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地殻変動とは?人生に置き換えたら一体何が起きているのか?

私はHawai'iの神話を研究している。その神話とは、ペレという火山の神である。

ペレの神話は、マグマを擬人化して語られているという。まだ読み書きや科学がもたらされて居なかった古代Hawai'iに於いて、この地球(地球という概念があったのかも謎だが)の成り立ちや、人間とは一体何なのか?という疑問の答えを、神話を読み進めていけば行くほど、自分達の身の周りの自然にその答えを求めていたことが想像できる。

現在の日本に於いては、その辺りは学問的に整備されているので、私たちはそれを学べば良いだけである。しかし、私たちの暮らす土台である地面について、そんなに深く考えることは普段あまり無い。
こうした地学的な知識を持った自分が地学的な神話を研究することは、結局は現代の地球に暮らす、「地球を含めた自分という存在」つまり地球というステージと一体化して生きている自分について知ることになるのでは無いだろうか?と考えている。

今日は、地殻変動、つまり人生に当てはめたなら、人の生き方が変わるタイミングや、大転換が起こる時、地球の内部では(人間の内部では)何が起きているのかを考えてみようと思う。

地形というのは、普段の暮らしでは殆ど気付かないが、実は日々変化してしている。日本の場合、その多くの海岸線は、実は長期で見ると隆起しているのだ。逆に沈降は中国地方に見られる。

大きな地殻変動は、巨大地震で起こるが、実はその後にゆっくりと元に戻る動きがある。その動きは余効変動という。

例えば東日本大震災で1.1メートルも沈降した男鹿半島だが、当初地盤が沈下したため、港部分を工事で嵩上げしたのだ。しかし、その直後からじわじわと隆起に転じて10年間で0.7メートルも回復をした。このペースで行くと完全に元に戻るかもしれないと予測されている。

しかし、現実的にはその時どきの対処は必要であり、工事をしない訳にもいかず、自然相手の場合は非常に判断の難しいところであるのが現実だ。

これは、地震の後もマントルの動きが存在する為、その上のプレートもゆっくりと動くことで起きて来る。大きな地震だけが、地殻変動を起こしているわけではないのだ。

プレートのゆっくりした動きは、スロースリップといい、地殻も小さくゆっくり動いていく。だから揺れないので大丈夫、とも言い切れず、プレートの固着が少しずつゆっくりと外れることは、もしかしたらそれが外れ切った時に、ドカン!と大きな動きが出る可能性もあり、それが南海トラフに於いて研究が続いている。

こうして、地殻とは実は日々少しずつズレたり動いたりしているものなのだ。

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これが人間における意識変革だとしたら、人生に起きる大きなイベントだけが大きな意識変革につながるわけではなく、日々の小さな経験や習慣が、ある日、大きな意識変革へとつながってへ行くのではないかと考えられるのである。

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この様に、プレートが動くことでが生まれ、活断層によって隆起したものが山、逆に沈んで行ったものは盆地となる場所もある。地殻変動とは、巨大地震では突然に隆起や沈降が起きるが、ゆっくりとした動きでも、地形を変化させている。在る意味人間に対して恩恵も与えてくれている。

写真 琉球新聞より

さて、地殻変動の証拠とは、どこから手に入れたら良いのだろう?

海岸段丘を観察すると、隆起したおおよその年代が分かる。一気に隆起した時もあれば、徐々に隆起した所がある。段丘の岩に着いた、ヤッコカンザシを観察すると、その貝の中に残された海水を調査すると、いつの時代に干上がったものなのかが分かる。こうした状況を見ると益々、生物は私たちに歴史を伝える使命を担ってくれているのかなと思わないでは居られない。

また、ハマサンゴの、マクロアトール(小さな環礁)の成長過程を観察することで、沿岸の隆起を知ることが可能だ。マイクロアトールの珊瑚の形状や、その内部構造を調べることで、そのの沿岸はいつ隆起して、いつ沈降したのかを知ることが出来るのだ。つまり、いつ地震が起きて、その周期を知ることが可能だ。

こうして、自然界では、珊瑚から情報を貰うことも出来る訳だ。では、私たち人間は珊瑚に対してどんな情報を与えて情報交換が成立するだろうか?

人間は自然から恩恵を受けているが、人間が自然に対して恩恵を与えること(またはお返しをすること)は、果たして出来るのだろうか?

それとも人間とは、地球の意識で育てられている生き物なのだろうか?

いずれにせよ私たちが生きている環境とは私たちの一部であり、地球にとって人間も地球の一部なのである。お互いを知ってその距離を縮めることは、お互いが少しでも健康に地球時間を楽しむ為に必要なことである。


2023.7.7

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