曲の独自解釈

3.ELLEGARDEN


ご機嫌いかがでしょうか、なのすずです。
今回はELLEGARDEN。
少しでも1曲1曲が出会うべくして出会う方に巡り会えますように。

TV Maniacsは、月がまだ残る夜明け前に反撃を始めようと武器を揃えるようなこの曲には、英語の歌詞ならではの皮肉が篭められている。ドラムで怒りの火をくべる事になった相手の言動に煽られ、ベースは虎視眈々と反撃の機会を伺い、怒りの火を更に広げらる様をギターで、歌は反撃のための武器。相手は「敵」とか「悪役」とかそんな一部の存在ではなく、大きく括られた業界そのもの。歌はその相手に食い物にされている側を後押しする。

Alternative Plansは、ぐだぐたに考えながらも星を掴むような算段を練って失敗を繰り返しながら、心身共に疲弊しながらも目標に到達しようとしている曲。ドラムで彼らの中で正しいルートのはずの算段を進め、彼らの心と命を削るために用意されたような現実はベースが突きつけ、ギターはそれに擦り削られる身体で歌うことで現実と理想を比べる。歌詞の「星を数えるようなバカじゃないんだから」は、星を掴むような理想あるいは目標に向かうための現状の勇み足を感じる。

Wannabiesは、「本物」や「オリジナル」と呼ばれる何者かになりたい承認欲求とそれを満たすための何かを探すために眼光をギラつかせて突っ走る人間がふと足を休める曲。ギターは自分の承認欲求を満たすことを適えるための血肉は歌で、ドラムはそんな彼に少し足を止めるように促し、ベースは既に承認欲求を満たすための材料は手許にあると諭している。「目をきつく閉じれば君はなりたいものになれる」の歌詞に対して、「君の行きたい道がいつだって正しい」はどこかしらで自分の進んできた道が合っているかの答え合わせの大切さを諭されているようだ。

Addictedは、自分が窮地に立たされた時に他者に自身の人生の舵取りを「君」に委ねようとしている曲。ドラムで自分の人生の終わりへのカウントを刻むようにギターで人生を転がり落ちていき、ベースは首の皮一枚で繋がっている状況で思考を投げ出して、歌はまるでデスゲームのゲームマスターに好きにしてくれと人生を委ねる登場人物の1人のよう。狂っている人間は自分を真っ当だと訴える。だからこそ、「マシな人間のふりなんて出来ないよ」の歌詞から、彼はマシな人間で下手すれば巻き込まれた側だと理解ってしまう。

Perfect Summerは、外で雨が降る中2人で暖を取る理想が現実では必死に散りばめられた言葉を拾おうとするのにとり零していく曲。ギターは夏の肌を焦げつかせるような日差しで、ドラムはその理想をに少しでも近づけさせたいと足掻いているのに、着実に2人の最後の日が訪れる残酷な現実をベースで、その理想と現実の表裏一体を書き残すように歌っている。「僕の心があるところから」という一節に、彼の不器用さが表されていて、「君」にはその心が伝わっていないからこの距離だということも読み取れる。

まずはこの5曲まで。
私は風見鶏のように気まぐれなので、増えたり書き換えていたりとひょこひょこ変わります。
自分の色を出さないように、自分の感性と言葉を捻り出して書き出しました。
個人的な独特な視点での捉え方もましましなので、お口に合うも合わないもそれぞれで受けとめて頂ければ幸いです。

【編集:2023.8.28 8:40】

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