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火星で生活するために最初に必要になること

火星で人が生活できるようになるためには宇宙船、生命維持システム、建築の3つが必要である。本当は国として生活していくためにはもっと多くのことが必要だが、最低限ということでこの3つに絞っている。

宇宙船

宇宙船の主目標はまず有人で火星にいけること、行けるだけでなく頻繁に往来しなければならない。現地に行かないと全てが始まらない。現在火星までの無人飛行に成功したミッションは以下である。

NASAのマーズ・ローバー: 「スピリット」、「オポチュニティ」、「キュリオシティ」、そして最新の「パーサヴィアランス」が火星の表面に着陸し、地質学的研究や気候の分析、生命の痕跡の探索などを行っています。
NASAのマーズ・オービター: 「マーズ・リコネッサンス・オービター」や「マーズ・アトモスフィア・アンド・ボラタイル・エボリューション(MAVEN)」などが火星の軌道に投入され、大気や気候の研究を行っています。
ESAのマーズ・エクスプレス: 欧州宇宙機関の探査機で、火星の大気や表面の詳細な観測を行っています。
インドのマーズ・オービター・ミッション(マンガルヤーン): 2013年に打ち上げられ、低コストながら成功し、火星の表面と大気の研究を行っています。
中国の天問1号: 2021年に火星に到達し、軌道船と着陸船、そして探査車を含む複合ミッションを行いました。

2023/11/20時点のGPT4より

特にインドのマンガルヤーンは総コスト110億円ほどでミッションに成功している。なので民間で火星への無人飛行に成功した企業はまだないが現金100億円を持っている会社が挑戦権を与えられるということは、上場企業にとっっては現実的な予算感で火星開発に参入できる。

現在は無人でも火星までは片道切符であるので、次のステップは無人で地球と火星を往復することだと考えている。そしてその火星への往復便を定期便レベルで増やさないと火星の開発は進んでいかない。当然有人で火星に行く場合は相当な往復での飛行成功率を保っていないと危険すぎて送り出すこともできない。この後の章にも関連することだが、それまでは無人での火星上での建設を進めていると有人での火星への探索ミッションがより行いやすくなる。

生命維持システム

生命維持システムは最低限必要な酸素、水、食糧などを供給し二酸化炭素を除去すること。

人間が快適に呼吸し、正常な活動を行うためには大気中の酸素濃度が19.5%以上あることが必要。火星の大気の酸素濃度は約0.13%なので人間がその大気にさらされると数分以内に意識を失い命の危機に瀕してしまう。

そのためまず第一に酸素を継続的に供給するシステムの開発が急務になる。

実際にNASAではそのための実験が2021年に既に行われている。火星探査ローバーがMOXIEという名称の装置を使って火星の大気に電流を流す電気分解という手法で少量の酸素を抽出する実験をおこなっている。

CO2 -> CO + 1/2O2

将来的に無人の酸素生成工場をつくり、人間が火星に行くまでにあらかじめ大量の酸素を生成しておけば、長期間の火星滞在が可能となる。

建設

建設は宇宙放射線や急激な温度変化など外部の環境からクルーを守ることが必要。また、人間が火星で生きていく上で必要な酸素などをつくる生命維持装置を保護するためにも建設が重要になってくる。

火星上の建設では資材、地質、重力、宇宙放射線が主要な問題になってくると考えている。

建設資材輸送問題

火星での建設を行う上で建設に使う資材はどうやって調達したら良いだろう。問題は、月への輸送で1kg1億円と膨大なコストがかかる中で火星に地球からコンクリートや鉄骨を持っていくのは現実的ではないということだ。

資材輸送の問題についてはこちらでも触れている。

火星で資材輸送の情報が少なすぎて私のブログがチャットGPTに情報源として利用されるようになった。

GPT4に情報源としてこのブログが引用された

火星開発時の重力問題

火星の重力は地球の38%である。これは月の重力加速度が約1.62 m/s²で地球の17%であることを考えると月の2倍程度ということになる。

このような火星の低重力環境では構造的な強度が地球よりも求められない可能性がある。つまり、建築物は地球より軽くても火星では十分な強度を持つことができる。これは地球から建設資材を火星に運び出すことが困難な状況下ではポジティブに材料だ。

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