ボカコレ2024冬良かった曲10選

The VOCALOID Collection 2024 Winterお疲れ様です。
参ります。
最初の4曲は良かった順(TOP3にしようと思ったのですが、4個になってしまった)、残り6曲は「再生数が少ない順」に上から並べています。

1.お柴鉱脈 - mother

歌詞・歌声・ポエトリーリーディング・インスト・MV、どれを取っても完璧。本当に素晴らしいです。
終盤、ゆっくり霊夢のポエトリーリーディングの後ろで、ほぼノイズみたいな音圧の音と滲音かこいの力強い歌声が入る部分があるのですが、そこでなんかこらえきれなくて泣きました。MVの方も、ゆっくり霊夢の字幕としてよく使われる赤色のフォントの後ろで、眩しいほど青くされている空が動いている・・・という構図に心から感動してしまいました。最後、今までにないほど重いベースと打楽器と滲音かこいの歌で終わるという締め方もステキすぎる。
「二度と聞けない父の口癖のmp3を違法で落とす」
「魔理沙がワープ航路に入る前にこれが届くといいのだけれど」
こんな歌詞他にありません。すべて消えないまま残るように思えて、実はあらゆるものが忘れられて時代が移っていく・・・まさにインターネット・ノスタルジーです。
今回のボカコレはダントツでこれが好きでした。というか僕の理想の音楽にかなり近いです。

2.ikomai - アフター・ザ・ツァイス

展開力と発想力が化け物です。昨今のボカロ曲では珍しく6分というやや長い尺ですが、曲の展開が良すぎて6分を本当にあっという間に感じてしまいます。僕は映画みたいな音楽を「音楽映画」と言うのですが、完全にピッタリ僕のイメージに当てはまりますね・・・。全く別の音楽が1曲の中に3曲入っている感じがします(実際Scene 1~3に分かれてるっぽい)が、全体的なバランスと雰囲気は非常に良くまとまっていて流石です。
まずイントロの昔のディズニー的な音が凄くインパクトあって、そこから普通にポップに始まってボカロが入ってくるというギャップが面白いです。
最初の展開ではビートがめちゃくちゃリズミカルで、ボーカルもかなりキリッと歌っていて、踊れる感じです。また、後ろでコードをおさえてる音やベースの音がちょっとアナログっぽくて、ゲーム音楽みたいで懐かしい感じがします。
そこから急が一変して、ふわふわとした音で浮遊感を感じられます。ボーカルが3連符主体になって、ちょっとラップっぽい歌い方になるのがオシャレで良いですね。そのあとピアノの上に汽笛?の音が出てくるのですがこの音が凄く良いです。
その後可不のボーカルが戻り、最後のサビに突入します。このサビのボーカルの高音がものすごく力強くて、感情が入っている歌声でこちらまで泣きそうになります。メロディや和声の進行的にも半音ずつ上がっていったり急にストンと意外なところに持っていかれたり、いろいろ聴き手を引き付ける工夫がされてると思いました。
最後にギターソロ、何度聞いても鳥肌が大変なことになってしまいます。やばすぎる。終わり方も良いんですよね。
いやー良い曲です。こんないい曲に出会えて幸せです・・・。
これTOP100だと思ってたらルーキーでした。???

3.サカダケイ - スペシャルゲスト

アコギ(クラシックギター?)の音がとんでもなく良いです。前半はグリッチノイズっぽい電子音が主な伴奏に混じっていてそれも凄く味があって良いのですが1番Bメロから超ボサノヴァなギターが出てきて、サビでギターがかなり前の方に主張してくるのがオシャレすぎます。(しかも音が良すぎる)
2番Aメロでは引き続き伴奏でギターが鳴るのですが、アコギ特有の指で弦が擦れるノイズみたいな音が入ってて、それが凄く暖かくて美しいです。またこのノイズが1番のグリッチノイズ的な音の役割を果たしているという・・・。
あとシンプルにメロディが良すぎます。2拍3連が超イイです。めっちゃ耳に残る。意外に伴奏の音数がそこまで多い訳ではないので余計にメロディがスッと入ってくるんですよね。Aメロ、Bメロは間を空けながらリズミカルに可愛らしく歌われますが、サビになるとボカロが一斉に歌うのでかなり芯がある感じで聞こえます。
MVのイラストもとてもかわいい。かなり好きです。
「カメラは平凡を写し今日も一般人のきみは嘆く」コンセプティックで良いですね。

4.陽裕 - コロニスの閑吟-α

これに関しては「僕の性癖です」の一言ですべて解決してしまいそうです笑 ドストライクです。
全体的にジャジーな雰囲気を纏いつつ、ロックやダンスミュージック的な要素も取り入れていて、まさに一曲で2度3度美味しい曲ですね。
ピアノの音色がかなりダウナーな感じで凄く素敵です。またそのピアノのフレーズがいちいちカッコいいんですよね。サビ以外のところの伴奏は大体ピアノが主体、かと思ったらサビで急にギターがパリッと雰囲気を変えて出てくるのがめちゃくちゃ良いです。サビはついでにストリングスも出てきます。このギャップがとてもいい。
また間奏でお洒落すぎるサックスのフレーズが登場して、ここで更にグッと引き込まれます。全体的に楽器一つ一つの音を大切にされている感じがして非常に良いです。
この曲もサビのメロディがとても頭に残ります。コード的にもサビ以外はかなり複雑なことをしていますがサビになると結構キャッチーになって、やっぱりこのコントラストが素晴らしい。転調もだいぶ派手にやってますが結果よくまとまってて凄いです。

5.schoolmizzy - hidro

古き良きインディーズバンドの感じと古き良き初音ミクの歌声が合体して、とても懐かしい雰囲気を醸し出しています。ミクさんの歌声がちょっと囁くような感じで、かつどこか寂しそうな表情を見せているのが素晴らしく感情的な表現だなと思います。本当に伸びやかですね・・・。
また、使用楽器についてもドラム、ギター、ベース、一瞬ピアノ、だけであり、楽曲構成もザ・JPOPという感じで非常にシンプルではありますが、ミックスをやや粗くして、録音っぽい音質に仕上げてるのが非常に味があって良いです。
言語化が難しい良さが多い曲なので是非聴いてみてください。

6.なつめ - Wilderness

聴き心地が良すぎます。水っぽいパルスが鳴る曲は最近割と流行っていると思うのですが、この曲はその中でも一線を画して雰囲気良く仕上がってます。パルスの後ろで細かく刻むドラムループや、重めのキックなどが、壮大な風景を彷彿とさせます。またMVの良い景色集みたいな感じも曲の雰囲気に合ってて良い。聴いているだけで旅をしているようで、ワクワクしてきます。最後のドロップではとてつもない質量をもってこちらに押し寄せてきて、エモすぎて爆発しそうになります。
あとあまりにもメロディラインが素敵すぎる。波のように変化するインストと対照的に、ストレートな歌詞とともに叙情的なメロディラインを歌う可不の歌声がよく目立って素敵です。

7.Natrium - オーバー・ゲーム

生音のギターやピアノと電子音のチップチューン的な音の使い分けがとてもうまくて、どちらに展開していくときも曲の雰囲気は保たれていてとても良いです。特にベースは、ベースギターとシンセの低音どちらも使われていますが、どっちもめちゃくちゃフレーズが良い。トータルで展開もかなり多く、それでいてサビのメロディラインが超キャッチーで、耳に残ります。
ナースロボ_タイプTのポエトリーリーディングの部分で後ろで鳴ってるピアノソロがめちゃくちゃ感動的。ポエトリーリーディング1回目の後ろで鳴るサックスがかなり衝撃的というか、意外な登場で、それでいてお洒落で素晴らしい。

8.そぞろまる - 放す羽

名前シレズの歌声がまず凄く可愛らしくて、歌ってくれることに感謝したくなります(?) 湿ったpadの音がとても暖かくて、雄大な風景を感じさせてくれます。サビの入りでピロリン♪と起動音みたいな音が入ったあとにベースとボーカルのみ残るサビが良いですね。また、ラスト、そのサビからどんどん音数を増やして終わっていくのが、フィナーレ感あってよいです。
全体的に、ベースからパルスまで綺麗な音作りがされています。拘りが感じられます。しっかり曲としての芯はありつつもキラキラして可愛らしい雰囲気が凄く出ていると思います。
展開も多く、ベースがめっちゃ重いところ、キックが凄く目立つところ、7拍子のところ、昔のプレステみたいな感じの音が鳴るところ、本当に2分40秒の中でテーマパークのようにコロコロ景色が変わっていくのですが、ボーカルなどのメロディがその全てを統率して、しっかりバランスよくまとまっています。素晴らしい展開力だと思います。

9.ひらぎ - 盲目の怪物

いやオシャレすぎます。体の全てがオシャレからできてます。アンニュイな歌い方の初音ミクに、エロすぎるメロディ。僕はこのくらいのテンポで8分の裏拍を取っていくのが好きなのでこの曲は本当にド性癖です。メロディがマジで良すぎる!!!半音が本当に凄すぎます。音程の変化こそ他のボカロ曲よりは少ないですが、なんというか初音ミクにしか乗りこなせないノリを持ってる気がします。
また、地味に後ろでスラップベースがかなり鳴っているのですがこれがカッコいいです。割とベースが高いところに寄り道する場面が多くてそこも味があってとても良い。重過ぎないギターの音がリズムのメリハリをつけながら進行する感じが本当に良いですね。そのおかげで全体の輪郭が非常に鮮明になってます。

10.d.j.ァネイロ - 一龠

この曲はジャンルとしてはほぼBreakcoreに近いのですがサウンドにやや中国のニュアンスが入っていてそのギャップが凄くカッコいいです。この方の曲のflowerはめちゃくちゃ低いところで基本的に歌ってたまに高いところに来るという特徴があって、今回もそれがよく表れてます。ベースの音がとんでもなく重くてカッコいい。たまに無音になる瞬間があるのですがそこも含めて音楽を奏でていて凄く良いです。
またこの曲は映像込みで一つの作品なんだろうと思います。こんなMV見たことありません笑 度肝を抜かれました。
このUnicodeの16進数の大きさによって上下のバーみたいなやつが位置を示すみたいな演出が特に好きです。漢字ラップのところは、恐らくこのバーの位置とアーメンブレイクのもとの波形における位置が連動してブレイクビーツを刻んでいるのだと思います。こういったところからも映像と音楽のマッチが感じられますね。ルーキー2位流石です。

おわりに

10曲紹介しました。このほかにもたくさんいい曲があったので、マイリストを貼っておきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?