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リーダーシップには“動”と“静”がある

リーダーシップとは何か?と言われると、色々と思い描ける。「先見力」「描く力」「実行力」「組織構築力」「巻き込む力」「育成力」「場を整えるコミュニケーション力」等々。

上記7つ以外に私の場合、「周りを落ち着かせる力」を入れる。つまり、安心安全を感じてもらうための力。とでもいうだろうか。

鳥谷の場合、この「周りを落ち着かせる力」が抜群なのだと思っている。つまり、『“静”のリーダーシップである』。


一般的には、ぐいぐい引っ張る「“動”のリーダーシップ」が目立つし、評価されがちかもしれない。ただ、この「“動”のリーダーシップ」が2人以上いると組織は長くは続かない。どうしてもハレーションが起きやすくなるからである。なのに、「“動”のリーダーシップ」はすぐに2人以上現れるものだ。なぜなら、そう見せないと評価がされないと知っているからだ。。


一方で、「“静”のリーダーシップ」。このタイプのリーダーとはどんな人か?様々あるでしょうが、「おとなしいけど、人望がある人」といえる。例えば、周りが気づかない穴を事前に埋めてサポートしてあげるとか、誠実に取り組むことで着実に果敢な業務をクリアしているとか。これらは間違いなく、“信頼”につながっている。


では、今の阪神タイガースのフロント陣に、これらのリーダーシップの違いを見極め、しっかりと評価してあげられるスキルを持つ人がいるのかどうか?は非常に大事である。冒頭の岡田元監督の記事からすると、そういったフロントがいないのではないか?と思えてくる。矢野監督も鳥谷のことを本心でどうとらえていたのか?はすごく気になる点である。


阪神タイガースは全体的に、「若いチーム」である。若いメンバーから出てくる「“動”のリーダー」。ベテラン陣(鳥谷が適任)から出てくる「“静”のリーダー」。「“動”のリーダー」がまだまだ不十分なだけに、ここで「“静”のリーダー」をおさらばしてしまってよかったのか?「“静”のリーダー」のもと、「“動”のリーダー」が出てくるのを待つ必要はなかったか?阪神ファンみんなが思っていることである。

もし、若い監督のもと、若い“動”のチームを作ろうとしているだけだとしたら、冒頭にも書いた通り、チームは成り立たない=ハレーションが起きやすくなる。金太郎飴のような“動”のリーダーが複数存在するよりも、「“動”と“静”」。それらをバランスよく組み合わせる方が、より強い組織(チーム)になるのは間違いない。


鳥谷敬という“静”のリーダーのもと、安心安全を持って=周りを落ち着かせながら、“動”のリーダー争奪戦があと数年繰り広げられる必要はなかったか?


記事内、岡田元監督の言葉

『いずれにしても、鳥谷を欲しいという球団はあると思うよ。野球と向き合う姿勢がすばらしいし、ゲーム以外の影響力も大きい。今でも、誰よりも早くグラウンドに来るし、とにかくストイック。チームにとって絶対プラスになる無形の財産を持ってる。どこに行こうが、自分が納得するまでやり続けてほしい。そして、まだまだできるというところをファンに見せてほしい。オレはまだやれると思ってる。絶対やれるよ。』


その通りだと思えてきてならない。