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成功報酬「のみ」の補助金支援について

    このnoteは中小企業診断士に関するテーマで行うべきものです。しかし、個人的に伝えたい思いのあることの発信が多くなっており、少し反省しています。今回は、中小企業診断士界隈でコロナ後に盛り上がっている補助金関連で思っていることを書いてみます。

0  補助金の作成支援範囲

    中小企業診断士などの士業の方や、各種コンサルタントを名乗る方々は、中小企業に対して補助金の作成支援をしている方が多いと思います。作成支援の定義も人それぞれですが、ここでは、事業者からヒアリングを行って申請書を作成し、加点に必要な事項のサポートを行い、電子申請を終えるまでが支援範囲とします。

1  補助金作成業務委託の受け方

    簡単に分けると、①事業者から直接受注を受けるパターン、②事業者がある会社に委託があり、その下請けとして間接的に受注するパターンがあります。①のパターンは説明不要ですが、②のパターンは知り合いの方の紹介、下請として受注する、補助金支援のグループで受注するなどいくつかの形態があります。

2  契約の形態

    一般的に多い契約形態は、着手金+成功報酬というものが多いです。金額とか両方の割合についてはここでは議論しませんが、以前中小企業庁からコメントが出たことがありました(個人的には納得できる部分と納得しにくい部分がありましたが・・・)。
    成功報酬も採択されたら終わりということもあれば、交付決定で終わったり、事績報告まで対応したりありますが、ここではどこまでとは定義しません。私も案件によって対応範囲が異なります。

3  着手金の必要性

    着手金の定義も先ほど示した作成支援を始める場合に頂く文字通りのこともあれば、電子申請が完了した段階で着手金という考えがあります。前者の方が多いような気がします。
    支援者には電子申請を行うまでに様々な苦労があります。作成完了したのに電子申請をせずに破談になればそれまでの時間や苦労がお金になりませんし、銀行との融資の調整が不調に終わり、電子申請できないこともあります。なので、着手金を頂かないと安心して取り組めないということもあります。
    私の場合は着手金は頂きたい派です。安心というのもありますが、補助金支援においてはそれなりの時間を使って作成しますし、サポートするためには事前に勉強しておくことが必要です。それに対して、事業者や元請が支援費用を出さないという考え方が理解できません。最低でも最低賃金×かかった時間(想定時間)×1.5倍くらいはと思っています。もちろん、お金を頂かなくてもやりたいのであればそれは経験として良いと思いますが・・・。

4  成功報酬の必要性

    成功報酬の定義も先ほど示したように色々あるので一概に言えませんが、皆様はいろいろな定義で決めています。〇〇の△%とか、最低、最高がいくらとかですね。個人的には成功報酬は好きではないので、何かの業務を付加して頂くようにしますし、場合によっては頂かないようにしています。なので結果的に過大にならないように配慮しています。それは独立しているわけではないのでという理由もあると思います。
    事業者からすると作成支援して頂いたことは認めるが、採択されないと持ち出しもあるため、着手金よりは成功報酬に向きがちなのだと思います。お互いにメリット、デメリットがあるのでお互いに同意できればそれでよいという話もあります。

5   まとめ

    今回は私の意見ということで、他の方にそのようにして欲しいということではありません。私は着手金がないと仕事が正当化されないと思っているということです。なので、成功報酬「のみ」という補助金支援はしないと考えています。それを望む場合は着手金も入れるようにご提案しますが、納得いただけない場合は対応しないこととしています(経験上、成功報酬のみで受託したことはあります)。次回も補助金関連記事の予定です。

6  余談(1)

    どんな形態であれ、契約はきちんとしましょう。金額や支援範囲をきちんと定義しないとうまくいかないときにトラブルのもとになります。私は甘い契約の時があって、費用を頂けなかったり、減額されたりしたことがありました。こういうのどっかで皆さんで共有したいです。あと、金額出されないまま支援を終えたこともあります(お金は頂けましたが、反省)。

7  余談(2)

    企業内中小企業診断士の方で補助金に全く興味のない方がいらっしゃると思いますが、一度は体験することをお勧めします。社長に直接ヒアリングができ、事業計画や収支計画にも関与でき、事業の課題や問題点をどう解決できるかを1セットで経験することは中小企業診断士としての醍醐味です(2次試験を解くのとは違います)。

#中小企業診断士 #企業内診断士 #着手金 #成功報酬 #補助金


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