見出し画像

チョコへの手紙

チョコへ

チョコの最期、僕はチョコにお疲れ様、有難う。しか言えなかったから、言いたいことをほんと少しだけここに書いたよ。


チョコは15年前、お母さんの知り合いの家で生まれたのは知ってるかな?

誕生日は2006年8月11日。

チョコのお父さんはキレイなブルーの毛で、ずんぐりむっくりの体。チョコのお母さんはキレイな茶色い毛で、目がおっきくて、とっても細くて、すごい美人。

チョコはお母さんにすごく似てたね。

兄弟は3匹いてね、僕のお母さんがチョコに一目惚れして、そこからうちに来たんだよ。

小さい頃は顔より耳の方が大きくてね、すごい可愛かったなぁ。

画像6


チョコが家に来てから、家族の雰囲気はとても明るくなったよ。

元々僕のお父さんは猫がそんなに好きじゃなかったんだけど、チョコが毎朝家族皆におはようってスリスリするから、いつの間にかお父さんもチョコのこと好きになっちゃったみたい。

そういえばある時からチョコは夜ご飯を食べた後に毎日必ず2階から何かを咥えて1階のリビングまで持ってきて、普段全然鳴かないのにニャーって一言鳴いて僕たちにアピールしてくれてたね。

洗ったばかりの洗濯物が床をひきずってきてるもんだから、お母さんも「あらーありがとね、これはもう一回洗おうねー」って言ってたよ。笑

あれはご飯をくれてありがとうってことだったのかな?笑

何個も落ちてたときはびっくりしたよ。

超ありがとうってことかな?

画像16

昔は沢山遊んだね。追いかけっこしたり、じゃれたり、僕はすごい楽しかったよ。チョコは大体すぐ飽きてたけど。笑

でもチョコは猫パンチがすごい下手だったね。
他の猫はもっと勢いがあるんだけど、チョコの猫パンチは弱かった。ちょいちょいちょいって。

下手といえばご飯も食べるの下手だったね。ご飯床に落とすわ、壁にくっつけるわでもうすんごい汚かったよ。笑

画像13

ご飯はとにかく鶏肉としゃけが大好きだったね。鶏五目、あんな近くで見られたらもうあげるしか選択肢が残らないよ。笑

画像14

チョコは普段お母さんの部屋でお母さんと寝るから、たまに僕のベットに来た時は超嬉しかったよ。

チョコが逃げないように足を隅にずらして、チョコが寝っ転がるように布団を整えて、、、みたいな。

そんでチョコがくつろいだら僕もよっしゃ!ってなって寝るんだけど、朝になると大体いなくなってるよね。

僕多分寝てる時にチョコを蹴っ飛ばしてるんだよね。寝相悪くてごめん。

でも僕が寝たい時、チョコもこんな感じで布団の大半奪ってるからね。

ま、お互い様だね。

画像15

チョコは何より家族皆が大好きだったね。

何をされても絶対に怒らなかったし。

最初は家族以外の人に対しても同じ態度なのかと思ったけど、僕の友達が家に遊びに来た時、友達がチョコに近づくとチョコは逃げるし、そこから更に追い詰められるとフーって怒ってたね。

初めてチョコの怒る姿を僕が見た時、後で家族皆に話したらチョコの怒る姿見たかったーって言ってたんだよ。
チョコは大変な思いしているのに、皆無神経だね。笑

そういえば変な被り物させたり、首輪とかつけると、暴れまわってたね。

だからチョコがそういうことしてる写真ってだいたい抱っこされてる時の写真しかないんだよね。

画像22

画像23

抱っこ嫌いだから、離して欲しい時は僕の鼻をぺろって舐めてお願いするんだよね。
僕が離してあげると、ありがとうってスリスリしてくれるんだよね。
嫌なことをされた後でも、絶対に離れない本当に優しい子だったね。

画像23

でもやっぱり一番好きなのはお母さんなのかな?

ずっと一緒にいて、たまに足首カプって甘噛みして、好きな人にはするのかな?
僕とお父さんにはしなかったってことはそういうことなのかな?笑

まぁでも、チョコは家族に沢山のことを許してくれてたね。

チョコが僕たち家族を愛してくれていたことはもう十分すぎるほど伝わったよ。ありがとね。

画像23

ほんと楽しかったね。

何もしてないといえば何もしてないんだけど、そういう日々が多分チョコにとっても、僕たちにとっても、幸せな日々だったんだろうなって思う。

僕はこんな感じでずっとチョコと他愛のない日々が続くと思ってたよ。

朝起きておはようのスリスリして、お昼一緒に布団で寝て、夜ご飯食べて、何かを持ってきてくれて、夜中一緒に夜ふかしして、、、って感じで。

でも、やっぱり少しずつ身体に変化が出てきてたね。

生きていれば当たり前だけど、耳の周りかきすぎて、カラーをすることもあったね。

画像18

画像17

本当にすこーしずつだけど、こういう所から徐々に、悲しいことや、辛いことが増えていったね。

でも一番つらくなってしまったのは、やっぱり今年の5月に腎臓がレベル4(末期)という診断を受けた時からかな。

病院に連れて行った時にはもう既に腎臓は悪化してたみたい。

もっと早く気づいてあげられなくて、本当にごめんね。

この頃から僕も2週間に1回実家に帰るようにしてたんだよね。

そこから嫌な通院の日々が始まったね。週に1回、お医者さんに身体あちこち触られて、最期は注射器で点滴。

画像19

そこから、少しずつ体重が落ちていったね。

大好きだったご飯も少しずつ食べれなくなっていって。

病院連れて行く時の抵抗する力も、どんどん弱くなっていって。

病院、嫌だったね。

でも、どんなに触られてもチョコは決して先生を噛んだりしないし、手も出さないし、本当によく頑張ったね。

病院から帰った時もすぐ僕たちに近寄ってスリスリしてくれてたね。

あれは、「もう病院につれていくのは辞めてね」っていう意志なのか、僕には分からなかったけど、その暖かい仕草が僕はとても辛かったかな。
それでも嫌な病院は沢山連れて行っちゃったね、本当にごめんね。

画像23

お母さんはチョコを抱えて口に薬やら、ご飯やら、水を強制的にあげていたけど、お母さんはチョコが嫌がることをし続けて辛いって言ってたよ。

でもチョコはご飯を強制的に食べさせられた後お母さんの横にくっついて座ってあげたんだってね。

身体が痩せても、身体が動かなくなるまで、2階から物を持ってくることも辞めなかったもんね。

画像20

チョコはどんなに嫌なことをされても、ずっと僕たちにありがとうって思ってくれてたのかな。

2021年8月11日、辛い通院生活の中で、15歳の誕生日を迎えられたね。

この時にはもう2日に1回病院行ってたね。

点滴終わる度に、フラフラして、ヨダレ垂らしながら、ボーッとして。

ご飯も全然食べてなかったから、身体が追いつかなかったのかな。

実はチョコの誕生日の日も病院で点滴をする予定だったんだけど、その日から病院に行くの辞めたの分かったかな?

家族皆、お医者さんとも相談して、チョコを病院に連れて行くの辞めたんだ。

点滴はあくまで尿を出す為。良くなることは無いんだって。

その時既にチョコは後ろ足の筋肉も無くなって、2,3歩歩いては休むってことが続いてたから、そんなチョコの様子を見て、もうこれ以上はやめるべきだって判断した。

画像21

今でもこの判断は正しかったのか、間違っていたのか、分からないよ。

でも、とにかく最期を辛い経験で終わらせたくなかった。

誕生日に嫌な思いはさせられなかったんだ。

これ以上チョコが苦しむ姿を見ていられなかった。

抱っこをすれば、病院に行くか、強制的なご飯か薬。

こんな思い出にしたくなかった。

抱っこはただの愛情表現、チョコのことが大好きだから抱っこをするっていうメッセージに変えたかった。

画像5

画像6

病院に行くのをやめた日から、チョコはほとんど歩けなくなってしまったね。

点滴には吐き気止めの薬も入ってたから、それが無くなって辛くなってしまったんだろうね。

腎臓の機能が無くなって、身体に徐々に毒素がたまるから。

ゴロゴロも言わない

目もつぶらない

ご飯も食べない

水も飲まない

肉球も、血の気が引いて、真っ白。

画像24

もう何がチョコにとって楽しいことなのか、本当に分からなくなってた。

でも、昼はお母さんが抱っこしてベランダに連れて行ってくれたみたいだね。

チョコは日向ぼっこが好きだから連れて行ったんだと思う。

もしかしたら外も怖かったかな?昔たまに脱走することもあったけど、家の付近からは決して離れなかったもんね。

夜は僕や姉ちゃんと一緒にいたね。

昔なら夜は皆に内緒でご飯を少しあげて、たまにコタツで一緒に寝てたけど、この時ばかりはそんな余裕もなくて、チョコを抱きかかえてトイレに連れて行ってあげたり、水を何度も変えたり、温かいタオルで体を拭いたりと、あんまり楽しいことはできなかったね。

僕も楽しい思い出を作る努力をすればよかったけど、あんまり楽しいことは考えられなかったな。

画像7

8月14日の11時頃。

苦しそうにか細い声をだして、訴えてたね。

この時目には薄い膜が張ってたように見えた。

目も見えなくなってきてたかな?

その時チョコは感じていたかわからないけど、お母さんは足を、お姉ちゃんは背中を、僕は胸と頭を温めてた。

ずーっと皆で撫でてたんだよ。

でも呼吸も不安定になってきて、か細い声がもっと弱くなってきてさ。

そしたら急に胸に手を当ててるのにチョコの心臓の鼓動が感じられなくなったんだ。

そこから呼吸もできなくなったね。

苦しかったね。

それから急いでお父さんを呼びに行って、最期は家族皆に囲まれて旅立ったんだよ。

最期まで本当によく頑張ったね。

画像8

チョコが旅立ってから1日が経ちます。

昔からあんまり良く鳴く子じゃなかったから、家が静かになったとはならないんだけど、僕がご飯食べる時に、お肉小さくしてチョコにあげよう。とか、暗いリビングを歩く時、チョコのしっぽ踏まないようにしなきゃ。とか、そういうふとした時のなんでもない習慣が少し悲しくなるかな。

もうそっちには着いたのかな?
おじいちゃん達と、面倒見のいい銀と、優しいハチ、ナナ、暴れん坊のカールがいるはず。皆僕たちと一緒に過ごした大事な家族だから、遊んでもらっててね。

皆チョコを暖かく出迎えてくれるはずだよ。

僕は文章も下手だから、言いたいことキレイにまとまってはいないけど、こんな感じかな。

少し時間はかかるけど、また会いに行くね。

15年間本当に僕たち家族のそばにいてくれて本当にありがとう。

画像9

画像10

画像11

画像12



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?