【実話】#8 学校へ行かないを選んだ娘との奮闘記=教育センターに通うことになって・・・

前回からの続きです。

教育センターに行くのにも乗り越える壁がある


小学4年生。
3ヶ月くらい、全く学校に行かなくなり

学校のすすめで、市の教育センターに行くことを決めました。


もちろん、母の一存ではなく
何回も娘と話をして決めました。


学校に行かない代わりに
教育センターに行くと、学校と同じような扱いになるため
出席日数にカウントされるそうです。


事前に電話をして、状況を説明して
初回面談の日が決まりました。


こうやって初めてのところに行ったり
初めての方に相談するのは

何度も同じ話(学校に行かなくなった経緯)を説明しなくてなならず、これもまた母にとっては心の負担になります。ですが、他の誰かから話を進められても、微妙な心の動きや本当の悩みや困っていることは、当事者しかわからないことも多いので致し方ないのです。

が、こういうこと一つとっても
とてもパワーを使うので

それだけで断念してしまうご家庭も多いのかもしれません。

本当に困っている方のサポートって
本人や家族の膨大なエネルギーがないとアウトプットできないものです。

また、一番キツい時には言葉に出すことがカンタンでないので

小さな段階で芽を摘むことも容易ではありません。


教育センターは
少人数の先生や職員の方が配属されていて
それぞれ役割があるようでした。

最初の面談でお話を聞いてくれた方は
先生ではないようで

実際にここに通うようになると

別の先生が面倒を見てくれるようになりました。

ここは
市の外れの方にあり
自然豊かな環境に設置されています。

その昔、学校の寮として使われていた場所のようです。

周りには、山と川があり
自然の中で、静かにゆったりと育まれる場所です。


しばらく学校に行ってなかった娘にとって 
静かな場所は、安心できて
さらに、通学している子も少なく
日によってはマンツーマンで先生と過ごせることも利点でした。

もちろん、私も同伴です。

学校のように、45分の授業体制ではなく

午前の部、午後の部といったざっくりとしたスケジュールで

始業時間に間に合わなくても
行ける時間に行って

やりたい勉強を教えてもらえるといったシステムなので
本人のペースに合わせて学習できます。


勉強にすぐに取り組めない子もいるので
ボードゲームなども豊富で
先生と楽しく遊ぶから始まることもあります。


一見、幼稚園のような感じ?もしますが
学校をお休みしていた子にとっては

学校の校舎に入るだけでも、なかなかのチャレンジですし
先生と名のつく方と接することに抵抗を覚える子もいますので

コミュニケーションをとっていくために
このような遊びや関わり方を大切にしてくれているようでした。


コミュニケーションという点で
卓球台が常設されていて

すぐに勉強ができない子や
休み時間に楽しむために

その時間も、重要視されているようでした。

強張っていた娘も
少しずつ溶け込み、私の仕事以外の日は
何日も行けるようになりました。


ベテランの先生も
お若い先生もいらして
いろんなタイプの子に対応できるように工夫されていることが伝わってきました。

雰囲気は悪くありませんでした。


日によって
外に散歩に行ったり
遠足もあったり
陶芸教室や映画鑑賞などもあり
行事もそこそこ企画されていて

学校に行く

というハードルを下げてくれて

”楽しく行く”

に注力されているようでした。

もちろん一人で通われている子がほとんどでしたが
娘の場合は、私がセット。

そういうお子さんもたまーに訪れていました。


行く日行く日で
出席されている子も入れ替わります。

それだけ、学校に行ってない子が多いのだと
だんだん、私たち親子も認識していきました。


不登校は中学生から加速する・・・?


驚いたのは
小学生よりも、中学生が多いこと。

息子の同級生も何人か通っていました。

知り合いのお子さんが通っていたりもしました。

ただ、ここに来れるお子さんは、
いわゆる不登校の子の、ほんの一握りのようです。


本当に学校に行ってない子は
このような場所に足を運ぶことはカンタンではないのです。

娘は私が同伴することで行けましたが
私が仕事で行けない日に送迎だけしてでも行くかと言ったら

行けませんでした。


この教育センターは

学校に行ってない子の救いの場所ではあるけれど

そこに行ける子はまだ良い方で

ここに来れない子を
学校は教育機関は、どこまで手を差し伸べてくれるのかな・・・

って

娘のことを通して
同じような悩みに直面されている子たちの
サポートについても私は考えさせられました。

自分から動ける方が、もしかしたらそんなに多くないのかもしれないし

例え、親が最初は動けても
持続性という視点では、カンタンでないことも感じました。

教育センターに通ってくる子は
みんな、とっても優しい子ばかりです。
そして心根が純粋な子たちです。


だからこそ、これまでの生活の中で
何らかのアクシデントに見舞われた時に

心を痛めてきたのかもしれませんし
他人への気遣いをして心が疲れてしまったかもしれません。


私はこの教育センターに通うようになり

人の無垢で無防備な器用でない姿を

今までの視点よりも深いところで感じるようになりました。


娘は、初めの頃は自分のことで精いっぱいだったけど

行き慣れてくると、先生やそこに来る児童や生徒さんとも顔見知りになり
卓球を通して少しずつコミュニケーションが取れるようになり

多くは喋らないにしても
必要最低限のやり取りはできるようになっていきました。


中学生のお兄さんに卓球を教えてもらったり
ラリーが長く続くとお互いに盛り上がったり

そんなやり取りの中で

娘が笑ってくれる表情を見れるのが

私は何より嬉しかったです。

生きてる価値さえ見出せなかった娘は

無力さから無表情になることも多く

感情を表に出す

ということも忘れてしまったかのように感じる日常だったのです。


学校に行くのはカンタンでなかったけれど
教育センターに行けたことは大きな収穫になりました。


人は前を向いて生きていく生き物だから

娘なりに、未来に向けて

自分を鼓舞しながら
気持ちを奮い立たせていることは嬉しかったし

ここから、何かが変わっていくと良いな〜と

私自身も親として
希望を見出していけるような感覚になっていきました。

娘のための場所は
私のための場所でもあった
のです。

親子で成長していけるような時間でした。



今日のお話はここまでにしますね。


同じようなことでお悩みの方にとって
この記事を読むのがカンタンでない方もいらっしゃると思います。

今現在、お悩みの方もいるでしょうし
過去にそうだったという方もいるでしょう。

私の経験談を感動してくださる方がいる一方で
複雑な思いでいる方もいるかもしれません。

それぞれの人生は、オンリーワンであり
同じように見えても

やはり微妙に違いがあります。


私の経験は、一例にすぎず
この経験も、他の方に当てはまるとも思いません。


ただ少しでも参考にして頂ければ・・・

そしてこの辛かった経験を想像できない方に
少しでも知って頂き
周りで困っている方への関わり方の情報源にもなるかもしれない

いろいろな意味をもって
勇気を出してお伝えしていることを
ご理解頂けたら幸いです。


今日もラストまでお読みくださり、ありがとうございます。

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