大阪都構想のメッキが剥がれ始める

 朝刊に、都構想に関する電話での世論調査の結果が載っていた。賛成39%、反対41%である。前回の9月調査では賛成の方が上回っていたが、今回はごく僅かながら反対が多くなり、どちらとも言えない情勢になってきた。それに加え、ここにきて大阪市がコスト218億円増の試算を出してきた(遅すぎるが)。少しずつ真実が明らかになりつつあるように思う。

 大阪都構想は、一言で言うと「自治体の自殺」である。政令都市の権限と財源を手放して村以下の特別区に再編することに、当の市民がなぜ反対しないのか不思議でならない。真実が伝わっていないからだとしか言いようがない。まさに「正しく知ればNoになる」という政策なのだ。

 ちょっと風向きが変わってきたかも、と感じたのは、日曜日のTwitterあたりからである。「大阪市廃止反対」のハッシュタグがついたツイートが増え始めた。また、大阪に限らず、全国の知識人が明確に意見を述べ出した。さらに、維新とべったりの吉本に所属するシルクさんが「前は何も知らずに賛成に投票してしまった」と後悔の念を表し、自身の姿勢を明らかにした。

 政策の愚は前に書いたのでひとまず置いておくとして、今回私が真剣に腹を立てているのは、維新の議員たちがいい加減な情報を平気で流していることである。街頭で「大阪市はなくなりません!」と叫んでいたり(なくなります)、「都になったらこうなります!」と表明していたり(住民投票をしない限り都にはならない)。また、公務員であり、特定の政党の方針を支持してはならないはずの知事が、なぜかラジオに出て賛成を呼びかけていることにも憤りを覚える(しかもこういう時は、放送倫理の観点から、両論併記が鉄則であり、双方の立場からそれぞれ語ってもらうのが当然だそうだ。FM大阪にはびっくりである)。こういう輩に騙されないためには、自身が成熟するほかはない。11月1日まで、色んな人が真実を知り、悔いのない投票をしてくれることを願うしかない(私は大阪市民ではないので投票権がないのだが、これが万が一可決されてしまうと、大阪市に隣接した市は住民投票なしで特別区に変更されうるので、火がそこまで来ている感じなのである)。大阪市の皆さん頼みまっせ!と言いたい。

 


 




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