Goodpatchを作って7年を価値観で振り返る

このブログはGoodpatch UI Design Advent Calendar 2018の最終日の記事なのだが、早速25日には書き終わらないペースで書き始めている。

どういう事を書こうか迷ったが、Gpのみんながとても価値あるブログを残してくれているので、自分は誰かに向けて書くわけではないポエム的なサムシングを投稿したいと思うので、何か価値のある内容を期待する人は期待値を下げておくことをおすすめしたい。

今年でGoodpatchというデザイン会社を自分で起業して丸7年が経った。過去、起業する前に働いた会社は2年半が最長だったので、自分の会社が7年も続いたことには正直びっくりしている。28歳で起業して35歳になってしまった。同時期に起業した同世代は会社を売却したり、一旦一区切りをつけ、次の挑戦に向けて準備期間と称して人生の夏休みに入っている人間も多く、それを横目で見ながらもフルスロットルでまだまだ長いマラソンを走っている。

2011年9月に創業したGoodpatchは、今では東京だけではなくベルリン、ミュンヘン、パリにオフィスを出し、グローバルで130名を超える規模のデザイン会社に成長している。傍から見るとどうかはわからないが、7年間を振り返ると辛い時期の方が多く、うまくいったなと思うことの方が感覚としては少ない。非常に悔しい思いも沢山しながら、逆風の中でもがきながら前に進むという事をやってきた結果、意外と遠くまで来ていたなと言うのが感覚値である。

今日はこの7年、どういう価値観を大切にしてやってきたのかを振返りながら紹介したい。

Whyが人を動かす

Goodpatchの強さの源泉には強固でブレないWhy(ビジョン・ミッション)が存在しているという部分がある。

実はGoodpatchは創業から2年半、通常の会社にはあるビジョンやミッションに当たるものが存在していなかった。組織が30人近くになりはじめてから、若干の不協和音が鳴り始めていて「この会社はどこに向かっているのか」というような声がちらほら聞こえるようになっていた。

これは会社の方向性を明文化する必要があると感じ、数週間サイモン・シネックのTEDの動画を見ながら「Goodpatchという会社が何を成すべきなのか」をひたすら考えて出てきたのが、このビジョンとミッションである。

この2つの言葉は思いの外、強いコンセプトになり、ミッションに共感して入社する人も増えた。何よりもこの7年で色んな事業の立ち上げをやるにも施策を打つにも、このビジョン・ミッションが重石になり、ブレずに会社の一貫性を保つ事ができたと思っている。

例えば、今年「ReDesigner」という新規事業を立ち上げたが、ビジネスモデルだけ見るとただの人材紹介ビジネスなのだが、Goodpatchの「デザインの力を証明する」というミッションを達成するために「デザイナーの役割を再定義し、活躍の場を広げる」というWhyを掲げてビジネスをスタートし、多くのデザイナーから共感をいただいた。

ビジネスモデルではなくWhyによってビジネスに意味が与えられ、強い共感を得る事例になった。

人の共感を呼ぶWhyは何事にも代えがたいものがある。

領域を超える

Goodpatchの特徴の一つにデザイン会社でありながらも、自分たちのプロダクトを作ったり、人材紹介ビジネスを立ち上げたり、自分たちで領域を限定せずにやってきたという事がある。今デザイン業界では越境という言葉が叫ばれているが、Goodpatch自身も良い意味でデザイン会社らしくあろうしなかった事が逆に自分たちの可能性を広げたと思っている。

コンフォートゾーンに留まらずに、多方面への好奇心を持ちながら、領域を超えてチャレンジするという価値観、これは新たな価値を生み出すためには重要度な考え方である。

最高のチームの作り手になる

Goodpatchは創業以来チームで仕事をするということをかなり意識してやってきた。
一人ひとりがプロフェッショナルであるという事は大事なのだが、やはり一人でできることには限界がある。
チームでお互いの足りないところを補い合い、チームでより大きなインパクトのある仕事を成し遂げ、喜びを分かち合うところに組織で仕事をする意味が存在する。

「偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる」

これは創業期に掲げたキャッチだが、良いプロダクトは良いチームを作る必要があるという価値観がGoodpatchには根付いている。そして、チームはリーダーが作るものではなく自分たちが当事者意識を持ち作り手になることが必要である。

こだわりと遊び心を持つ

デザインをする上でやはり誰かのハートを揺さぶるためには、そこまでやるかという強烈なまでのこだわりやサービスを作っている人が楽しんで作っているなという人柄が垣間見えるような遊び心が必要だ。

この数年、ソフトウェアの世界でも潮目が変わってきたなと思うのは、本来であればBtoBのツールであるSlackなどが、絵文字を実装したり、BtoBのツールらしからぬ部分がサービスに人間味を与え、エンゲージメントを高めている要素になっていたりする。

過去、Goodpatchでも結果を出してきたプロダクトは細かい部分のこだわりや遊び心が感じられるモノが多い。

昔、ProttのApple Watchのプロトタイプ機能をリリースした時にプレゼンテーションモードでコナミコマンドを仕込んだのだが、そういうイースターエッグ的な遊びを見つけるとテンション上がるよね。

良いデザインを良いビジネスにする

Goodpatchを創業した時から、自分たちが手がけるデザインは事業の成長や継続性に影響を与えるものでなければならないと意識していた。

創業前に色んなデザイン会社が大きな会社の事例を掲げて、〇〇のサイトを作りましたという実績公開のやり方には違和感を持っていた。大きな会社のサイトを手がけて、その会社のブランドを使って自分たちの信用力を上げるというやり方ではなく、自分たちはビジネスを成功させるというところに重きを置きたいと。

なので初期から自分たちが大きく影響を与えれる余白が多いスタートアップの仕事を積極的に受け、スタートアップのビジネスを成長させ実績を作ってきた。

この7年でも、スタートアップではGunosy、マネーフォワードをはじめ、関わってからIPOまで行った会社が5社出ていたり、直近ではスタートアップではないが、リンクアンドモチベーションのモチベーションクラウドに約2年近く関わり、グッドデザイン賞グッドデザインベスト100の受賞とビジネスも非常に好調でSaasビジネスの中では国内では類を見ない成長をしていて株価も10倍になり、更にはリンクアンドモチベーションの麻野取締役がデザインによって経営の考え方が変わったと言ってもらえるようなデザイン経営という面では非常に良い事例が生まれた。

という感じで価値観ベースに振返りをしたが、実は上記の5つは今年作ったGoodpatchのCore Valuesでした。

Goodpatch Core Values

1, Whyが人を動かす /  Inspire with Why
2, 領域を超えよう /  Go Beyond
3, 最高のチームのつくり手になる /  Play as a Team
4, こだわりと遊び心を持つ /  Craft Details, Create Delight
5, 良いデザインを良いビジネスにする /  Good Design Equals Good Business

2018年は年初に社内でCore Valueを作り直そうと宣言し、100人を超えた組織でCore Valueの再構築をするというなかなか難易度の高い事をしたが、今このValueが社内に徐々に浸透し、良い効果が現れ始めている。またどのように浸透施策を行ったかはいつかGoodpatch Blogでシェアされると思うのでお楽しみに。

7年という期間で気づいたこと

7年やって気づいたことは

言語化できないけど、確実に人の心を揺さぶるデザインというのは存在していて

そういうアウトプットを作れる人の重要性はもっと上がっていく

と同時にモノを作るだけでは解決できない世界もある。


Goodpatchを卒業したある社員がこう言っていた

「転職先に行ってわかったんですが、デザインはいくら手法やプロセスをGpで学んで知っていたとしても、カルチャーが伴っていなければデザインは実装できないんですね。」

デザインは手法やプロセスだけでは片手落ちでベースとなる文化が必要。

世の中に価値のあるモノが作れる人、チーム、組織そして文化を作る事は何物にも変えがたい価値があるということ。


呼び方がUIだろうがUXだろうがUI/UXだろうが関係ない。

デザインは今も昔も人を幸せにするために存在する方法だということ。

それだけが本質的に変わらないことである。

僕たちの仕事はデザインに関わる人たちが誇りを持って「デザインが仕事です」と言える社会を作ることなのかもと思っている。


2018年も本当に早かったけど良い年でした。

Podcastでも振返りをしているので良かったらこちらも聞いてください。


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