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大好きな建築家「伊礼智さん」

「小さな心地よい居場所に惹かれて」

谷口工務店のYouTube動画に伊礼さんとのおはなし会の動画がありました。

時間は1時間以上。長いと思いつつもすぐに見てしまいました。
アーカイブ動画もあるのでぜひ見てみてください!

伊礼さんの素敵な住宅や数々のスケッチ・素敵な言葉がたくさん聞けました。

何か1つでも家づくりに落とし込めると、それだけで住宅の豊かさが格段に上がると思い、印象に残ったところを書きたいと思います。

これから家づくりを検討してる人はぜひ見ていってください!

それではいきましょう。

「建物を小さくして、コストを抑える。抑えたコストで空間の質を上げる。」

近年は、ウッドショックやウクライナとロシアの戦争などにより物価高騰の影響が非常に大きいです。

住宅づくりでもその影響を大きく受け、建設費用の高騰が続いているのが現状です。大手ハウスメーカーから地域工務店まで頭を抱えている問題です。

そこで、1つの提案が「建物を小さくしてコストを抑える」ということです。
そして、抑えたコストで質を上げることへ使う提案をしています。

伊礼さんの醍醐味は、この小さな家づくりです。長く住まわれるに方には絶対にその方が良いと動画でも言っています。

一般的な住宅の大きさというと、30坪~35坪が標準でしょうか。

そんななか、9坪ハウスや15坪の住宅もあったりととてもコンパクトなつくりとなっています。

ただ小さく作れば良いというわけではなく、その分質を上げることに注力し、素材感をそろえ、気持ちの良い場所を提案し様々な工夫を施すことで、上品な室内外の空間を演出します。


「広さとは、どれだけたくさんの居場所があるか」

伊礼さんの設計では、この「居場所」が一つのキーワードになると思います。

1つの空間のなかにどれだけたくさんの居場所を設けられるかが、その空間の広さにつながると考えています。

なかでも印象的だったのは、「2畳の和室」です。言葉だけ聞くと2畳?と思うかもしれません。

ですが、伊礼さんの実体験をもとに自分で実測をし、空間を体験をし、気持ちの良いところはすぐに住宅に取り入れている。真似をすることがとても上手な方だと思いました。

その印象的な「2畳の和室」は、訪れた人に「この空間が欲しい」と思わせるようなインパクトがあります。

子どもが小さければ、お昼寝スペースや遊び場にもできます。
大人が一人ゴロンと寝っ転がれるスペースにもなります。
何か趣味をする場所としても利用できます。

たった2畳でもかなりたくさんの用途として使うことができるのです。

小さいからこそ、考えに考え抜かれた空間には、様々な工夫があります。

小さなパソコンスペースだってそうです。1畳の図書スペースや段差1つとってもそうです。
階段の1段を広くすることで、子どもはそこを机代わりに使います。もちろんちょっとした遊び場になります。

そんな生活が暮らしの中で、体感できることはとても幸せなことだと感じました。


「空間のメリハリが大切。明暗・高低・広狭」

冒頭に、京都にある「俵屋旅館」のお話がありました。

伊礼さんは、こちらのホテルをとても気に入られている様子で楽しそうに話してくれました。
ぜひとも体験してみたいですね。

入口から少し入っていく、その少しの移動のなかに様々な変化が楽しめると言っていました。

そこには、暗いとこともあれば、パッと明るくなったりもします。
狭いなと思ったら、広い坪庭にでたりします。
入口が低いなと思ったら、天井が抜けていて気持ちの良い場所があったりします。

一定のリズムの空間ではなく、複雑な仕掛けがあるような空間の方が楽しい。そんなことを感じました。音楽だってそうじゃないでしょうか。1曲の中で様々な仕掛け(リズムの変化や音の大小・テンポの変化など)をほどこし楽しませてくれます。料理だってそうですね。素材の変化や触感の変化などをあえて作ることで深い味わいに変えていくと思います。

住宅も全く同じだと思っています。
あえてそんな仕掛けをたくさん作ることで、空間に変化が生まれ楽しめるものになっていくと思いました。

そんなことを聞くと、全体が一定のリズムの住宅は単調に見えて、ちょっと物足りない印象を受けるのかもしれませんね。


「窓・照明・家具」

伊礼さんの設計で大切にしている要素に、「窓と照明と家具」があります。

大きな大開口を可能にする木製サッシは、室内と屋外をつなげることができます。
どれだけ外部を取り入れられるか?
詳しくは・・・

窓を設ける位置が絶妙すぎると感じます。
窓際の納まりはぜひとも真似をしてみたい場所です。

照明はできるだけ天井には付けません。

それは灯りの重心を下げることで、落ち着いた印象の空間を演出してくれます。
建築化照明(間接照明)を用いたり、スタンドなどの照明を用いながら、
「必要なところを、必要なだけ照らす」そんな暮らしを提案しています。

部屋の真ん中にシーリングライトが1灯。これでは味気なく素っ気ないと思うようになりました。

家具も設えの1つです。

伊礼さんの住宅をみていると、似たような家具が多く出てきます。ソファの作り付けもその1つです。

家具自体の大きさも大きいので、部屋の印象を決定づけるものの1つです。

そのため、しっかりと予算を確保しインテリアを選ぶことがよいと思います。
長く使うものなので、多少高いものでも気に入ったものを選ぶ方が日々の喜びにも繋がると思います。


「外部と内部のつながり。開いてよし、閉じてよしの日本の住宅」

住宅の豊かさとは、どれだけ外部とつながれることができるか?
そんな名言があります。

動画内でも、「庭座」と言われる緑に非常に近いつくりの空間がありました。
1坪の庭でも丁寧に作りこむことで、大きな価値のある空間になります。

造園家の荻野さんとコラボするこが多く、どの住宅にも素敵な庭が計画されていました。

住宅と庭はセットで考えることがとても重要だと感じました。

「開けてよし、閉じてよし」そんな言葉が出てきました。
この言葉を聞いて、とても日本的な考え方だと感じました。

畳も元はといえば、板間において使っていたので、可変性があります。
衝立なんかも同じですね。必要な時に使って空間を分けるものです。

先ほどの照明の話にもつながりますが、必要なところに必要なだけ用意する。

使い方を工夫することで、「上手に暮らす」。そんな日本らしさを感じました。


取り入れたいポイント

たくさん書いてきましたが、ぜひとも紹介したい新築住宅に取り入れたいポイント5つ!

  1. たくさんの居場所を設けた計画。

  2. 可能な限り照明の重心を落とす。

  3. 緑(植栽)を設ける。

  4. 小さく建てて、空間の質を上げる。

  5. メリハリを作った空間

本当にたくさんあります。なにか1つでもと入れてみると良いと思いました。

まとめ

そして、小さく作ることはプロでも難しいということです。
いくつもの手法を使い、畳数以上の広がりを提案するには、やはり経験も必要だと感じます。

そしてなにより「やっぱり建築はおもしろい」と感じます。

伊礼さんの設計が好きすぎてたまらないんだと思っています。

皆さんぜひ参考に。

ではまた!

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