漫画描きさんへ クロッキーのすゝめ
漫画を描くのは大変です。
描き始めると沢山の壁にぶつかります。
横顔が描けない。
後ろ姿も描けない。
背景も描けない。
この場面が描きたいのに描けない。
あの小物が描けない。これも描けない。
なんにも描けない!
漫画を描くのは大変です。
最低限の画力はあって当然。
コマ割りやストーリー構成、視線誘導といった演出も考えなければなりません。
音楽の総合芸術がオペラなら、美術の総合芸術はマンガに違いありません。
そんな大変な漫画制作においてクロッキーがとても効果的だったというお話をいたします。
*クロッキーとは
私がクロッキーをしようと思ったきっかけは、人体のバランスの理解と早く描けるようになりたかったからです。
また、趣味の活動とはいえお金をいただく以上、それに見合った技術を磨くのは義務であると感じたためです。
*実際の効果
効果1 基礎画力アップ
人体の構造が解ってきた
描くのが早くなった(=迷いが減った)
クロッキーで私が求めていた効果です。
四肢の長さや胴体のバランス、頭と首のつながりなど、今まで自分の体を測りながら描いていたのが、いちいち測らず描けるようになりました。
クロッキーをして初めてウエストと足の付け根の間に「腰」があることを理解した私……。
効果2 表現の幅が広がる
資料を見れば大体その通りに描けるようになった
「見る目」が養われた
難しい構図にも抵抗なく挑戦できるようになった
漫画の原稿をした時に実感した効果です。
作画中はほぼ何かしらの資料を見て描いているのですが、それさえあれば描きたいものが自分の納得行く水準で描けるようになりました!
「見れば描ける」という自信が付いたので、難しそうだからやめて簡単なポーズにしよう……という逃げが無くなりました。
効果3 思わぬ副産物
時間を掛けなくて良いのでスキマで練習できる
絵を描いた気分になれる
その達成感で自己肯定感アップ
画力向上には毎日絵を描けとよく言われますが、クロッキーは最長10分で良いというのが絵を描くハードルを低くしてくれました。
また雑で当たり前なので「ちゃんと描かなきゃ」がなく、上手に描けないならいっそ辞めてしまえと思ってしまう残念な完璧主義者の私と相性も良かったです。
番外 デメリット
絵が可愛くなくなった
リアルの人間を描いているのでイラストの魅力や可愛さが無くなりました(元々ありませんでしたが)。
しかし今は基礎画力の向上を優先したいのでそこは一旦諦めます……。
*本当に実力は付いたのか
消しゴム禁止
手癖(絵柄)で描かない
未完成にはしない
あるならなるべく背景も描く
1日10分✕1ポーズ
この条件で2022年末から始め1年以上が経ちました。
クロッキーのモデルはこのサイトを使っています。
1年以上続けるとどんなポーズでもひとまず描き上げることが出来るようになります。
効果2で難しい構図にも抵抗なく挑戦できるようになったと書きましたが、このサイトのトンデモポーズに比べれば漫画1コマの構図なんて可愛いものですよ(笑)
スタート時と1年後の絵
全然変わっていません!!
……言い訳させて下さい。
1週間続けたと思ったら数ヶ月くらい描かなかったりで、1年経っても100pのクロッキー帳は半分しか埋まらなかったのです。
毎日描いていた頃
始めて1ヶ月くらいは毎日描いていたのでここの変化は大きいと思います。
これ、365日描いていたらかなり変わったんじゃないでしょうか……。
改めて継続することの重要性を感じましたが、それでも一定の効果は実感できるので多少サボっても気にしなくて大丈夫です(笑)
今年に入ってからさらなるスピードアップを目指して5分✕2ポーズにしました。
最終的には資料なしでどんなポーズでも描けるようになるのが目標です。
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