし(前半)

soar(ソアー)は人の持つ可能性が広がる瞬間を伝えるウェブメディア。
社会的マイノリティの人々の可能性を広げているケースをリサーチし紹介しています。年間280万人もの人に読まれているそうです。

soarさんが「困ったときに誰もがサポートにつながることができる「情報のセーフティネット」に生まれ変わるためのリニューアル」を目指しクラウドファンディングを行なっています。


先日、soarさんがクラウドファンディングを実施している理由を説明するLIVE配信があったのですが、これがすごくよかった!!!

なにか「生きづらさ」を感じている方、疾患啓発にたずさわる方、障害者・患者を支援する職の方、ソーシャルグッドに興味のある方…などにぜひ聞いてみてほしいと思ったものの。

動画や音声って、ちょっとハードル高くないですか?

…と思い、スタッフでもなんでもないsoarの一愛読者・一サポーターなのですが、勝手に文字起こしをしちゃいました(まだ半分のみ)。

(※4/5追記:後半部分も文字起こしできました)
https://note.mu/nanbyojoshi/n/n2962561a796e


(下記はLIVE配信を予告するnote記事)


■当日の音声データ

下記Twitterの画像をクリックすると、当日の音声を聞くことができます。


(以下文字起こし、本文中()内は、筆者による追記。ですます調をである調に書き換えた他、文意変えない範囲で表現を丸めた部分あり)
--------------------

■soarがはじまったきっかけ

工藤(編集長):当初から自分が編集長をしている。編集などをやったことはなかったが、この仕事をはじめた。

元々まわりにLGTBの子がいたり発達障害の子がいたりというのもあった。

その中で10年ほど前に、親戚が統合失調症になった。情報を得られないままどんどんひどくなってしまった。自分が何かしらサポートができればよかったのにという思い。そこでべてるの家という場所に出会った。

精神疾患がある人たちが一緒に暮らしながら働いていて、病気なのだけれど弱さを共有しあうことが絆につながっていて、そこからどんどん自分たちの好きなことをはじめたり、病気があっても幸せに暮らしている姿に希望を感じた。でも「全然知らなかったじゃん」今まで知らなかったことにショックを受けた

それから、困難があった時に情報を知らないせいで辛い思いをしている人が多いのではないかと思うようになった。私が知った「べてるの家」みたいな素敵な場所を伝えていくところを作りたい。そう思ってsoarをはじめた。

※soar「べてるの家」に関する記事
https://soar-world.com/2018/11/14/betel1/
https://soar-world.com/2018/11/19/bethel2/
https://soar-world.com/2019/01/22/conference2018_mukaiyachi/

鈴木(soar理事):僕はsoarの理事をやりながら、LITALICO(りたりこ)という会社で障害のある方の就職や学習の支援をしている。soarでも色々な人にインタビューをして文章を書いている。

べてるの家が例であがったが、知っているか知らないかで見える景色が変わってしまう、希望が持てるようになるということがある。情報(社会資源)があってちゃんと届くことの大切さを日々感じていて。

社会資源があることを知らなかった、もっと早くに知っていたら人生変わっていたのに、という声を色々な場所で聞いてきた。

もう一つ、それを情報を届ける方法として、単に無味乾燥な施設の名前と住所だけではそれがどういう場所かわからない。「物語の力」がすごく大事だなと。

そういう活動を通して人がどんなふうに回復していったのか、そこで出会って交わった人がどういうやり取りをしているのかをしっかり物語として届けていくことが、その人の人生にとってすごく大きな意味を持つのだろうなと思っている。

■クラウドファンディングについて

鈴木:(工藤)瑞穂さんが立ち上げたsoarをやる中で、「可能性に光をあてるような物語」を届けていることが、色々な読者の反応として「楽になれた」とかうれしい反響をいただいている。

当初「知らないことが明暗をわける」という思いでやっていたが、サイトは立ち上げた時からリニューアルができていなくて、検索ができなかったり関連づけて他の記事を紹介・おすすめするということができない状態になっている。

本当に「知らない」が「知っている」になる、「自分にあったものに出会える」というふうに変えるためには、soarというサイトや活動・サービスを一段上に進化させていく必要がある。

そのため今回クラウドファンディングの中でも「情報のセーフティーネットを作る」ということをリニューアルのコンセプトとして強く掲げている。

■soarが寄付収入にこだわる理由

工藤:soarをはじめた2015年12月から、3年ちょっとがたった。

(soarは)最初から色々な方に読んでいただけた。ちょうど(はじめた頃)その頃LGBTのパレードが盛り上がっていたり、鈴木が携わる障害者雇用・発達障害とか最近すごく話題になっていて、そうした後押し・波もあって、最初から記事を読んでもらえる状態で。

なかなか今までこういうメディアはなかった。はじめた時はお金もなかった。「この領域のメディア(※社会的マイノリティの人々の可能性を広げているケースをリサーチし紹介する)でお金を成り立たせていくのはすごく大変だ」というのもあって、そういうメディアを運営している人もいない状態だった。

私たちは最初から寄付で運営していくことを大事にはじめた。

最初は収入ゼロの時期が続いた。

デリケートなテーマを、すごく丁寧に取材をしていく上で、なるべく共感者してくださるみなさんからの応援を集めて、応援している人がたくさん集まることで、それが数的にもインパクトになっていって

当事者の人でも「これだけいろいろな人が私のような病気がある人への思いを持ってくれていることがうれしい」と言ってくれる。共感者を増やして大きな大きな動きにしていきたい、ということで寄付でやっていくということをしてきた。


鈴木:社会的マイノリティと言われるようなテーマでも、世の中動きとしてトレンド・注目度合いの強弱がある。LGBTや発達障害、精神疾患などは、一昔前よりだいぶ認知・関心広がった。soar以外の色々な団体・メディアが取り上げ、色々なコンテンツやサービスが生まれている。

上記のようなテーマに比べ、桁が2つ3つ少ない人口の希少疾患・難病だったり、まだ診断名として明確に名前がついていない生きづらさのようなものにも、等しく扱って光をあてていくためには、NPOの寄付会員をベースとした運営方法でないとできないというのがあってそこにこだわってやっている。

テーマを例えば「発達障害」などと絞れば、その中で読者が増えそこに親和性の高い企業さんとタイアップしたり広告出稿をお願いしたり…それはメディアのビジネスモデルの選択肢の一つではある。しかし1回その方法を取ると、規模の大小・関心の強弱で切り捨てられざるを得ない部分が出てくる

寄付収入であればそれ自体がフラットなのでそれを原資に、他のメディアも扱っているある種メジャーな社会課題ももちろん扱うけれど、「soar以外、取り上げていないんじゃないか」そういう問題も含めちゃんと伝えていきたい。そこが大事にしているところ。


工藤:希少な病気・知られていないものほど読んでいただける。

うつとか発達障害だと何か不安があって調べたいときに、割と情報がある。

例えば妊娠糖尿病会食恐怖症…人とごはんを食べるのに不安があるなど、なるひとが少ない、知られていなくて自分が病気だとすら気づいていなくて治療ができていないという病気もたくさんある。

あえてそちら(知られていない側)を記事にしていくのは、読む人も限られていくのだけれども、世の中的には情報がないんだったら出す必要がある。そういうこところを今まで重点的にやってきた。


鈴木:会食恐怖症とかその症状がある人は人口としては少ないのだけれどゼロじゃないというときに、会食恐怖症の記事にTwitterで「やっと私と同じような症状の人の記事と出会えた」というコメントをいただいた。やっていてよかったと思えた。

もうひとつこだわっている点。希少な疾患・問題も扱ってはいるのだが、コンテンツ・物語としては強度や普遍性があるということ。その病気を同じくしていない人にも届くようなものをこだわって作っている

写真も、予算もないしストックフォトで使い回すか…ということはうちは絶対しなくて。毎回撮影を入れ、その人の、その人らしさが立ち上がる瞬間をいろんなシチュエーションでカメラマンに撮っていただいている。

ライター陣も魂の全力勝負で書いている。というのは「病気の当事者のインタビュー」というと平板に「発症したのはいつで、どんな症状があって、なにが大変で…」と下手すると病気は違うけれども一様な聞き方になってしまう。

僕らはその人の病気や障害の経験やその時の困難も聞くけれども、それがその人のすべてではない。

ご本人の生い立ち、なにが好きで、どういった家族や友人関係の中で過ごしていて…長い色々な側面のある人生の中で、病気とか生きづらさというものが本人の中でどう位置付けられて、あるいはそれがポジティブな意味合いに変わっていったのはどんな時なのか

かなり文脈をしっかり…ライター自身もその人と長い時間をご一緒する中で、一緒に探していくようなアプローチでインタビューもするしライティングもする。

それはおおよそ商業メディアからすると非常に時間的にもお金的にもコストをかけている。僕らの記事作成に関しては。
スローなペースで時間をかけて持続的にやる、というためには寄付会員のみなさんに応援してもらうというところが必要不可欠だなと感じている。


工藤:最初の頃から応援してくださる方もたくさんいて。お金払っても払わなくても読めるのだけれど、「社会に必要で続いてほしいから」という人たちの思いをたくさん集めて、そのお金で自分たちも励まされてやってきた。

(soarは)そんなメディアです。

--------------------

※2019/4/5 追記:
後半部分も文字起こしができました。
soarのみなさんが、今回のクラウドファンディングをどんな世界を実現したいのか、どういう思いでやっているかについて語られています。
ぜひご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?