ピアノ・コンプレックス

私には

「ピアノ習ってたし好きなのに全然上手くないコンプレックス」

がある。


同じような人、結構多いんじゃないかな。

この世界はピアノを弾ける人の母数が多すぎて、身の回りにも上手な人がごろっごろしているんだもの。

みんなショパンとかさらさら弾いちゃうんだもの。

ああいうカッコいい曲は弾けないから、高校くらいまで続けてきたのにずっと

「特技はピアノです」

とは言えない人生だった。


もちろんそういう人たちは並々ならぬ努力をしてきたんだろうし、
練習しなかった私が上手くないのは当然なのだけど。

ちなみに私は小学生の頃は全く練習をせず、
中学生の時に合唱の伴奏をするようになってから楽しくなったタイプ。

それでもそこからどんなに練習しても指はろくに思うように動かなくて。

大人になってから始めてすごい弾ける人もいるから、単に才能がないのだろうけど悔しいな。



さて、今、私の娘たちはピアノを習っている。

去年の夏から始めた二人は幸いにもとても楽しんでくれていて、
親バカながら幼少期の私よりずっと上手。


家でのピアノ練習には、基本私が付き添って教えているのだけれど、

教えながら思った。

これ、私の力、大き過ぎない??

家で技術的に見てくれる人がいなくて子供が自分で練習して上手くなるとか、
無理ゲー過ぎない?

いやもちろん自分でしっかり練習して上手くなる子もたくさんいるんだろうけど!


ピアノって練習成果を見てもらう習い事みたいなとこあるので、
練習しなきゃあまり意味がないんだよね。かつての私がそうだったように。

しかもピアノ教室の進め方って一曲できたら次はこの曲やってきてね、の予習方式。

進む度によくわからない音符や記号の出てくる楽譜(ワークで教わってても感覚ではピンとこない)を見ただけでどんな曲かを読みといて、更に弾くのは小さな子供にはとても大変。

そりゃ練習なんかできませんって。


私も余裕ない時は

「ほら楽譜読んで!弾いてみな!」

なんて言っちゃう時もあるけど、まあグズグズになって終わるよね。


逆に余裕のある時は初めての曲を弾いてあげてメロディを覚えてから

「この音を伸ばしてる間にこっちを弾くだけだよ」

「見て、親指はずっとミしか弾いてないの。親指はここにキープ!」

って説明的に教えたり、

つなげて弾く、やさしく弾く
じゃ伝わらないからわざと反対の弾きかた(スタッカートで力強く)で弾いてみせて
「これはちがう」
を体感させてあげたりするだけで、
あっという間に上達していく娘たち。

長女なんか弾ける曲を短調に変えて遊んだり、曲も作ってるんです。

私が大学くらいでやっとやり始めたピアノで遊ぶことを…たった半年で…。


まあそんなわけで、ずっとコンプレックスだった自分のピアノ、

週に30分のピアノ教室と、誰も見てくれない自主練習のみでやってきたわりにはまあまあ頑張ったんじゃない?

下手だからこそ娘らに教えるポイントはいいとこついてると思うし、
やってきて良かったな。

…と思えるようになりました。

まだ「特技」とは恥ずかしくて言えないけれど。


私はピアノがちょっぴり弾けます。


ピアノが好きです。

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