見出し画像

本日は『ジゼル』の初演の日

『ジゼル』は1841年に生まれたバレエ。

今日6月28日が初演日でした。
『ジゼル』は2幕のバレエ。物語は知っているよ、と言う方が多いと思いますが、ざっと紹介するとこんな。

1幕:場面はドイツ(ロマン主義誕生の地ですね)の城下町、村娘のジゼルは踊りが好きな、心臓に疾患を抱える少女。身分を隠して現れた王子と恋に落ちます。しかし、王子には許婚バチルダ姫がいました。
その許婚とは知らずに狩りの一行の一人としてバチルダ姫をもてなし、踊ってみせ、恋人がいるというと高価なネックレスをもらっていたジゼル。
その事実をジゼルに心を寄せる森番ヒラリオンに告げられ、ネックレスを投げ捨て、そして気がふれ、心臓疾患で死んでしまいます。

2幕:森の中にある結婚しないまま死んでしまった少女たちの墓場にヒラリオンが弔いに訪れます。ジゼルを死を悲しんでいると、そこここにウィリたちが現れ彼を踊りに引き込みます。この結婚しないまま死んだ少女たちは男性に恨みがあり、彼らを踊りの輪に入れ死ぬまで踊らせるとう伝説があったのですが、それをバレエが取り入れています。
そこへヒラリオンも小姓を連れて弔いに現れます。(小姓はウィリの気配に早々に退散)祈っているとそこにジゼルが現れます。裏切られてもなお彼の事を忘れられなかったのです。
絶対に従わなくてはならないウィリの女王ミルタにも愛の力で抗い、ウィリたちが力を失う夜明けまで(夜明けを告げる鐘が舞台では鳴ります)守り通します。

このバレエはドイツのロマン主義文学がフランスでバレエとして花開いた ”ロマンティック・バレエ”(ロマン主義バレエ)の名作として踊り続けられています。

ですが、実はパリでは1864年を最後に上演が途絶えていました。
ですが、ロシアで『白鳥の湖』などの振付で知られるマリウス・プティパが手を加えたバージョンが踊り続けられていたので生き延びたのです。

プティパが手を加えたバージョンをバレエ・リュスが1910年にニジンスキーとカルサヴィナ主演で上演したのも重要な事実です。

バレエ・リュスは新しい事をしただけではなく、大切な伝統も守ったのです。



ありがとうございます。 欲しかった本やプログラムを購入し、Ballet Collectionの充実に励みたいと思います!