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メデイア化の問題・作家さんのご冥福をお祈りします。

シリアスなトピック(話題)ですが
理解してもらわないといつまでも続く誤解なので

2次創作・2次版権の説明といったプロユースの話を中心に
2度と今回のような事にならない予防策を提案していきます。

多過ぎて理解できない方がいると思います。
その人はドラマ化やアニメ化にタッチしない方がいいです。
全編無料なので知識を共有してください。

  • 2次版権は別物

  • 注意!!原作レイプ常習犯

  • 原作を超えてしまった二次創作・2次版権

  • 制作委員会と予算

  • 最後の切り札「人格権」

  • ダブルスタンダードな無責任なファン達

  • 作家にレクチャーする編集者と、現場に著作権理解を徹底するプロデュサーの不在

  • 解決の方向性


2次版権は別物

漫画や小説が映画化やドラマ化、ゲーム化する時に起こるトラブルが
昨今目立っています。
これの原因は

2次版権を著者や製作陣が共に理解していないのが理由になります。

僕の著作で解説していきます。

「嬢王」という作品を描いていますが
クレジットは「作画」と打たれているかと思われます。

ですからTVのプロデューサーに
「絵を描いてる人だね」
と言われました。


完全に間違いです。


そこからです。
作画と打ってるのは便宜上で
やってるのは
演技、演出、美術、脚本です。

つまりTV、映画の業界でいう
「監督」ディレクターに当たります。


更に漫画の場合は完結していない作品の為
「共同著作者」であり
原作と権利を50%保有しているので

著作権者なんです。


ここが誤解の一段階目

次に

LINEで250万view突破して
他電子書籍でも販売されているので
もうすぐ500から600万viewは突破する

拙著の「復讐心中」は
完結した小説を元にし
小説を管理する会社から許諾を受けて制作した
2次版権作品になります。


ここでもう理解できない人が出てきたと思います。
脱落者を少なくするために
砕いた表現をします。

「小説を借りたコミカライズ、紅林はコミカライズの権利はあるが勝手な販売の権利はない。二次創作。」


え?二次創作?
同人誌と同じ?2次?

はい同じです。
ただし、原作許諾を得ており
販売も契約の範囲で許されています。


これを

2次版権といいます。


二次創作は皆さんどのようなイメージでしょうか?

「自由に遊んでますよね、他人の作品で」

原作レイプ天国です。

NO rape!!YES Play!

あれ全部
原作者が「ダメ」と言ったらダメになる物です。


2次版権は放送、上映や販売が許諾されている物を指します。

同人の方が言っている「公式」に当たります。


性質を考えてみてください。
二次創作は自由ですよね?
作家さん達も自由に常識の範囲でとおっしゃっています。

では2次版権は?

答えは
「自由」なんです。

改変はしてもいいのです。

では原作レイプし放題の許諾を与えているという事ですか?

違います。

作家が許諾を与える条件を飲むことが重要になります。

ではここで
注意が必要な日本でも屈指の
原作レイプ犯を顔出しで紹介します。


注意!!原作レイプ常習犯


宮崎駿


庵野秀明


押井守



宮崎駿さんの「君たちはどう生きるか」は
原作のその著作をどう扱ったか?記憶に新しいと思います。

古くは
「ルパン三世カリオストロの城」の時に
原作者のモンキーパンチ氏に
「宮崎駿監督のルパンはフェミニストすぎて原作と違う
女も殺すのがルパン」と言われています。

原作を改変しているか?というと
本物のルパンの作者ルブランのルパンの影響を受けている作品が
アニメの「カリオストロの城」に当たります。

「ルパン三世」自体が
実はパブリックドメイン(版権期限切れ)を使った2次創作なのです。

他、魔女の宅急便、ハウルの動く城は
原作者から「原作と違う話」を言い渡されています。

ゲド戦記に至っては
宮崎駿氏が原作者に
「息子が至らなくてすみません」と謝りに言ってるくらいです。

2次版権というのは「自由に改変していい」物なのです。
ただし、許可の範囲の上で。

庵野秀明さんも
ゴジラ、仮面ライダー、キューティーハニーと
他人の版権を自由に改変して
新しいものを作り上げています。

原作とは大きく違いますよね?
原作に忠実な部分とはどこの部分を指していて
どこを継承しているとか
何を否定したのか

言語化できる人がどれだけいるでしょうか?


押井守さんなんかは
完全に人の作品を借りて
自分の思想を語り出します。

うる星やつらビューティフルドリーマー
パトレイバー2
ゴーストインザシェル攻殻機動隊

原作のキャラ借りて
押井世界の表現をさせられてしまっています。

でも
この三方は
いずれも高い評価と、作品が素晴らしい事には変わりがありません。

ただ
原作レイプと呼ばれる改変行為の常習犯ではあります。

原作改変は良く
レイプがダメなんじゃ?という言葉の揚げ足取りではなく

二次創作が自由なように
2次版権も自由なのです。


これがドラマやアニメになると
「原作準拠」でという動きになる。

ファンや作家の感情の問題なんです。


嫌なら許諾しない事もできます。

2次版権とは2次創作に許諾を与える事


これをちゃんと契約の時に話し合う必要があります。

ここで
原作を超えてしまった
2次版権の名作のご紹介をします。
知識としてしておくと役に立つでしょう。

原作を超えてしまった二次創作・2次版権


「オペラ座の怪人」という作品をご存知でしょうか?


これの原作は
ガストン・ルルーによる小説なのですが
もっとわかりやすくいうと

「本当にあった怖い話」みたいな
当時の三文記事だったのです。

よくあるじゃないですか?
この村で起こった凄惨な事件。みたいな漫画。
あったかなかったわからないような
嘘くさいノンフィクション風のフィクション。

アレです。
いわゆるゴシップ系小説だったんです。
それが
いくつもの映画化、ミュージカル化していくうちに
完全に一人歩きして
別物に進化していきます。

それが皆さんが知っているこれです。




原作を超えてしまう二次創作
そんなものがこの世にあってたまるかー!!!

北斗の拳のジャギ様みたいな事は起こるのです。

「シャイニング」

https://www.youtube.com/watch?v=uCfzgiULudY

これは
原作者も超有名なキング原作

しかし映画別物級の「超傑作ホラー」に。

幽霊や超能力を題材にしたキングの小説を完全に無視したような作り

冬の閉鎖したホテルで管理人の仕事をする
売れない小説家が神経的にいかれていく姿を描いた
サイコロジカルスリラーの傑作にキューブリックが仕立て上げました。

続編の
DRスリープでは
「シャイニング」とは「光り輝く才能」のことで
映画に出てきた全ての超常現象は幻覚では無く
真に「闇の存在」だったことが描かれています。

キューブリックの映画では
幽霊なのか幻覚なのかわからない表現をすることで怖さを増しているのですが

原作のキングは
「シャイニング」とはまさに幽霊をみれたり、話せる超能力のことを指しており
神経症、精神錯乱を描いている映画のシャイニングを嫌ったのです。

キングのその後の作品を見ても
ITやグリーンマイル、スタンバイミー

キングは超常的なものを信じており
それに導かれている描写が多いです。


ただキューブリックはそこは残しながらも

精神錯乱怖いよねー。の方を重視し
ホラーの金字塔を作り上げてしまったのです。
他人のふんどしで。


制作委員会と予算

正直、ほとんどの改変理由がこれです

「予算」

例えばですが
ゲームオブスローンってドラマ知ってますか?
あれ1話いくらかかると思いますか?
1話で7億から10億かかるんです。

で、日本の映画のゴジラ−1.0ですが
1500万ドル(30億円)で作られた事で世界中で
低予算すぎる!!!って話題になっていました。

山崎貴監督は「(1500万ドルも)そんなにもらっていない」
と発言しています。

アバターとかが300億円とかかな。
ロードオブザリングが3部作同時に作ることで制作費を安く抑えて
800億円くらい。

ゲームのFF16の制作費が150億円くらいです。

アニメの1話制作費は
以前は1000万円くらいだったのですが
今は2000万円から4000万円くらいに高騰しています。

金がかかるわけです。

深夜枠のドラマが30分1話で500万くらいだと思います。

二次版権の許諾をもらった制作会社が
原作者の話を聞かない理由は
「金を出さないから」です。

それ防ぐため
集英社は重要な作品には出資しているはずです。

お金を出して意見を通させるわけです。

これは製作陣もリスクを軽減するために助かる部分があります。
1話3000万✖️10話で3億ですからね。
出版社が負担してくれると助かります。
TV局、芸能プロダクション、スポンサー、出版社
数社が集まるこれらの集まりを

「制作委員会」と言います


出資比率の割合で意見が強くなります。
当然ですね。
億の単位が動いていますから。


「意見が通らない」とは

つまりそういう事なのです。
出資比率が低い。

ここから考えると
日テレと小学館さんの今回のドラマの件が見えてきた人もいると思います。

原作さんの要望に十分配慮するが
出資者達の意見が優先というのが

興行世界の常識なのです。

小学館がたくさん出資している
葬送のフリーレンでは起こらない事だと思います。

「二次創作は著者の物でないので自由でよく
しかも著者が公式許諾を与えている
そして原作者の意見が通らない」

という一見、矛盾にも満ちた構造の正体は
「お金払わない人の意見なんか聞かないよ」

そういう事なのです。


最後の切り札「人格権」


原作者、著作者達は
苦しい思いをします。
自分の考えた物と違うものを提示され
世間からは
「あれ見ましたよー。面白いですねー。」と言われる事になる。

その逆もあります。
「ああ、、あれね。」

違う物なのにー!!!!

というのが作家の気持ちです。

一つ前の記事でも書きましたが
嬢王のヒロインを「障害者」にする脚本は
著者として流石に抗議しました。

キャラクターを殺したり、不遇な体にするというのはエンタメといえども
不快だからです。

やりたいのなら「別物」としてやって下さいと。
そこでドラマ嬢王3は「原案」に格下げにしていただき
スペシャルエディション(特別編集)とでも名前つけとけば?と

お返したわけです。

これを

「人格権」と言います。


しかしドラマを中止させるような横暴はしたくありません。
何千万円、億の単位の予算が動いています。

映画なら普通に2、3億が動きます。
それがストップすることは
誰かの命の危険もあるわけです。
これは芸能界の闇でも脅しでもなんでもなく

現場のビル建築を想像して下さい。
5億円のビルを建設しています。
基礎工事に問題があり、作り直しを施主から言われ裁判になりました。
工事責任者は裁判で有罪にさせられ
工事費は会社が負担し
もう5億で作り直します。という話の時

誰かが死にますね?


経済の問題なんです。


映画やドラマはそういう規模のお金が動くというリスクです。

「人格権」はそれらプロジェクトをストップさせることができる
合法的な殺人ライセンスのような権利という事になります。


「著作権人格権」が怖いと言われる所以です。

ワンピースのネットフリックスのドラマも
作家の意向に反した場合
作り直しがあるということを同意させて作らせています。

それは製作陣は慎重になりますよね。
細かくご意見を伺う事になります。

非常に危険で強力な権利のため。
編集者達はこの権利について

作家に話さない場合があります。

簡単に行使されたら困るからです。

まずここに問題点があるわけです。

契約書に「人格権を行使しない」という文章を載せている場合は
そういうことです。

次に大問題が無責任な人達です。

ダブルスタンダードな無責任なファン達

ファン達というのは
僕たち人気商売の者に取り
生命線であり、血液です。大事な呼吸をする空気でもあります。

しかし
専門知識がないため
間違った騒ぎ方をすることがままあります。


原作改変をしている

「ルパン三世カリオストロの城」を彼らは原作レイプとは叩きません。

特定の一人にサイン販売を禁止を通達したら
同人誌で二次創作(二次版権)が自由にならなくなる!!!と
ムキになり
森川ジョージ先生(版権者)を批判したりします。

大きな意味で
二次創作(自由に改変していい)であるドラマ、アニメを
原作改変だ!リスペクトがない!と言って叩きます。


知識がないのでダブルスタンダードのおかしな人になってる場合があるのです。

知識がないためめちゃくちゃを言っているのに本人達が気づいていないのです。

できたら騒がないで
穏便に済むことを願って欲しいのです。

映画「スラムダンク」
監督を原作者の井上雄彦さんがするというのに
つまりオリジナルがオリジナルを改めて作ると言っているのに

アニメスラムダンクをリスペクトしていない!とか
映画シティーハンターは旧キャストを使って成功した
スラムダンクはファンを敵に回した大ゴケ決定!!と
馬鹿な人達が公開前、営業妨害のように騒いでいました。

結果どうなったでしょう?
世界的大ヒットをオリジナルがしました。

分かってないんだから
騒がないで
見守るくらいの謙虚さを身につけましょう。

ファンいえどもというか
本当のファンならばです。

作家にレクチャーする編集者と、現場に著作権理解を徹底するプロデュサーの不在


漫画家もほとんどの方が
著作権を理解していません。
ですから、かく出版社には「ライツ」部門が存在します。
ライツ、つまり権利を担当する部署です。

これは出版社でも「特殊部隊」に属する部門

法律や絵の権利のプロ達です。
頭良いです。

権利の扱いが難しいことを(著者でも自由にならないことがある)、
作家に教えていく機能が
出版社にまだ無いというのが現状だと思います。

漫画家と話すと
「この人著作権を理解していない」というのがすぐわかります。

作家で教育できない人もいます。
威圧的で、編集者を頭ごなしで使う作家に
編集者達はレクチャーしません。


あの作家と関わりたくないし、勝手にこければいいと思われてしまったら教えてもらえなくなります。


まず作家も
編集者達にうまく助けてもらう方法を身につけた方がいいと思います。

彼らは優秀なので
官僚のように働かせるのが一番です。
漫画家が政治家です。

トラブルがある時、即座に専門分野のレクチャーを受ける雰囲気作りは必要です。

2次版権が思うようにならないことを
ちゃんとレクチャーしてくれる編集者が
メディア化になるときに一番重要な人です。

この編集者が交渉窓口になるからです。

漫画家が芸能関係のメディアプロデューサーに会うと
思うのが

「横柄なやつだな」

です。

こっちを向いていない。
おそらく
この映画の布施明と西村雅彦さんのキャラが
プロデューサーを端的に表していると思います。


脚本家の立場が
漫画家や作家の立場です。

著作権をおそらく理解していない
TV業界マンも多いと思います。
勉強しないといけないと思います。


最後に解決方法の提案

ドラマ化に関して
期待してはいけない事。

二次版権は二次創作とほぼ同じ事

二次創作が原作を上回ることがままある事。

よほど気に入らないなら
原案に格下げすること。

口出し出来ない理由が
出版社がお金を出していない場合があること。

この辺を編集者は丁寧に作家にレクチャーし。

制作途中で人格権を発動させないように同意させ

人格権を発動させないためにも
意見を聞いてもらう
メディア側の理解の深度が深まることが重要だと思っています。

芦原妃名子さんのご冥福を重ねてお祈りします。

不幸が続かないように誰かを責めることなく

必要なのは戦いではなく
双方の「理解力」なのです。


紅林 直


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