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魔王 vs 覇王

ヴァサラ以外原作キャラが出てきません
物書きド初心者です
文章力クソですが許してください

「ふ〜〜っ…おっ、でっけーとこだなぁ…ここが俺の外の世界で始めて辿り着いた国…か」
自分の生まれた国から外に出たヴァサラは
栄光の国  サンドキレアへと辿り着いた…のだが…
「まったく……共通の通貨も持っとらんとは…どこの田舎モンだお前は」
「俺の国にはそんなの無かったし…」
なんと入国料を払えずにいた
「…まぁ、とりあえずお前の持っていた物を換金すると、金貨4枚と銀貨20枚だ。価値のあるもの持ってて助かったな。」
「はい……ごめんなさい」
そしてヴァサラは早速訪れた困難(?)を超え入国することができた
「…さて、また金が無くなったら大変だからな、傭兵にでもなるか」
「おう、すまねぇおっちゃん」
「あん?なんだぁてめぇ、ここらじゃ見ねぇ顔だな」
「ああ、外の国から来たんだ。傭兵ができるとこ探してんだけどよ、どっかねぇか?」
「んあー…ここは王族がよく通るからなぁ適当に役所でも行きゃ護衛の依頼でも受けられるんじゃねぇか??」
「ありがとな!おっちゃん」
「おーう………あ、しまった護衛やるなら教えてやりゃ良かった、魔王軍の事………」

「ここが役所か、でっけぇなーー…失礼しゃーす……」
「なんの御用でしょうか」
「…あ、いやーあの…護衛の依頼とかないっすか?なるべく報酬がいいやつ」
「報酬がいいものですか…それなら護衛よりも食用の動物を狩る方が報酬が良いですが…」
「あ、んじゃそれで」
「こちらが依頼文です。サインを……ヴァサラ様ですね、ナイフなどの道具は…」
「大丈夫だ、剣(傘)がある!」
「了解しました、いってらっしゃいませ」

〜森〜
「ってもな〜ちっこい動物しかいねぇし…牛とかがいる訳でも……」
「グルルルルルル……」
ヴァサラが後ろをむくとそこには自分の4倍はあるであろう大猪がいた
「そうそう、こーゆーのー……ってデカ過ぎないか?」
「ブモォォォォオオ!!」
困惑するヴァサラを他所に大猪は突進していく
「ちょっと待てって!」
髪一重で避けるがその巨体に見合わぬ身のこなしですぐに突進を繰り出してくる
「このやろぉ…うらぁ!!」
ヴァサラがイノシシの体に斬撃を浴びせる
「こっからだ、へへっ」
ヴァサラの調子が出てきた
その時だった
「ブモォ……オン」
大猪が勢いを失い、倒れてしまった
「なんだぁ?急に倒れちまって」
「おう、アンタ大丈夫だったか?」
木の影からヴァサラと同じほどの体格の男が出てくる
「?誰だよ、お前」
「俺はヴァサラ!覇王になる男だ!」
「俺はハルバード、魔王になる男だ!!」

「覇王ぉ??なんだそりゃカッコ悪ぃ」
男…ハルバードは開口一番失礼なことを言う
「なっ!!お前だって魔王なんてダセェじゃねぇか」
「んだとぉ!!?」「やんのかぁ!??」
睨み合った後馴れ馴れしい態度でハルバードは聞く
「ところでヴァサラよー、なんでこんな森にいんだ?迷子か?」
「ちげぇよ、金がねぇからな。依頼こなしてんだ」
「ふーん、狩りの依頼ならこのイノシシやろうか?」
「えっ、いいのか!?」
「おう、そのイノシシをやったのも、未来のハオー様がピンチそうだったから助けてやっただけだ」
「なぁっ俺は全然ピンチじゃなかったっつーの!ここからだったんだよ!ここから」
「そうかよ、まぁお前とはまた会えそうだ。じゃあな」
「あっおい!……行っちまった…」
〜街〜
「失礼〜………あの、狩りの依頼達成?したんだが……あ、名前はヴァサラだ」
「では狩ったものを見せていただいても?」
「あぁ!…………よっこらせっ…と」
「これで大丈夫か?」
「………あ、えっ…と報酬は設定通りの金貨30枚と、これだけ大きいのでさらに10枚…そこから解体料を引かせていただいて…合計金貨38枚となります」
「ありがとうな!」
ヴァサラはルンルン気分で外へ出ていく
「…にしても、腹が減ったな。ちょっと肉貰えばよかったかな…」
「おっちゃん、串焼き2本!」
「はいよ、銀貨6枚ね。まいど!」
「…よし………おっちゃん!串焼き5本くれ!」
「あいよ!銀貨15枚ね!…まいどあり!また来てな!」
「いただきまーす……うんめぇ!カムイにも教えてやりたいな…」
そうヴァサラが串焼きを頬張っていると後ろから身なりの良い男が話しかけてきた
「すまない、すこしいいかな」
「なっなんだ、お金は払ったぞ」
「?あぁ…そうじゃなくてな、さっきのイノシシ君がやったのか?」
「(ほぼアイツだけど…まぁいいな!)おう!俺がやった!」
「そうか…すこし話がある、宮殿まで来てくれないか?」
「ん〜〜でも宿も探さねぇと…」
「うちの宮殿に泊まるといい、ついてきてくれるね?」
「まじか!!おっちゃんいい人だな!ありがとう」
「おっちゃ……んんっまぁいい感謝するよ」
〜宮殿〜
「んで、話って何なんだ?」
「実はもうすぐとある軍団との戦いが控えていてね。実力のある人をスカウトしているんだ、君にも戦って欲しいと思ってね」
「ふーーん、まぁいいぞ」
「そうだ君の名前を聞いていなかったね、名前は?」
「俺はヴァサラ!覇王になる男だ!この国には旅してきた」
「覇王……?」
その一言に男は反応する
「なっ、なんだよ、俺は絶対覇王になるんだ!」
「あっ、あぁすまない。んん、私はキール。王国騎士の第二騎士長だ。よろしく」
「ああ!よろしく」
ヴァサラとキールは熱い握手を交わし、戦いのことについては翌日に説明を受けるということでヴァサラは眠りについた

「おはよう、ヴァサラ君」
「んあ〜、おはよう…」
「さて…敵の事について話したいが……大丈夫か?」
「あ、うん…(ぐぅううぅぅ〜)あ」
「…朝ごはんついでに話そうか」
そうしてヴァサラとキールは朝飯を食いながら今回の戦いの敵のことについて話す
「…んん!うまっ、うんまっ!この国はすげぇな!あるもん全部うめぇや!」
「そうか、それは良かった……よく食べるね」
「ん、うめぇからな!」
「まぁ食べながら聞いてくれ、まず今回の敵には神隊と呼ばれる部隊がいる」
「ひんはい?(神隊?)」
「あぁ、大将の手となり足となる部隊だ。人の身体の名前がついている。まず戦闘部隊の大口、体殼、足撃、掌張隊、そして偵察部隊の眼力隊、鼻化隊、耳獄隊。この6部隊を神隊と呼ぶ」
「ほうなのか…(そうなのか)」
「各隊長もとてつもない力を秘めている…これに我々も手を焼いている」
「大丈夫だ、俺の方が強いからな」
「フフ、それは頼もしい」
「んじゃ、ちょっと散歩行ってくる!」
「いやっこれから作戦を…」
「後で教えてくれ〜!」
「…全く嵐の様だな」
ヴァサラは散歩をしていると見覚えのある後ろ姿を見つけた
「あれは…おい!ハルバード!」
「んぁ?おー…いつぞやのハオーじゃねぇか」
「ハオーじゃない!覇王だ!!」
「あっそう…」
「なんだよ…落ち込んでんのか?」
「…昨日、友人が亡くなってな」
「そうか………すまん…。その変な事を聞くが…王とはなんだと思う?」
「どうした急に」
「母国で戦争があってな…俺は母国をどうすればより良くできるか知るために外の国に来た」
「難しいな…」
「……強き力を持ち己の好きなように、大切なものも欲しいものも好きにできる……心の強い人間…か??」
しどろもどろだがハルバードは答える
「そうか、難しいものだな」
「…お前意外と……」
「なんだよ」
「バカなんだな」
「な、な、なにぃ!??」
「覇王になってから考えてみろよ、その方が楽だろ」
「そうか、ありがとな」
「………そうだ!イイもん見してやるよ」
「えっ?イイもん?なんだ??」
「こっちこっち…」
「ちょ、ちょっと待て」
「これだ!見てみろ!!」
「……これ…本で見た!!三角の金の塔!」
「やっぱり、お前見るのは初めてか」
「あぁ、知らないものばっかりだな。疫病も流行ってないようだし…」
「!?……っはは、いつの話してんだお前ぇ!確かに脅威だったぞ、数年ほど前まではなぁ。もう薬もあって今じゃただの風邪扱いだ、ホントどこの田舎モンだよお前は!ははは!」
「えっ!そっそうなのか??!あっじゃっじゃあ!地上のバカでかい絵もあるのか!?」
「バカでかい絵ぇ?……あぁあの地上絵か」
「あるのか!??…カムイにも見せてやりたいな…」
「カムイぃ?誰だそりゃあ」
「カムイってのはな…………」
ハルバードとヴァサラは様々な事を話した…
「もうこんな時間か」
「早く戻るか」
「…あのっ…さ」ハルバードが何か言いたげにしている
「?なんだよ」
「俺らは…友達(ダチ)……でいいんだよな」
「何言ってんだ、当たり前だろ?」
「そっか!ありがとうな!またな〜」
「お、おう……っと早く戻らねば」
そして日が沈んだ頃宮殿へ戻り、キールに思い切り叱られ、作戦を聞いた
そして…決戦の日……
警備が叫ぶ
「魔王軍が来たぞぉ!!!!!」
「!?魔王……!」
ヴァサラが魔王という言葉に反応する
「王族共!!!戦争だぁ!!!!」
ヴァサラが声のした方を向くとそこにはお互いを語り合った友、ハルバードがいた

「一体…どういう事だ…」
「どうした?ヴァサラ殿?」
ヴァサラと共に行動する予定のベルナという男に問われる
「ベルナ!アイツが敵なのか!?最近知り合った俺の友なんだ!」
「呼び捨て………ヴァサラ殿は外の国からきたのですよね」
「あ、あぁ…」
「なら知らなくとも無理はない、奴こそが魔王。力の限りを尽くした恐怖の王です」
「そんな……」
ヴァサラは足元がふらつく
「案ずるなヴァサラ殿。魔王はキール様がきっと倒す、我々は神隊を抑えようぞ」
「あ、あぁ…」
「来たぞぉ!逆立ちだ!!」
前線の兵が叫ぶ
「てめぇら全員空に落としてやる!」
「な、なんだアイツ!」「逆さまで空に立ってやがる!!」
「我は足撃隊隊長!!逆立ちのネジム!魔王様の邪魔は決してさせねぇ!」
「馬鹿者が、格好の的だ!弓兵!撃ち落とせ!」
多くの弓兵が空に浮くネジムへ弓を放つ
「…廻の極み、天廻風世(てんかいふうせい)!!」
「全員頭から落っこちちまえ!」
弓兵が宙に浮きアタマから地面へ叩き落とされるハエのように落ちる
「なぜそんな事ができる…」
ヴァサラは頭を抱える、ベルナはそんなヴァサラの頭に手を置き
「ヴァサラ殿、今すぐとは言わない。決心がついたなら、その力を奮ってください」
「ベルナ…」
ベルナが踏ん張り空にいるネジムに切りかかる
「おっそろしいなぁ。善の鬼ベルナさん?」
「あなた方の進軍はここで終わりだ」
「……やってみろよ」
ベルナの言葉に青筋を浮かべながらネジムは答え2人は剣をぶつけ合う
「……(うじうじしてても変わらない、やるしかない!)
「…決心できたようですね」
「よそ見してんじゃねぇよクソ鈴!」
ネジムの口撃をひらりと躱しベルナは口を開く
「大丈夫、この作戦は我々でも進行できるように出来ている。貴方がここをはずれてもなんら問題は無い」
「ありがとう!!ベルナ!……さん!」
「いえいえ」
「浮け、クソ鈴!」
「てめぇはちゃんと地に足つけろよ、ハエ」
ガキィン!!

〜魔王軍陣営中心〜
「………」
「まだですよ、ハルバード様」
「…作戦は?」
「今のところ順調です、少しネジムが止まってるのが以外ですが」
「そうか……俺は少し早めに降りる」
「……了解しました」
「…お前ももう行け、暴れたいだろ」
「お言葉に甘えます」
大口隊の隊長であり、魔王軍のNo.2であるカクオウである、普段は冷静だが暴れるのが大好きな男である
「……もうすぐ悲願が叶う。見ててくれ、カイナ、アキレア、エリナ…」
そう言ってハルバードが覗くペンダントには可愛らしい4人の少年少女が写っている

〜戦場〜
「カクオウとレナスだ!撹乱に気をつけろ!」
「いまさら警告しても無駄無駄♡」
「ぐあぁっ!」
「んっ…はぁっ……最高…♡」
「貴様ぁ!!命を…」
「?」
「なんだと思っているんだァ!!」
「うがぁっ……!」
レナスが一瞬にして駆けつけたヴァサラに斬り伏せられる
「誰だあれは!!」
「確か…傭兵の…」
「魔王軍へ突っ込んでいくぞ!」
「奴はベルナのとこのじゃろうがぁ…ベルナは何やっとんじゃあ…」
そう最前線の担当の騎士、ガモンはため息をつく
「ちっ…まぁええ、ベルナが任せたんならなんか策があるんじゃなぁ……おめェら!手を空いてるやつァ、アイツを魔王軍まで援護しちゃれぇ!」
「了解ぃ!!」
「勝手なことを…」
「行かせんぜぇカクオウよぉ」
「蛮獣…ビースト・ガモン…」
「……宝の極み…宝山降魔」「獣の極み、牙獣祭」

「キール!!」
「ヴァサラ君!?何故ここに!??」
「…こうしなきゃいけない気がしたんだ」
「そうですか…」
「…魔王軍は裏から色々な街を守っていると聞きます」
キールは淡々と語り出す
「しかし、真っ当な活躍をしなければその力はただの恐怖となる可能性もある…。私達も彼らが味方となるなら心強い、彼らなら民衆も受け入れてくれるでしょう…」
「これ以上は進ません!!」
「…カメロンとストロンベリは私が止めます、ヴァサラ君。……魔王を、ハルバードを頼みます」
「!…あぁ!!」
「英雄キールか…」「1人とは舐められたモノだ」
「こちらこそ隊長格2人"だけ"とは見くびられたものだ」

キールが神隊の2人を止め、ヴァサラはハルバードの元へと向かう

「ハァ…ハァ…ハルバード……」
「!…ヴァサラ……お前が敵だったとは…知らなかったな」
「俺も…驚いたよ」
「ここまで来たからには…闘うんだな?」
「………ないのか…」
「あん?」
「戦いをやめることはできないのか!」
「…始まっちまったもんは…終わらせられねぇんだよ!」
「…ハルバードォ!」「ヴァサラァ!!」
ガキィン!!
「うわぁぁぁぁぁ」「すごい衝撃だ」「大地が…割れた…」
その戦いはまさに神話のような激しさで回りを巻き込む程の衝撃だった

一撃一撃がとてつもない力を放ちながらお互い1歩も譲らぬ戦いを繰り広げる

「そろそろ諦めたらどうよ、チビ鈴ちゃん」
「まだ…諦めぬ…」
「極みも使えないのに我に勝てるはずねぇだろ、諦めろよ」
ネジムはベルナを煽る、事実ベルナはマトモな一撃を当てられていない
「……次の一撃は当たる」
「どこにそんな要素が……」
「ちゃんと歩かねぇから気づかないんだよ」
「あ??何を……」
「足見てみろよ、ハエ」
「あん?」
ネジムが足を見るとネジムのそこには爆薬が巻きついていた
「なっ…!!」
ネジムが爆薬を取り外そうと思い体を丸めた瞬間、ベルナはネジムよりも高く飛ぶ
「(予想済みなんだよザコ鈴が)」
ネジムはカウンターを狙っていたが誤算があった。ネジムは極みによって重力を無視して浮ける、その常識の染み付いたネジムには、落ちる時の重力による速度上昇など
「うあああっ!!!」
「速っ…!?」
頭に無かった
「たぁぁっ!!!」ザシュッ
「………!!!」
ベルナの一撃によってネジムは地に落ちた
「はぁっはぁ……浮かれすぎだろ、ハエ野郎…」
ベルナは一息つくとまた戦場に駆けていく

ゴォォン!!!
大きな岩同士がぶつかる様な音が響く
「ギラギラ眩しいやっちゃのぉ…」
「剣技……金銀!」
「ふん…!!」
カクオウの鋭い剣技をガモンは肉体で受け止める
「筋肉の硬度が人間に向いてませんよ、蛮獣」
「おめぇは質屋の方が向いてんなぁ、餓鬼」
「やれやれ…」
「終わりじゃなぁ…」ガモンは大剣を振り下ろす
「ぐわぁぁっ」しかし振り下ろした先は部下であった
「すまんのぉ…さがっちょれ…」
「……もう起きとったんかぁ…レナスの餓鬼」
「あ〜痛ぁ……でもたまには受けるのもイイねぇ♡」
「起きるのが遅いですよ」
「寝不足なのよ、許してちょ」
「ほらもう撹乱解けましたよ、次を」
「うっそでしょ、化け物じゃん…最高♡」
「おいたが過ぎるのぉ…ガルルァ…」
「「「死ねやボケがぁ!!」」」

「ぜェ…ハァ…」
「ハァ…ハァ……」
「「うおおぉぉぉぁぁあああ!」」
ドォォォン!!
「そろそろ終わらすぞ、ヴァサラァ!」
「ぐっ…」
「魔の極み 黒帝魔冠栄華…!」
「無の極み…!!!」

現在こそ魔王と呼ばれるに至ったハルバードだが、生まれながらの特別な才も何も無かった。
だが血のにじむような努力をし魔の極みを習得した、そしてその魔の極みは己の軍勢の力を120%引き出し、そして己の力を150%引き出す

「行くぞ…覇王ヴァサラ……」
「来るっ…!」
ドォン!
魔王の一撃がヴァサラを襲う
ヴァサラは為す術なくその一撃をくらってしまった
「ぐぁっ……」

150%を引き出した魔王ハルバードに、覇王ヴァサラは敗れたかに思われたがその時、想定外が起こった。

ヴァサラの無の極みが魔の極みを模倣しヴァサラも150%が引き出された!!そして、後にカムイを倒すことになる光の極みが、擬似的に覚醒した!!!
「嘘だろ…これが覇王か……不足はない、超えてやるよ!!」
だがハルバードの極みも覚醒し「王の極み」という全く新たな極みへと成った!!

そして…第2ラウンドが始まる

「「はぁぁぁああっ!!」」
「何故だ、ハルバード。何故こんな戦いをする!理由を聞かせてくれ!!」
「…お前は知ってるか、過去に親が罪を犯しただけで、何も関係ないにも関わらず殺されかける恐怖を!!」
「っ…一体何があったんだ!!」
「俺はスラムってとこで友達3人と幸せに暮らしてた!だが!俺とその内の1人の親が大犯罪者と知った王族共は俺たちを狙い始め、この国が敵になり俺以外全員死んだ!」
「っっ…!」
「だからこんな国ぶっ壊して、理不尽の無い国を、大切なものを守れる国を!俺が作る!!」
「ふざっけんなぁ!!お前の友達のことはよく知らんがこれだけは言える!その3人は!そんな事望んじゃいない!」
「お前に何が分かる!!」
「わかるさ!俺だって友を失った!優しい少女だった、でも人は死ぬ。だから俺たちはその人たちの願いを受け継いで生きるしかないんだ!」
「……っ!」
ハルバードの思い出が蘇る

『ハルは王様みたいだね』『なんで?』『確かに!僕らが喧嘩した時とかすぐ止めてくれるもんね』『でもよー普通の王様より魔王!とかの方がかっこよくね?』『魔王は…怖いから僕には…』『大丈夫だよハルならきっと魔王でも、優しい魔王になれるから』『『うんうん』』
『どんな国作るかなぁ…』『絶対みんな仲良しだな!』『そうだね!』『ハルがそうなるの見てぇなぁ…』『僕、頑張るね』

「っ……みんなぁっ……」
「ハルバード……」
「そうだ…そうだよな……僕は、俺は優しい魔王だった…だからこれ以上は無しだな」
「ハルバード……」
「お前はどこまでバカなんだよヴァサラ、普通こんな奴許せねぇだろ」
「友達、だからな!」
「そうかよ…じゃついでに俺のわがままに付き合ってもらうぞ…」
「?……あぁ!」

「スゥーー………魔王軍んんん!!!全員!俺の後ろに下がれぇぇぇぇ!!」
「!?ハルバード様、何を」
「正気かぁ?魔王クン♡」
「何を……」
周りの者全てが困惑する
「…俺と……ヴァサラの決闘で終わらせる……!」
「「……魔王様の仰せのままに」」
魔王軍が全員ハルバードの後へ下がる
「王国軍!下がりましょう!」
王国の騎士達もヴァサラの後へ下がる
「キールさん…?」
「今や私たちはあの二人の次元に追いつけない、あなたに賭けますヴァサラ君。頼みますよ」
「………」
「……さ、これで外野は静かになった…正々堂々、最後の戦いといこうぜ」
ハルバードは1人の戦士の目で、そして友達との力比べをする少年のような目でヴァサラへ訴え、ヴァサラはそれに応える
「…ああ!最後の勝負だ。受けて立つ!」

二人が極限まで集中する。周りもつられて静かになる。空から落ちてきた鳥の羽が地面に落ちた瞬間、刃と刃がぶつかり合い火花が散る。
「っ…だぁぁあ!!」
地も割る一撃をヴァサラは素早い動きで避け剣を振るがハルバードはどこからか取り出した小さな斧でその斬撃を受け止める。ハルバードは地面に叩きつけた剣でヴァサラの横腹を狙うがヴァサラは流石の身のこなしでそれを避け、ハルバードの後ろを取る
「うおぉっ!!」
ヴァサラはすかさず背中に切りかかるがハルバードは邪魔になった剣を上に投げ、地面に転がり斧でヴァサラの剣を弾く。しかしヴァサラは先程ハルバードが投げた剣を掴み、投げる。ハルバードは向かってくる剣の先を斧で弾き回転させ、キャッチする、ヴァサラも弾かれた剣を取り戻し、また睨み合いとなる。次はハルバードが先に踏み込み距離を置い詰めようとするが、ヴァサラの放つ光り輝く斬撃がそうさせてくれない。ハルバードが斬撃に怯んだ一瞬を見逃さずヴァサラは剣を振るが防御される、両手を使ったハルバードの腹に強烈な蹴りが入る。ハルバードは怯むが下がらずにフリーになった手から斧を投げヴァサラの胸をかすめる、おかえしと言わんばかりにヴァサラの横腹に斧を投げた手でそのまま拳を叩き込む。ヴァサラはわざと後ろに飛び距離を取り助走をつけ斬撃をハルバードに浴びせるがすれ違いざまにヴァサラも斬られる。
少しの沈黙の後、お互いは目を合わせる、次の一撃で勝負は決まるだろう。そう二人の王は直感した 
2人は走り出しすれ違う、そして数秒硬直した後、ハルバードが、斬られた場所から血を吹き出し倒れる。
「「「ハルバード様ァ!!」」」
魔王軍が叫ぶ、が、その直後
ヴァサラはハルバード以上の血を吹き出し、倒れる
「「ヴァサラ君(殿)!!」」
二人の王の決闘の結果は惜しくも引き分けという形になった

数週間後
「さてと、そろそろ行くか」
ヴァサラは荷物を整理し次の国へ旅立とうとする
「もう行くのか?」
ハルバードが声をかける
「あぁ、来てから随分経ったし、そろそろ次だ」
「ん、そうか頑張れよ」
「一緒に来るか?」
「いや生憎まだまだ仕事がありそうなんでな……書類の……」
あの戦いの後、魔王軍は国公認の組織となった。そのせいで魔王軍の指揮をとっていたハルバードの元には山のように書類が送られてくるらしい
「それに俺は優しい魔王になるって決めたからな、この国が全部平和になってお前が覇王になったらお前の国にも行ってやるよ」
「あぁ待ってる」
「んじゃ頑張れよ、覇王」
「また会おうな、魔王」

~完~

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