大学院の選び方 第一回:教員編

このシリーズは、『看護の臨床と研究を繋ぐ会』の第一回で発表した内容を改めて書き直したものです。

みなさん参加費を払ってきてくださった会ですので、この資料を無料で公開すると「せっかくお金払ったのに」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。また、私のプライベートな部分もそのまま書いていくつもりですので、恐縮ですがこのシリーズに限っては僅かながらにお金を頂き、公開させて頂く運びとしました。


高まる院卒看護師への需要

看護の世界においても大学院を卒業した看護師への需要が高まっています。
その期待を反映した状況として、

①看護系大学院が増設され、教員になれる修士・博士号ホルダー看護師が求められている

②専門看護師、リサーチナース(研究者だが臨床に身を置き、治験や院内研究をサポートする)など看護の中でもさらに専門分化が進んでいる

③臨床の管理者にも修士号が求められるようになった

などは、皆さんも感じてらっしゃることかもしれません。


実際に数字で見ると明らかですが、平成3年度には修士課程・博士課程ともに数校した存在しなかった看護系大学院は、現在はそれぞれ175校、94校と激増しています。

(杉田, 看護系大学の現状と課題, 平成30年度一般社団法人 日本看護系大学協議会定時総会 より引用)


この激増に伴い、「看護系大学院の質」も重要視されるようになってきました。あれよあれよと大学院というハコと、教員のポストばかり増え、果たしてその中身はどれだけ質が保証されているのか、ということです。

客観的に看護系大学院の質を保証してくれるようなランキングがあれば良いのですが、残念ながら国内の大学院ランキングはあまり信頼に足るものがありません。世界に目を向けますと、QS世界大学ランキングといってイギリスのQuacquarelli Symonds社が出している影響力の高い指標がありますが、残念ながら日本でランクインしているのは東京大学看護学専攻のみであり、国内比較には使用できません。


(QS World University Ranking 2018, nursingより)

東大は51-100位にランクインしている。


というわけで、日本においては看護系大学院を選ぶ上では、自分自身で試行錯誤しながら情報を集め、意志決定していくしかない現状です。

しかし、当然ながら大学院に行ったことがない方は、「いったい何を基準に大学院を選べば良いの?」と戸惑われることでしょう。院進がメジャーな選択肢である工学、理学系の学生なら大学院に関する情報も得やすいかもしれませんが、看護師にとっては大学院進学はまだまだマイナーな選択肢の一つであり、身の回りやネット上で得られる情報も限りがあります。

そこで、そのような方に大学院を選ぶ上でみるべき点をお伝えしたいと思い、こうして記事を書いております。


第一回の今回は、【教員編】。

みなさま、「教員はみんなすごい人」という風に思ってらっしゃいませんか?これから客観的な情報をもとにお伝えしていきますが、教員の間にも大きな実力差が存在しています。教員の実力を把握したうえで大学院を選ぶには、いったいどのような点に着目したらいいのか。

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大学院の選び方 第一回:教員編

Naoki Hirose

500円

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Naoki Hirose

「未開拓な医療資源である看護の潜在可能性を引き出し、公衆衛生の課題を解決する」ことがミッション。東大→看護師→東大大学院。*執筆はブログ「これからはじまる看護という時代について」中心(https://homo-curans.com/)

大学院看護師の日常

臨床の看護師さんの「大学院ってどんなとこなの?」という疑問にお答えするために。大学院の選び方から、受験時のアポの取り方、お金や生活スタイル、卒後の進路まで幅広く。
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