新たな生活様式〜世界が広がる可能性も〜流れにのってみては

第107回

難聴ソルのゆんたくTime

2020年(令和2年)6月5日 島原新聞掲載


5月15日に長崎県内で新型コロナウィルス緊急事態宣言が解除されましたが、引き続き「3密」(密閉、密集、密接)を意識しながら行動しましょうとのこと。そんな状況の中で、皆さんはどう過ごされていますか?私は、毎晩のように字幕付きのオンラインミーティングに参加しています。

私が主に使っているのはZOOMというアプリです。

ZOOMはこのアプリをインストールしておけば、参加したい集まりに申し込むことができます。基本的には無料でインストールできます。主催者から事前にURLが送られてくるので、それをタップすると、会議に参加できます。

実際に私はUDトーク講習会、英会話のレッスン、ながさき愛の映画祭のスタッフミーティングなどで活用しています。最初は操作方法も使い方も全く分からず戸惑うことばかりでした。これを使って皆で集まろうと企画をしてくれたのは、UDトークでおなじみの坂本朋恵さん(文織工房)でした。

コロナ禍で皆が外出できない時に、なんとかして聴覚障害者の皆さんに今の状況を正しく伝えたいという思いで、ZOOMを使ったUDトーク講習会を開いてくださったのです。これに賛同した方々が県をまたいで参加してくれました。このときに皆をつなげたのがZOOMです。何度か使っていくうちに、大体分かるようになってきました。何でも使ってさわってみないと、その良さは分からないものです。

このZOOMを使ってみると、とても便利だなと感じました。多人数でオンライン海外会議をすることができます。もちろん会議などの仕事だけではなく、友達とのおしゃべりにも使えます。「オンライン飲み会」というものも流行っているようですね。

ZOOMの特に良い点は、字幕が付くことです。UDトークの画面を共有しておくと、共有画面に話し手の言葉が文字になって表示されます。これが私にとって一番の利点です。一般的な会議室での会議よりも、コミュニケーションの行き違いがなくなり、記録も残せるのでとても良いなと思います。

ZOOMを使うことによって、また別の世界も広がりました。それは英会話です。以前、英会話教室に通っていたことがありますが、やはりうまく聞き取れずに断念した経験があります。ところが、今回ZOOMによる英会話に参加すると、とても楽しかったのです。今回のクラスのコンセプトは「話をすること」。参加者は4人。それぞれ別の場所からの参加です。一番のポイントは司会者が、難聴者がいることを配慮し、講師が会話をその場でタイピングして文字を表示してくれる点です。文字で見ることができることで、内容がよく理解でき、私も心地よく参加することができました。

このような英会話教室なら、自宅にいながら参加するオンラインシステムの方が、効率が良いと感じました。もう一つ面白いのは、レッスン料の支払いです。どうやって支払うのかというと、PayPayのQRコードが最後に画面に映し出され、それで支払います。全てオンラインです。こういう時代になったのです。

新型コロナの影響を受け、家にこもりがちになっていらっしゃる方も多いと思います。ですが、新聞紙でしか情報を得ることができなかった時代とは違い、今は手元のスマホで情報の受信、送信ができる他に、工夫次第でネットでも数人で集まり、おしゃべりをしたり、会議を開いたり、講座を開くことが可能な時代になりました。コロナ禍がこの流れを一気におし進めています。

私もPayPayは最初大丈夫かな?と思っていましたが、使い始めると便利です。お金をさわることによる感染の心配もしなくてすみます。

オンラインにしろ、キャッシュレスにしろ、正しい知識を持ち、ルールを守り、セキュリティをかけることで、安心して生活の中に取り入れることができます。まずは、使ってみることが大切かもしれません。「私には無理」と思わずに、新しい流れに乗ってみませんか?

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