難病(潰瘍性大腸炎)持ち・既卒で就職活動をするアライさんの就活日記 第2話「プ口グラミングスクール大爆発五秒前」

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 前回に引き続き、難病(潰瘍性大腸炎)持ち・既卒・留年で就職活動をするアライさんの就職活動についてお伝えしていくのだ!

 今回はアライさんが5月に転職エージェントも兼ねてるプログラミングスクールに入ったものの、悩んだ末そこを約2週間でやめた話なのだ!

(サブタイトルの「爆発五秒前」は八割くらいタイトル詐欺なのだ。アライさんがウルトラマン好きなのをアピールしたかっただけなのだ)

 結構長くなっちゃったから、この話で何が言いたいかを最初に明らかにしておくのだ。アライさんが言いたいことは……

「就職活動を始める時は、なるべく自分の偏見を離れて、視野を広く持つようにするべき」

「いきなり背水の陣に自分を追い込むのはやめろ」

 ズバリこの二点なのだ。では始めるざますよなのだ!

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 7月11日現在、内定はまだ出ていないのだ。でも就職活動じたいは5月からやっていて、思えば結構いろいろな経験を積んできた気がするのだ。

 アライさん、5月の時点では今の志望職種・業種とは全然違う仕事に就こうとしていたのだ。それはプ口グラマーだったのだ。

 就職活動を始めた時点ではまだまだ視野が狭くて、アライさんにできる仕事はそれくらいしかないと思っていたのだ。中高生の頃からプログラミングは割と興味がある方だったのだ。大学生のときも少しだけ自主的に勉強していた時期があったのだ。

 でも到底スキルとして実際に使い物になるレベルには達していなかったから、アライさんはプログラミングスクールに入ろうと思っていたのだ。そうして調べていくうちに、アライさんはこんな売り文句を掲げているプログラミングスクールに出会ったのだ!

 「うちではプログラミングをただ学習するだけではなく、それと並行して就職のサポートもします!プログラミングを学んだ上でプログラマーとして就職できます!しかもうちを経由して就職してくれれば全部サービスは無料!」

 これを見て、アライさんが求めているのはこれだ!と思ってしまったのだ。一日も待てずにすぐ連絡を取って、そのスクールに入ることにしたのだ。

 5月はコロナの緊急事態宣言が解除された直後で、そのスクールの講義はオンラインだったのだ。でもアライさんは東京に行くとなると結構遠くて交通費もかかるところに住んでいるから、これはかえってチャンスだと思ったのだ。

 スクールでは就職活動をやりつつプログラミングを学んでいったのだ。プログラミング自体は楽しかったのだ!一つ一つ問題に突き当たる度にそれをなんとか解決していって、目標とされている課題をクリアできた時の達成感はまあモチベーションになったのだ。

 ただ、アライさんはそのスクールを2週間でやめてしまったのだ。辞めた理由は、やはりアライさんはプログラマーには向いていないなと判断したことだったのだ。

 アライさんがプログラマーを目指した理由は、「手に職つけたい。いったんそれを身に着ければ後は食いっぱぐれないスキルが欲しい」ということだったのだ。

 ただ、プログラマーの世界はアライさんが想像した以上に厳しいものだったのだ。3年もプログラミングを勉強しないでいると、もうプログラマーとして使い物にならなくなってしまう、と言われたのだ。その話をしてくれた人は、平日に2日間は仕事のあとに2~3時間、土日のうちどちらかは3~4時間プログラミングの勉強を自主的に行っていると言っていたのだ。

 アライさん、そこでこう思ってしまったのだ。自分がプログラミングに対して持っている情熱は、「どちらかといえばそういうのも好き」程度で、到底仕事としてやっていけるほどのものではなかったのだ。

 IT業界では主体性が求められるんだ、とプログラミングスクールの人が強調していたけど、アライさんはプログラミングの学習というシーンで受動的に与えられた課題をこなしていくのが楽しかっただけで、積極的に新しい技術を常に学び取っていくような意欲はなかったのだ。

 実はそのプログラミングスクールは最初の2週間はお試し期間で、それ以降は辞めると違約金が発生するという仕組みになっていたのだ。最後までやり切って就職すれば無料だけど、お試し期間を超えると途中で無料でやめられなくなってしまうのだ。

 アライさんはそれに気付いた時点で2週間が過ぎようとしていたところだったのだ。プログラミングスクールを辞めるかどうかすごく迷ったのだ。

 確かにアライさんにはプログラミングを学び続ける意欲や主体性が欠けている。それに気付いたからには辞めるべきなのではないか。いやしかし、だからこそここで粘り強く最後までやり切るという選択肢もあるのではないか。ここで投げ出してしまったら他でも結局同じことになってしまうのではないか。

 もうじっくり考えている時間もない中で、アライさんがプログラミングスクールをやめる決断をしたのはいつも通っている病院の先生の言葉がきっかけだったのだ。

 その先生はこういうふうに言っていたのだ。

「人間には二種類のタイプがいるんだよ。まずあまり考えずに何らかの選択をして、その後でいろいろ考えて自分の状況を見つめ直し、その選択が正しかったかどうかを考えてそれに対処するタイプの人が一方にいる。そしてもう一方には、事前に綿密なリサーチをした後で的確な選択を行い、常に道を踏み外さないように生きていくタイプの人がいる。

 前者のタイプの人間はたまたまそれが正解だった時はいいが、失敗した時にそこから立ち直るのに苦労する。そして自身の姿勢をそのまま変えない限り、次もまた失敗するかもしれない。そうやってどんどん悪い方向に落ち込んでいって抜け出せなくなってしまうかもしれない。

 私の意見だけど、難病既卒アライさんはおそらく前者のタイプじゃないかと思うんだよ。就職活動をするなら後者の視点を持って自分の生き方を選んでいったほうがいい。

 学力があったり、他の何らかの能力に長けていたりする人間でも、前者のタイプの生き方をしている人というのは決して少なくない。そうした人々はスマートではあってもクレバーではないんだ。どう生きるかはあなたの自由だけど、難病既卒アライさんにはクレバーに生きてほしい、というのが私の意見だ」

 この言葉をかけられた時、アライさんの心の深いところにまでそれが沁み渡ってくる思いがしたのだ。

 就職活動を始めた5月時点のアライさんの行動を客観的に分析してみると、前者のタイプの人間そのものだったと思うのだ。ろくに他にどんな仕事があるのかを調べもせずに、自分にできる仕事はプログラマーしかないと決めつける。その上2週間経ったら違約金が発生する転職エージェントを兼ねたプログラミングスクールに速攻で入ってしまう。

 このままいったら先生の言う通りエージェントに良いように利用されて、あっちがより大きな利益のために入らせようと思っている会社に入社させられて、入って数か月で病んで退職するような未来しか待っていないような気がしたのだ。

 アライさんはそこでプログラミングスクールを辞める決断をしたのだ。

 今振り返ってみるとこれは正しかったと思うのだ。プログラマーしか自分ができる仕事がないと思っていたアライさんだけど、今受けている会社は全然違う業種・職種で、いろいろと考えた結果それをやってみたいと思うようになったのだ。

 確かに、先生の言葉はそれだけが唯一の真理じゃないと思うのだ。どんなに予測しようとしても見えない未来に向けて踏み出さなければならない時というのは絶対にあるし、そういった瞬間に偶然的に襲い掛かってくる運命においてこそ人生の深淵に遭遇できるとアライさんは思っているのだ。

 ただ、人間が常日頃からそんなものに出会いまくっていたらたまったものではないし、少なくとも就職活動を始めるにあたってはもっと視野を広く持っておくべきだったのだ。そして十分に広い視野を持って考えた上で、少しずつ選択肢を絞って最終的な決断に踏み切るべきなのだ。最初から一つこれを選んで背水の陣に賭ける、なんてやり方は馬鹿だったと思うのだ。

 今後内定が出てどうしようか悩むこともあるだろうけれど、なるべく先生の言う通りクレバーに選択を行うよう心掛けようと思ったのだ。

 プログラミングスクールをやめたこの出来事からは非常に学ぶところが多かったのだ。

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 さて、若干長くなってしまったけど今回のお話は以上でおしまいなのだ!ここまで読んでくれてありがとうなのだ!

 ひょっとしたら地獄に続く一方通行道路に入るかもしれないところで引き返したアライさんの経験だったのだ。

 そうしてここからアライさんはもっと普通の転職エージェントを利用する、一般的な就職活動を始めることになったのだ。

 次回以降はその話をしていくのだ。転職エージェントの話がメインになるかもしれないのだ!お楽しみになのだ!

 

 

 

 

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